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2012年01月28日

とにかく生き残りたかったから日本語教師になった。

一週間ほど前にこのブログでもご紹介しましたが、この週末にブログを書いている日本語教師の皆さんで同じテーマでブログを書こうという企画が進んでいて、すでに記事が皆さんそれぞれのブログで書かれています。僕も今日はそのテーマで書いてみます。

なぜ僕は日本語教師になったのか。ひとことで言うと「生き残りたかったから」です。

なぜそう思うようになったかというと、二十歳の時のワーキングホリデーでの経験の結果でした。それまでは教養学部語学科英語専攻というところにいて、要するに英語で身を立てようと思っていたのですが、ワーキングホリデーでカナダに行ってみたらそりゃ驚きましたよ。だってホームレスもみんな英語が喋れるんですもん。

もちろん、英語圏ではホームレスが英語でしゃべっていたって何の不思議もないんですが、少なくとも、いくら英語を勉強しても、語学以外の専門性もなく「英語がしゃべれるだけ」というのは、何のアドバンテージにもならないことがよく分かったんですよね。

もう一つカナダで痛感したのは、これから自分が生きる時代は地球上の全員が競争相手になる時代なのだということでした。ご存じの通りカナダは移民社会で、僕が皿洗いなどをしていたホテルにもパキスタンやインドなどの南アジアの人たちや、チェコなどの東ヨーロッパから来ている人たちが大勢いました。これが1987年でしたから、今思えばプラザ合意からたった二年後、まさに日本にグローバリゼーションの波が襲いかかってきた時期だったのです。日本にもこうした海外の労働力が流れこんでくるのはもはや避けようがなく、自分の競争相手は日本人だけではないことが肌身に沁みました。

しかし、これからの時代を生き残るために、東ヨーロッパや南アジアの人たちと戦わずに済む場所をみつけることはできないのだろうか。あるいは、彼らに対して最初から自分にアドバンテージがある戦場はないのだろうか。

大学の一年目を終えたばかりでまだ何の専門性もなく、借金だらけの貧乏な家庭の出身だった自分にとって、彼らより自分が上手にできることといえば、日本語が話せるということしかなかったんですよね。

自分は日本人としては普通だけど、世界的に見れば日本語がかなり上手な方の部類に入る。そして、グローバリゼーションの中でこれから日本に来る外国人はどんどん増える。日本語教育なら自分のアドバンテージを活かすこともでき、しかもパイはどんどん増えていくのではないか。

振り返ればかなり安易な考え方ではありますが、二十歳のガキであった自分としてはそれが精一杯の判断でした。そういうわけで帰国後すぐに英語専攻から日本語学専攻へ転科する手続きを取ったのですが、その後、日本語教師の間ではすっかりお馴染みの「日本語を教えるのってこんなに難しいの?」という面白さというか壁というか、そういう衝撃にぶちあたることになります。

もっと他の人たちのことを知りたい人は、今回の企画の他に「海外で日本語を教える―ネイティブ日本語教師への期待」という本もあります。僕自身も、今日ここに書いたようなことをもう少し詳しく書いています。ご関心のある方はamazonなどでお買い求め下さい。

その他、今回のブログでは現時点で以下の10エントリーが確認できます。(括弧内はトラックバックのアドレスです。)
イスラエルからもトラックバックがあったようなのですが、現時点では確認できません。確認できたらご紹介いたします。

日々どっかで わたしが日本語教師になったわけ
http://flocke.blog42.fc2.com/blog-entry-414.html
http://flocke.blog42.fc2.com/tb.php/414-93a421b2

私が日本語教師になった理由|Penのブログ
http://ameblo.jp/universiti/entry-11147371084.html
http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/universiti/11147371084/5917c571

私が日本語教師になったわけ ≪ NIHONGO hacks!
http://studiojapanese.com/nhacks/?p=536

私が日本語教師になったわけ : ごぅいんタイワン
http://blog.livedoor.jp/xiaogao/archives/3261285.html
http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/universiti/11147371084/5917c571

Largo ma non troppo: 私が日本語教師になったわけ 〜その1〜
http://amikodesu.blogspot.com/2012/01/blog-post_27.html

Largo ma non troppo: 私が日本語教師になったわけ 〜その2〜
http://amikodesu.blogspot.com/2012/01/blog-post_9476.html

私が日本語教師になったわけ|pancho in hong kong
http://ameblo.jp/pancho-hk/entry-11147096128.html
(http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/pancho-hk/11147096128/2ef54f78)

Apprendre le japonais à Nantes ≫ Blog Archive ≫ 私が日本語教師になったわけ
http://otamaworld.com/nihongo/2012/01/raison-etre/

日本語教師になったわけ: 日本語教師の修業時代
http://jsnihongo.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-ba17.html
(http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1608289/43899965)

もし日本語教師がアラビア語を勉強したら 私が日本語教師になったわけ
http://h1roko.blog.fc2.com/blog-entry-17.html
(http://h1roko.blog.fc2.com/tb.php/17-cfebcd77)

非日常の国イスラエルの日常生活 私が日本語教師になったわけ
http://levyyamamori.blog.fc2.com/blog-entry-129.html
(http://levyyamamori.blog.fc2.com/tb.php/129-7afa527f)

むらログ: とにかく生き残りたかったから日本語教師になった。
http://mongolia.seesaa.net/article/249008402.html
http://blog.seesaa.jp/tb/249008402
posted by 村上吉文 at 19:05 | Comment(2) | TrackBack(3) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2012年01月26日

日本語教師はなぜ英語が話せないか。


photo by computerjoe

 日本語教師というのは基本的に語学学習能力が高いと言われています。さまざまな教授法や学習法についての基本的な知識は持っているのですから、当然と言えば当然でしょう。実際、青年海外協力隊の訓練では、他の職種の候補生に比べてずっと現地語の習得が速いことが多いようです。もともと語学に関心のある人がこの道に入ることもあるでしょうし、学生時代に英語の成績が悪かった人はほとんどいないのではないでしょうか。

 ただ、僕も含めて非英語圏で長く日本語を教えていると、いつの間にか英語を使わなくなってしまい、すっかり錆び付いてしまうことが少なくありません。僕もweblioの簡易測定で英語の語彙力を測ってみたら驚異的に落ちてしまっていて、非常に驚きました。

 で、どうして英語力が落ちてしまているのかというと、非英語圏で日本語を教える人間にとって、英語を使うということはいろんな意味で「負け」なんですよね。

 まず第一に、英語に限らず日本語以外の言語を使うということは、「私は直接法の授業に失敗しました」という敗北宣言になってしまうことが少なくありません。もちろん、直接法が唯一絶対の教え方ではありませんし、媒介語の適度な利用はまったく問題ないどころかむしろ僕は推奨しているぐらいなのですが、現地人教員とのティームティーチングの場合、現地人教員が媒介語を利用して文法などの授業をし、日本人教員が日本語だけで授業をするというようなパターンが非常に多くなります。その場合は、日本人教員は込み入った文法の説明などもしなくて済む上に、もともと日本語だけで授業をすることが求められているのですから、やはり英語や現地語を使ってしまうと、少なくとも僕自身にとては「うまくできなかった」という一つのマーカーになってしまいます。

 次に、今度は学習者の母語でなく英語限定ですが、非英語圏で英語を使うということは「私は現地語の習得に失敗しました」、もしくは「そもそも現地語を習得する意志すらありません」という態度の表明になってしまいます。納得できるレベルまで習得できるかどうかはともかく、学習者の母語を知らないことには、例えば学習者の誤用が母語の干渉なのか、それとも教え方がまずかったのかなども分からず、良い授業につながりません。そもそも、「お前たちの言語など学ぶつもりはない」と態度で示している相手から、日本語を学ぼうという気持ちになれる学習者がどれほどいるのでしょうか。

 最後に、これは時代が変わりつつあるところですが、これまで日本語教育に関しては、日本語で書かれた文献がそれなりに充実していて、しかも英語の文献の入手があまり簡単ではなかったという時代的な背景があります。ただ、もはや紙の時代は終わりつつあり、ネットでは英語の資料が山ほどありますし、それらにアクセスするのは技術的には日本語の文献を読むのとまったく同じ距離にあります。これからの若い日本語教員はたとえ非英語圏でばかり仕事をしていても、一度身につけた英語を錆びつかせることもないのではないでしょうか。

 もちろん、そうすると現地語の習得に障害になってしまうという別の懸念も出てくるのですが、それはまた別の機会に。

【参考】五分(ぐらい)でできる英語の語彙力測定ページ。25問に答えるだけです。

英語の語彙力の測定テスト〜英単語のボキャブラリーレベル計測試験〜 - Weblio
http://uwl.weblio.jp/vocab-index
posted by 村上吉文 at 14:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2012年01月22日

日本語教師のブログをつなげる面白そうな企画

すでにツイッターなどでお聞き及びの方もいらっしゃるかと思いますが、日本語教師をブログでつなげようという面白い企画があるのでご紹介します。

「みんなでブログを書こう! 第1回(私が日本語教師になったわけ)」
http://ameblo.jp/pancho-hk/entry-11139947219.html

この企画の中心にいらっしゃるのは、香港理工大学で日本語を教えている瀬尾さん、通称panchoさんです。

ブログを持っている日本語教師の皆さんに、「私が日本語教師になったわけ」というテーマで1月27-29日の間に新しいエントリーを書いてもらい、お互いにトラックバックしあうことでネットワークを構築しよう、という企画です。面白そうですね!

詳しいことは上記のURLから見ていただければいいのですが、僕もこういう企画は大好きですので、ぜひ何か書いてみたいと思っています。


posted by 村上吉文 at 03:21 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2012年01月16日

2011年のアクセスランキング

みなさん、おはようございます。

本当は年末年始の休みの間にまとめておきたかったのですが、今日は昨年の本ブログのアクセスランキングをご紹介します。
この中で昨年書いた記事はエジプトとチュニジアの二本だけで、ブログを書いている場合じゃなかったというこの年の状況がよく現れていますね(^^)

では、ご紹介します。昨年のアクセスランキングは以下のとおりです。

一位
むらログ トップページ
http://mongolia.seesaa.net/

二位
小論文の書き方 「序論・本論1・本論2・結論」
http://mongolia.seesaa.net//article/28378241.html

三位
泣いた赤鬼は何を訴えるのか。
http://mongolia.seesaa.net//article/78794947.html

四位
エジプトぱねぇ! アルカイーダにガチンコ勝負。
http://mongolia.seesaa.net/article/179694795.html

五位
スマートフォンはICレコーダーの代わりになるか。
http://mongolia.seesaa.net//article/164964071.html

六位
漢字フラッシュカード? それ10秒でできるよ。(デモ動画あり)
http://mongolia.seesaa.net//article/97658894.html

七位
チュニジアのジャスミン革命に見たネットの力。
http://mongolia.seesaa.net//article/180907049.html

八位
学習者の名前を使ったビンゴカードを自動作成
http://mongolia.seesaa.net//article/44170635.html

九位
ニュース動画をダウンロードする方法
http://mongolia.seesaa.net//article/63147069.html

十位
妻からの間違いメール
http://mongolia.seesaa.net//article/31378316.html


ちなみに、検索エンジンからこのブログへいらした方の検索キーワードのランキングは以下のとおりです。

一位 泣いた赤鬼 4.42%
二位 小論文 書き方 例文 2.33%
三位 むらログ 2.04%
四位 小論文の書き方 例文 1.68%
五位 妻からの間違いメール 1.61%
六位 田尻悟郎 1.16%
七位 シンプルノート 1.14%
八位 小論文 例文 1.00%
九位 ジャスミン革命 0.98%
十位 スマートフォン ボイスレコーダー 0.92%

上のページ別ランキングとだいたい重なっていますが、七位に入っている「シンプルノート」は以下の記事で紹介しています。

むらログ: シンプルなオンラインのテキストエディタ「シンプルノート」
http://mongolia.seesaa.net/article/158507363.html

実を言うと、今日のこの記事も、このシンプルノートで書いています。パソコンにソフトをインストールしないクラウド型の仕事をしている人にとっては非常に使いやすいツールだと思います。もっと短いテキストを書く場合は、クロームのエクステンションで「Q Pad」というのがあり、これもよく使っています。

話がそれてしまいましたが、今年最初のエントリーに書きましたように、今年は2日に1度のペース(カイロにいないときは除く)で更新したいと思っています。今年のアクセスランキングには新しい記事が並ぶようにしたいと思っていますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
posted by 村上吉文 at 12:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2012年01月10日

どうやって英語を勉強するか

今年の最初のエントリーで書きましたように、今年は試験を受けなければならないので、すっかり錆び付いてしまった英語をきちんと勉強しようと思っています。しかし、学校に通う時間はないので、自律学習風にやってみたいです。

子供を学校に送り出してから出勤まで一時間弱あるので、平日のその時間を勉強にあてます。とりあえずは3月末までの三か月が英語強化期間。

今のところ考えているのはこんな感じです。

日曜日:会話
オンラインでマンツーマンで話せるレアジョブに登録しました。体験講座を二回受けてみることができるので、よかったら有料会員になります。ご存じの方も多いかと思いますが、レアジョブは人件費の安いフィリピンとネットをつないで話す形式なので、非常に安いです。いかが料金表。
http://www.rarejob.com/login/price.php
僕のように週一で考えている人間には、1レッスン25分が214円ですね。

月曜日:読解 Google+の「Shelly TerellさんのPLN」とツイッターenglishの読み残し
Shelly TerellさんはツイッターやGoogle+で教育と技術に関してなかなか面白い情報を発信している人で、ご自分のPLN(Personal Learning Network)をGoogle+でサークルとして公開しています。(僕も入れてもらっていました) 
ShellyさんのPLNサークルはこちら。
https://plus.google.com/114337606913650576428/posts/SsaY1HG9Roo
 Shellyさんは「友達の友達まで公開」」という形でこのサークルを共有しているので、Google+で僕の友だちになった人ならどなたでもこのサークルを自分のサークルとして使うことができます(Google+を使っていない人には何がなんだか分からないだろうな)

火曜日:作文 
「むらログ」の人気記事を英語でまとめてGoogle+に投稿。

水曜日:聴解 
まずはDVD「アバター」を聞きながら語彙もチェック。
クールなフレーズとかICレコーダーに吹きこみ、後で学習語彙の管理ツールのANKIにも登録してみたいです。ANKIはこちら。
http://ankiweb.net/

木曜日:語彙
読解などでまとめておいた語彙をANKIに登録。
その画面をUSTREAMに録画。

これはまだあくまでも「計画」なので、やってみて効果的でないところはどんどん変えていきます。
posted by 村上吉文 at 12:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2012年01月05日

2012年の抱負。やらないこととやること。


皆さんと同じように僕も今年いろいろやりたいことがあります。
ただ、去年より今年は1日だけ多いですが、それじゃできることは知れています。
何かをやるには、「今年やらないこと」を決めなくてはなりません。それで、まず「今年やらないこと」を書きだしてみました。

【今年やらないこと】

1.「面白いけど勉強にならない」ウェブページを見る時間をゼロにする。
特にダークサイドに落ちそうになるのが仕事中に集中力が切れた時です。何気なくニュースサイトを覗いたりしないで、体を動かしたり、机の上を片付けたりして気分転換を図るようにしたいです。

また、twitterの「トレンド」のように、おもわずクリックしてしまう面白そうな見出しが目に入らないための対策も講じます。ちなみに「トレンド」はすでに地域を「東京」から「ベネズエラのマラカイボ」に変更したので、目に入っても興味を引かないように処置しました。
iGoogleも便利ですが、ダークサイドに落ちるリスクが高いので、ブラウザのブックマークから外しました。

ちなみにテレビについては随分前から緊急時以外は一切見ていません。質の高い番組があるのは事実ですが、そうでない番組が多すぎて、選別にかける時間も無駄に思え、結果的に一切見ないことにしています。やってみたらそれでぜんぜん困りませんでした。

2.インプットを減らす
役に立つ情報も、ちょっとインプットを減らさなければならないと思っています。
そのために、毎日欠かさず読んでいたツイッターのリストは大幅に削除しました。具体的には日本語のソースはすべて毎日読むリストから外しました。佐々木俊尚さんのツイートとか、非常に勉強になっていて残念なのですが、今年一年は諦めます。

3.「スルー力」を上げる。(反論しない)
特にツイッターで経験することが多いですが、フォロワーが増えてくるとあまりにもレベルの低い批判が飛んでくることがあります。
そこで今年は、レベルの低い批判はスルーするか、容認したわけではないことを示す必要がある時でも「賛同しませんが、それ以上のコメントは控えます」で済ませることにしたいと思います。


【今年やること】
1.紙媒体での情報発信。
facebookで1992年ごろのモンゴルの教え子たちの現状が分かり始めてきたので、二十年後の追跡調査をまとめてみたいです。
ソーシャルメディアを使ってアラビア語や英語を勉強している経験から見えてきたこともまとめてみたいです。
仕事でやっているオンライン教師研修や日本文化情報発信業務などを、成果物ではなくその業務プロセスをまとめてみたいです。
その他、たくさんあるんですが、どこまで実現できることやら。

2.英語の勉強。
今年は国際交流基金の上級専門家の試験を受けるので英語を勉強しなければなりません。
ちなみに基金の専門家の筆記試験は一度受けると三年間その結果は有効なので、今回悪い点を取ったら、次の採用試験にも影響を与えてしまうわけです。
そのために、1,2,3月と7,8,9月はアラビア語の勉強よりも英語の勉強を優先します。
具体的な方法については、あとでまとめて書きます。

3.体調管理
はっきり言うとダイエットと運動です。
ピラミッド持久走で、エアロバイクには走るほど効果がないことがわかったので、やはり外を走らなければならないようです。
あとできちんと計画を立てます。
目標は二つ。
一ヶ月一キロずつで一年12キロ減量すること。
一年後のピラミッド持久走でもうちょっとマシなタイムを出すこと。ちなみに今年は小学生相手にビリから二番目か三番目ぐらいでした。恥ずかしすぎる。

4.ブログ
このブログを2日に一回程度更新したいです。
ただし、出張や休暇などの時は難しいので、「カイロにいるときは」と条件を付けたいと思います。

いろいろ書きましたがどうなることやら。
今年の年末に、どれだけの目標が達成できたのか、この記事を踏まえて振り返りをしてみたいと思います。
あまり恥ずかしくない結果になってくれるといいのですが。
posted by 村上吉文 at 23:32 | Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年10月17日

偏見を持ってしまいそうなとき

先日、道を歩いていたら突然、隣のビルの窓から液体を浴びせられました。幸い匂いや色などはついていない水のようなものでしたが、実はそういう経験は前にもあり、その時は隣にいた別人が被害を受けました。その液体は明らかにコーヒーで、なぜかコーヒー豆のかすも混じっていました。二回とも広範囲にわたって液体が落ちてきたので、ビルのかなり高い階の窓から、特に誰かを狙って浴びせたのではないものと思われます。

もちろん、こういうことをされるのはあまり気持ちのいい体験ではありません。まあ、僕も普通の男ですから「ったく、エジプトって国は・・・」とか思ってしまいます。

しかし、考えてみれば当然ですが、一年いて二回しか経験していないということは、「ほとんどのエジプト人はそんなことはしない」と考えるのが妥当です。だって、全員がそんなことをしていたらビルの脇を通るときは全員傘でもさして自己防衛しなくてはなりませんが、そんな人は見たことがありませんからね。ですから「だからエジプト人は」と一括りに考えるのは明らかな間違いです。

では、どうして自分はどういう風に思ってしまったんでしょう。あるいは、人はどういう時にこうした偏見を持ちやすいのか。ちょっと考えてみました。
続きを読む
posted by 村上吉文 at 14:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年10月02日

スマートホンはICレコーダーの代わりになるか。(続編)



 このブログにはICレコーダーとスマホの関係について検索してやってくる人が多いようです。ですので今日は昔書いた記事から比べて今はどうなっているのかをご紹介したいと思います。

 androidの携帯を買ってから、最初は、スマホはICレコーダーの代わりにはならないと思っていました。しかし、スマホにアプリをダウンロードするようになると、スマホだけでもいいんじゃないかと思うようになりました。しかし、また今はICレコーダも日常的に身につけてかなり頻繁に使っています。

 これはなぜかと言うと、私自身の変化にもよります。というのも、私は九月と十月と十一月をアラビア語学習の強化月間(三ヶ月ですが)として集中的にアラビア語勉強しようと思っているのです。そうすると、スマホは語学の学習に特化した使い方においては、やはりICレコーダーの足元にも及ばないということがわかりました。ただし、私が言っているのは自分が使ったアプリについてだけです。もしかしたら、 androidにも語学学習に最適なアプリがあるかもしれません。

 では、 ICレコーダの何が語学学習に適しているかというと、それは音声データの一部だけを繰り返して再生する機能です。私が使っているICレコーダーはソニーのICD-UX300Fという機種ですが、この記事に限らず、多くのICレコーダーに標準で装備されている機能だと思います。

 実際に使うのはアルファベットのA,Bが書いてあってそして繰り返しのような矢印が書いてあるボタンです。音声データの再生中に一度このボタンを押すとそこがA地点になります。そして「B地点はどこですか」という意味の表示が出ます。そしてもう一度同じボタンを押すとそこがB地点になります。そしてその後はA地点からB地点までの間の再生をずっと繰り返します。つまり、再生中に二回このボタンを押すだけで、その音声データの中の特定の場所を連続して何度も繰り返して再生することができるようになるわけです。

また、私自身はあまり使っていませんが、再生速度を落としてゆっくり聞くのも、再生中にボタンをひとつ押すだけでできます。

これらの機能は語学の学習にとっては非常に便利です。そして、私がいくつかダウンロードしたスマホのアプリの中ではこんなに簡単に二ヶ所の間を繰り返して再生したり、速度を落として再生する機能を持っているアプリはありませんでした。その意味で、やはりICレコーダーは語学を学習する人間にとっては手放せないものです。

 ですので、語学学習もする人にとってはスマホを持っていてもICレコーダーを購入する意味はあると思います。しかし、アイデアメモなどの用途だけでしたら、スマホだけでも充分ではないかというのが、現時点での私見です。



【関係する記事】
むらログ: 日本語教師用のICレコーダーの選び方
http://mongolia.seesaa.net/article/137707919.html

むらログ: ICレコーダーを買ってみて思ったこと
http://mongolia.seesaa.net/article/144868904.html

むらログ: スマートフォンはICレコーダーの代わりになるか。
http://mongolia.seesaa.net/article/164964071.html

むらログ: スマートホンはICレコーダーの代わりになるか。(続編)
mongolia.seesaa.net/article/228403816.html‎

むらログ: スマホはICレコーダーの代わりになるか。(第3弾)
http://mongolia.seesaa.net/article/365583816.html

posted by 村上吉文 at 02:31 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年08月02日

石井式漢字指導法の実際

Google+の方で「石井式漢字指導法はすごい!」というようなことを書いてから、もう十日ぐらい過ぎてしまいました。実際にうちで作った資料をご紹介します。

その前にまず「石井式」というのを説明すると、石井勲氏が開発・提唱された漢字指導法で、物語などを読み聞かせながら登場人物の代わりに漢字を示すと、幼稚園児でも漢字が読めるようになる、というものです。この方法は外国語としての日本語教育の世界ではほとんど注目されていないのが実情ですが、時代の変化により今後はもっと注目されるべきなのではないかと思います。

時代の変化というのは、言うまでもなく文字が手書きされなくなってきているということです。キーボードで入力される場合は変換候補が表示されるので、その中から自分の書きたい文字を選べばよくなっています。そしてもう一点は、経済交流がどんどん盛んになるにつれ、趣味で日本文学を読むだけのような人だけでなく、仕事として日本語が必要な人などの「多忙な学習者」が急増しているという点です。つまり、手書きのような時間のかかる学習方法はやりたくてもできないわけですよね。

さて、私が作ったパワーポイントのスライドは以下のものです。桃太郎のストーリーですね。一枚目は削除し忘れたままアップロードしてしまったので、無視してください。二枚目以降の絵本らしき背景に、登場人物の代わりに「漢字」が入っているものが今回の漢字指導の目玉です。まあ、私は絵が下手なので、デザイン的にはここから学ぶことは皆無だろうと思いますが、石井式の漢字指導法がどういうものかは分かりやすいのではないかと思います。



これをめくりながら、僕が日本語で桃太郎の話をし、それにアラビア語の通訳がつきます。(本当はアラビア語のみでも大丈夫だと思いますが) アラビア語で話すときは、以下の札を見せながら話します。



お話のテキストは以下の通りです。
キビ団子の由来とか、犬と猿と雉の登場の仕方など、ちょっと一般的でないところもありますが、ご容赦ください。書いたのは僕ですので、みなさんにもご自由にお使いいただけます。

昔、日本の小さな村にお爺さんとお婆さんが住んでいました。
二人は仲良く暮らしていましたが、子供がいなかったので寂しい暮らしでした。
お爺さんは山で薪を売ってそれを村で売って生活していました。
ある日、おじいさんはいつものように山へ行きました。
おばあさんは川へ洗濯に行きました。
すると、川上の方から大きな桃が流れてきました。
「まあ、なんて大きな桃でしょう。お爺さんと一緒に食べましょう」
お婆さんは大きな桃を抱えて帰りました。
夕方になってお爺さんが帰ってきました。お爺さんは大きな桃を見てびっくり!
「これは驚いた。こんな大きな桃を見るのは初めてじゃ。さっそく食べましょう。」
おばあさんは大きな桃をまな板に載せて包丁で切ろうとしました。
そのとき、桃は自分でぱっくりと割れて、なかなか男の子が出てきたではありませんか。
オギャーオギャーと男の子は大きな声で泣きました。
お爺さんとお婆さんは「これはきっと神様が授けてくれたに違いない。うちの子供として育てましょう」と決めました。
お爺さんとお婆さんはその赤ちゃんが桃から生まれてきたので、「桃太郎」という名前を付けました。

お爺さんとお婆さんが桃太郎を大切に育てたので、桃太郎はとても元気な男の子になりました。やがて、桃太郎はお爺さんの代わりに働くようになったので、おじいさんもお婆さんも喜びました。それに、桃太郎は犬や猿や雉などの動物たちにも、いつも優しくしてあげていました。

ある日、桃太郎のところに雉が飛んできて言いました。
「桃太郎さん、たいへんです。悪い鬼たちが都にやってきて、お金や宝を持っていったり、家を壊したりしています。みんな困っています。助けてください!」
それを聞いた桃太郎はとても怒って言いました。
「それはひどいな。僕がやっつけてやる!」
でも、お爺さんとお婆さんは大切に育てた桃太郎が鬼と戦うと聞いて心配でなりません。
「お爺さん、お婆さん、ごめんなさい。でも、どうしても行かなければならないんです」
桃太郎がそういうので、お爺さんとお婆さんはあきらめて言いました。
「実はうちには先祖から受け継いできた不思議な木の実がある。これを食べると百人分の力が出るのじゃ。この木の実を混ぜた団子をお婆さんに作ってもらいなさい」
お婆さんは心配でしたが、それでも団子四つを作って桃太郎を見送りました。

鬼たちがいるのは、「おにがしま」という島です。桃太郎は鬼ヶ島へ向かって歩きはじめました。

その途中で桃太郎は一匹の犬に会いました。その犬は桃太郎といつも遊んでいる友達です。犬は桃太郎に尋ねました。
「ももたろうさん、美味しそうな匂いがしますね。私に食べ物をください。私はとてもお腹が減ってしまいました」
そこで桃太郎は団子をひとつ犬にあげました。犬はそれを食べるととても喜びました。
「何だか、すごく強くなった気がするぞ! 桃太郎さん、ありがとう! 何でもお手伝いをするよ」
桃太郎は犬に言いました。
「それじゃ、一緒に鬼をやっつけよう」
「もちろん、行きます。ワンワン!」

桃太郎と犬が一緒に歩いて行くと、今度は猿に会いました。団子を食べて強そうになった犬を見て、猿は聞きました。
「やあ、犬さん、私はお腹が減って死にそうです。鬼たちがこの近くの食べ物をみんな持って行ってしまいました。犬さんはとても元気そうですね。どうしたんですか。」
「桃太郎さんからおいしい団子をもらって食べたら元気になったよ。これから犬をやっつけるんだ。一緒に行こう」
「ウキキキ!それは絶対無理です。鬼はとても強いんですから」
と猿はこわがりました。そこで桃太郎は言いました。
「それじゃ、この団子をあげます。食べてください」
猿はお腹が減っていたので、その団子を急いで食べました。
「あれ?なんておいしいんだ! 何だか急に元気になってきたぞ。一緒に鬼をやっつけにいきましょう! ウキキキ!」
こうして猿も、桃太郎や犬と一緒に歩きはじめました。

桃太郎と犬と猿が歩いて行くと、今度は雉がいました。最初に鬼のことを知らせてくれた、あの雉です。雉は怪我をして飛べなくなっていました。
「桃太郎さん、助けてください!鬼にやられてしまいました!」
「なんてひどい鬼だ! でも、大丈夫。これを食べなさい」
桃太郎がだんごをあげると、怪我をしている雉はゆっくり食べました。でも、食べ終わると急に元気になって言いました。
「あれ?飛べる!飛べるぞ!」
雉はとても喜んで空を飛び回りました。
「桃太郎さんありがとう! お礼に何でもするよ!」
「それじゃ、鬼ヶ島まで案内してください」
「もちろん行きますよ、ケーンケーン!」
こうして雉も、桃太郎や犬とや猿と一緒に行くことになりました。

桃太郎たちは鬼ヶ島の近くの海岸に来ると、漁師から船を借りて、鬼ヶ島まで行きました。最後に残っていた団子を桃太郎も自分で食べました。
さて、鬼ヶ島の鬼の家には、十メートルもある高い壁と大きな門があって、門には中からかんぬきがかかっています。
でも、雉が空を飛んで中に入り、門の内側からかんぬきを外してくれました。
「よし行くぞ! 鬼たちをやっつけろ」
中にいた鬼はびっくりしましたが、入ってきたのが子供と犬と猿と雉だけだったので、安心して言いました。
「何をしに来た!お前たちを食べてやるぞ!」
でも、不思議な団子を食べた桃太郎たちはとても強いです。犬はガブッと鬼の足に噛み付きました。猿はウキキッと鬼の目を引っかきました。雉はケーンケーン!と固いくちばしで突っつきました。そして、桃太郎は大きな鬼を「えーいっ!」と投げ飛ばしました。
「うわー、痛い痛い。俺の負けだ!助けてくれ!」
「もう悪いことはしません。許してください!」
鬼は泣いて謝り、近くの村から奪ってきた宝物やお金を差し出しました。
そして、車に宝ものを積んで桃太郎たちは鬼ヶ島から出ました。
その途中で鬼にいじめられた人たちに宝物を返しました。
そして、桃太郎はおじいさんとおばあさんのいる村へ帰りました。


で、その結果なんですが、これは日本語学習コースではなくて「入門編」というお遊びイベントだったので、テストなどはしていません。ですが、物語の後で口頭の確認はしています。そのとき録音していた音声を確認してみますと、七つの漢字を同時に示して一人一人に「鬼の漢字はどれか」「犬の漢字はどれか」など聞いてみたところ、全員が正しく選ぶことができていました。

また、漢字一つを示して、一人ずつ「この漢字の意味は何か」と聞いてみたところ、「爺」を「おばあさん」と答えた受講生が一人いましたが、残りの六つの漢字は全部きちんと意味が言えました。

ということで、全部合わせると13/14という高確率で漢字の形と意味が結びついて認識されているという結果になりました。

なお、この辺の確認はアラビア語を使っているので、「犬」=「inu」というような発音はまったく指導していません。アラビア語で犬のことを「カルブ」といいますが、「犬=カルブ」という認識です。
posted by 村上吉文 at 13:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年07月18日

Google+のビデオチャットは確かにすごい!


写真 jamjar

本題の前にまずは、なでしこジャパンのみなさん、応援していた皆さん、優勝おめでとうございます!
Twitterの僕のTLがこんなに明るいのは311以降初めてです。東北出身の選手もいたそうで、被災地の皆さんにとっても大きな力になったことでしょう。(もしかしたら、単に「がんばれ」と被災者を応援したり、楽しいことを自粛するんじゃなくて、自分自身でがんばる姿を見せることこそが、もっとも力強い支援になるのかもしれませんね)

さて、今日ご報告したいのはGoogleが開発したSNS(mixiとかfacebook)であるGoogle+についてです。これはfacebookやmixiよりさらに進化しているのですが、中でもすごいと思ったのがビデオチャットです。

今時ビデオチャットなんてスカイプでもできますし、うちの80歳になる父も孫たちと海を越えて話したりしているぐらい普及していますが、Google+では一対一ではなく、複数の相手と会話するこことができるのです。しかも、専用ソフトを必要としないという点でもスカイプとは違いますね。また、システムとしてもスカイプはP2P、Google+のビデオチャットはクラウドという違いもあるとのことです。

昨日は実際に女子サッカーのFIFA決勝戦が始まる時刻から、エジプト、ヨルダン、トルコ、ケニアを結んでビデオチャットをしてみました。結果としては、僕のいるエジプトからヨルダン、トルコに関してはタイムラグもほとんどなく、非常に快適に使うことができました。ケニアに関してはちょっとタイムラグが目立ち、二回実験してみたところ、一回目は三秒ほど、二回目は五秒ほどのタイムラグがありました。なお、タイムラグを計るときは、一方が「1,2,3」などと数えて、もう片方が「3」だけ相手と同時に言うようにすると、その「3」という声が返ってくるまでの時間で分かります。しかし、繰り返しますが、エジプトからヨルダン、トルコと話すときはタイムラグを感じることは一度もありませんでしたので、ネットの発達した地域なら、まず問題なく使えるのではないかと思います。

非常に未来的な感じがしたのは、メイン画面の自動切り替えです。一対一でビデオチャットをするときは相手の顔がメイン画面に出るだけなのですが、昨夜のように複数の相手と話すときは、メイン画面の下に小さい画面でそれぞれの顔が写ります。そして、上のメイン画面には、声を出して話している人の顔が自動的に選ばれて表示されるのです。たとえば、これを使って授業をするなら、教師が話しているときは教師の顔が写り、学生が話すときは学生の顔がメイン画面に出てくるわけです。

とくに、ビデオチャットを終えて最後にそれぞれが「ではまた!」などと言うときは、その瞬間ごとにメイン画面が切り替わり、あとから編集した中継映像をテレビで見ているようでした。

さて、このビデオチャットを始めるには、上に「ソフトをインストールする必要がない」と書きましたが、ブラウザにプラグインを入れる必要はあります。これを入れるには、Google+にログインした後の画面で、右の方に表示されている「ビデオチャットルーム開始」というボタンを押すだけです。YouTubeがろくに見られないような環境では4分ぐらいかかりましたが、日本のブロードバンドなら数秒で終わるでしょう。あ、ちなみに髪がぼさぼさのままチャットルームに入ろうとすると「身だしなみを整えてマイクの動作を確認してください」などと言われますのでご注意ください。それでも突撃すると髪がぼさぼさの自分の姿が映りますから気をつけましょう。(当社比)

さて、あと五分だけ時間があるのでもう一つ書いておくと、Google+は自分の書いたことを誰に見せるかがコントロールできるという意味で、非常に画期的です。たとえばfacebookもmixiもアカウントを持っていない人には見せることができませんが、Google+では一般公開できます。また、「サークル」というfaebookの「リスト」などに当たるものを使えば、たとえば日本語教育関係者だけに発信したり、アラビア語に関する質問をアラビア語の母語話者である友人にだけ質問したりといった使い分けができます。つまり、自分のアラビア語力が低くて自己開示しにくいようなときでも、開示する相手を選ぶことができるわけです。

facebookでは僕がよく分からないトルコ語とかインドネシア語とかの書き込みも僕のホーム画面にあふれていてカオスになっているのですが、Google+ではユーザーが注意してくれさえずれば、こういった問題を回避するためのシステムが整っているわけです。

Google+に入りたい人はご招待しますので、お気軽にひと言お声がけください。
posted by 村上吉文 at 14:38 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年07月17日

自律学習についての教師研修を行いました。

他にも報告すべきことはたくさんあるんですが、とりあえず昨日のセミナーの資料をアップロードします。



「新しい自律学習」というのは、今回はインターネットなどをあまりお使いでない方たちが対象だったので、そういう意味での「新しい」です。こういうブログなどをお読みの方の中には「それほど新しくもないのでは?」とお感じになることもあるかとは思いますが、はい、あなたは正しい。

さて、セミナーの時の音声はこちらです。


最初に動画を見せているんですが、これは前にもこのブログで紹介したことのある、以下のものです。



ちなみに、会場後、開講までの時間にこんなスライドを流していたりしました。



ということで、まずはご報告まで。
posted by 村上吉文 at 12:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年07月07日

ブラウザ組み込みの日本語辞書に「ずるっこ」参戦!


写真 greeblie

「参戦!」とか書いてますが、実は僕が知らなかっただけです。すみません。ぺこぺこ。『中上級のにほんご』で有名な青山美佳さんにツイッターで教えていただきました。

何かと言うと、ブラウザに組み込んでしまって、日本語学習者が日本語の記事を読むときに簡単に辞書が引けるようにするためのツールです。この手のツールについては、今まで以下に紹介してきました。

むらログ: すげぇ! Google Dictionaryが和英に対応してる!
http://mongolia.seesaa.net/article/189734488.html

お読みいただければ分かるかと思いますが、日本語の単語をダブルクリックすると、その英訳が表示されるのです。これはGoogleのChromeというブラウザでしか使えませんが、語彙の数が圧倒的に多いのが特徴です。

で、さっき気がついたんですが、今までは日本人が外国語を読むために使われるツールだと認識していた「pop辞書」も日本語学習者用に対応していたんですね。たとえば、この「むらログ」をpop辞書に通すとこうなります。

POPjisyo - むらログ http://bit.ly/qbFf4G

日本語の単語の上にマウスの矢印を持っていくと、自動的にその英訳が表示されます。つまり、Google Dictionary で必要なダブルクリックという操作すら必要ないわけですね。ドイツ語訳に設定することもできます。

それで、同じような、というか、更にその上を行くツールが、今回ご紹介する「ずるっこ」なわけです。これは何がすごいかというと、pop辞書のようにマウスを動かす必要すらないんです。だって、ルビみたいに日本語の上に英語が表示されちゃうんですから。これは便利です。

ずるっこ http://zurukko.jp/
ずるっこでに通したYahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp.zurukko.jp/hl?c=topnews

pop辞書もそうですが、「ずるっこ」も上記のように通した後に特定のURLができますから、学生に宿題としてネット上の記事を読ませる場合は、そのURLを送れば、クリックするだけで辞書つきのページを開かせることもできます。たとえば「むらログ」でしたら今みなさんのブラウザに表示されているURLではなくて、上に紹介した http://bit.ly/qbFf4G を送るのです。特に「ずるっこ」の方はその効果が一目で見られるのでいいですね。pop辞書の方はマウスを動かしてみないと効果が実感できないので。「調べたい言葉の上にマウスの矢印を動かしてください」というような指示も理解できないぐらいのレベルなら、間違いなく「ずるっこ」がオススメです。

ただ、もし学生が中級以上でしかもChromeを使っているなら、僕自身はGoogleDictionaryを今後もおすすめすると思います。理由は語彙の数がpop辞書も「ずるっこ」もまだまだだからです。

たとえば今朝のYahoo!のトップニュースを見てみます。
 枝野官房長官は7日午前、首相官邸で佐賀県の古川康知事と会談した。枝野氏は、九州電力玄海原子力発電所(同県玄海町)の再稼働問題を巡る菅政権の対応の迷走を謝罪し、原発の耐久性を調べるストレステスト(耐性検査)を含む再検査が再稼働の前提となるかどうかについて早急に政府の統一見解を示す考えを示した。
この記事を辞書に書けた結果は以下で確認できます。(二週間ぐらいで元の記事は消えると思いますので、その後はリンク切れになります)

ずるっこ http://headlines.yahoo.co.jp.zurukko.jp/hl?a=20110707-00000443-yom-pol
pop辞書 http://bit.ly/qxnyXF

両方とも「玄海原子力発電所」の部分でまず「玄」「海原」「子」「力」と認識してしまっていますよね。また、「枝野」などの固有名詞も認識されていません。「ずるっこ」の方は「長官」「九州」などのけっこう基本的な単語も認識されません。

その点、GoogleDictionaryはほぼ完璧です。「玄海」はもちろん「枝野」も「古川」も一つの単語として認識しています。上記引用部の中で「康」と「菅」を一般名詞だと認識してしまったところと、なぜか「ストレス」を「ストレステ」までで一単語だと認識されましたが、あとは完璧でした。

また、記事を読んでいるときにいつでもすぐ辞書を引けるという敷居の低さも魅力的です。

さて、この「敷居の低さ」に関しては、pop辞書も「ずるっこ」も「ブックマークレット」というものを使うと、かなり改善することができます。以下の文字列をそのままブラウザのメニューバーなどにドラッグするか、あるいは「お気に入り」などに入れると、辞書を引きたいウェブページを見たときに、それをクリックするだけでpop辞書や「ずるっこ」を通した結果が表示されるのです。

pop辞書
ずるっこ

僕を含む、普通の面倒くさがり屋の人間にとっては、こうして「敷居を低くする」というのはとても大事ですから、これを設定するのだけはちょっと面倒くさいですが、その学習環境を整えるためには必要ですのでぜひ学生さんにご紹介ください。

さて、長くなりましたが今回ご紹介した三つのツールをまとめてみるとこんな感じです。

Google Dictionary
メリット ブックマークレットすら必要ない敷居の低さ。圧倒的に豊富な語彙量。
デメリット Google Chrome専用。ダブルクリックが必要。
想定できる利用シーン 中級以上の自律学習

pop辞書
メリット 辞書を引いた語彙を管理して復習などに利用できる。
デメリット 読みたい記事を見つけてから一度ブックマークを通す必要がある。調べたい単語までマウスを移動させる必要がある。
想定できる利用シーン URLで記事を指定して読ませる。中級ぐらいまで。

ずるっこ
メリット ルビのように英訳が表示されるのでマウスを動かす必要すらない。辞書を引いた語彙を管理して復習などに利用できる。
デメリット 現状では語彙の数が少なすぎる。読みたい記事を見つけてから一度ブックマークを通す必要がある。
想定できる利用シーン パソコン操作の苦手な初級の学習者にURLで記事を指定して読ませる。

以上です。それぞれ長短がありますので、シーンによってお使い分けください。
posted by 村上吉文 at 14:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年05月30日

母語以外を専門的に教えるのはやっぱり大変なんだろうなあ。

僕もいろいろな言語を学んできたのですが(モノになったかはともかく)、ときどきゲンナリしてしまうことがあるので、愚痴半分で聴いてください。

日本語教育の世界では、日本人の日本語教師は日本語自体は母語話者なので日本語の「教え方」を身につけることに専念でき、日本語を母語としない日本語教師は「教え方」以前に「日本語」そのものをきちんと身につけなくてはならないので「教え方」はあまり専門的に勉強していないという傾向があります。(もちろん、例外もたくさんあります)

でも、これって日本語教育だけの問題じゃないんですよね。日本で日本語以外の外国語を教えている日本人の先生方の間にも、残念ですが「教え方」にはあまり習熟していないように見えることがあります。

たとえば、日本語教育の世界で「場所を訪ねる」という会話があったとします。対象とかあまり特定しないで初級風に適当に書いてみると、だいたいこんな雰囲気になりますよね。
すみません、やまだホテルはどこにありますか。
新宿駅の近くです。
新宿駅は何線ですか。
山手線です。
新宿駅の何口から出ますか。
東口です。
歩いて何分ぐらいですか。
5分ぐらいです。
ありがとうございます。

まあ、こんな感じになると思うんですよ。
もちろん、細かいところはいろいろ突っ込みようもあるとは思うんですが、「場所をたずねる」という会話だったら、その場所への行き方とか見つけ方とかの内容になるのは、おそらく誰も否定しないのではないかと思います。

ところがこれが、外国語教育ではもしかしたら日本でいちばん有名なぐらいの組織でも、言語によっては同じ「場所をたずねる」という会話でこんな内容になっているんです。日本語ではなくて、別の言語を日本人が学ぶための会話の日本語訳です。
向こうにある車、見える?
向こうって、どこ?
私の指さしてる方。
…うん、あるね。それがどうしたの?
車に乗ってる禿げた人、見えるかな。
うん、あの人がどうしたの?
私のお父さん。
(ここではその機関の名前を挙げませんけど、研究などで知りたい人にはお知らせします)

繰り返しますけど、これって、ある言語を学ぶための教材のうちの、「場所をたずねる」という単元の会話なんですが、どこか特定の場所への行き方とか見つけ方を尋ねる会話になっていますか?

ちなみに、その教育機関は日本人に外国語を教えるだけではなくて、外国人に対する日本語教育も行っています。日本語教育のコースでの「場所についてたずねる」は以下のようになっています。
すみません、授業料を払いたいのですが。
授業料でしたら、会計課でお願いします。
会計課はどこでしょうか。
この建物の3階にあります。
印刷センターのとなりです。
3階へはどう行けばいいですか。
あそこにエレベーターがあります。
わかりました。
ありがとうございます。

あー、まともでよかった、というのが正直な気持ちです。「場所についてたずねる」という単元なら、普通はこうなるはずですよね? 同じ機関の同じ目的の単元なのに、日本語と某言語ではこんなにレベルが違うんです。

繰り返しますが、禿げたお父さんについての会話を作った先生方は、その言語そのものについては誰よりもくわしい専門家であることは事実なのでしょう。ただ単にその「教え方」についてはあまり高い専門性を備えていないというだけの話で。

逆に言うと、それらの言語に比べてその機関の日本語教育の教え方のスキルが高いのは、日本人だから日本語を身につける努力を既に済ませているので、「教え方」の専門性を高める余裕が、他の言語の先生方に比べて多かったというだけのことなのだと思います。

ここで僕たちが忘れないようにしておきたいのは、日本人同士でも「母語の教え方」と「外国語として学んだ言語の教え方」ではレベルに大きな違いがあるということです。海外の、特に途上国にいるとそれが国籍や文化や経済レベルの違いの結果だと感じてしまう人も少なくないようですが、日本人同士の比較を考えれば、それが間違いであることが分かるのではないかと思います。

また、日本人の日本語教師は、学習者の言語についてあまり知識がない分だけ、教授法にはしっかりと専門性を築いていく責任があるとも言えるのではないでしょうか。
posted by 村上吉文 at 14:32 | Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年05月10日

隠れた日本語教育大国サウジアラビア

毎日職場で顔を合わしている「すっかる・ちーにー・しゅがー」氏のブログで、先日サウジアラビアのことが取り上げられていました(http://egyptians.blog.shinobi.jp/Entry/206/)。僕自身もサウジには二年ほど住んだことがありますが、氏は出張でつい先日行ってきたばかりだったのです。

で、久しぶりのサウジの話を聞いてみると、どうも僕が住んでいた97-99年の頃とはずいぶん違うようです。そのあたりは前述のブログをご覧になれば分かるかと思うのでここでは繰り返しませんが、ちょっとこれは特殊な国だな、と思うことが僕自身が見つけたデータの中で二つほどあったのでご紹介します。

一点目は今井雅晴先生の「日本の茶道とわびさび文化の成立」というビデオ講演のアクセスです。これはうちの職場のYouTubeチャンネルで公開しているので、どこからアクセスしているかなどのデータが分かるのですが、いちばん多かったのがサウジアラビアだったのです。1099回のアクセスのうち、サウジアラビアが146で、日本の139すらも上回っていました。

それで、もうちょっと細かいデータを調べるために、Lang-8という相互添削型SNSに行ってみて、日本語学習者のデータを調べてみると、とんでもないことが分かってきました。それが下の図です。

Lang8toJPF.JPG


まあ、この図を見れば一目瞭然ですが、中東のそれぞれの国に関し、Lang-8に登録している人の数を、国際交流基金の日本語教育機関調査の学習者数で割った数字です。

何でこんな計算をしてみたかというと、普通は、Lang-8の日本語学習者数(a)と基金調査による日本語学習者数(b)っていうのは、おおざっぱに見れば比例するものなんですよね。つまりa/bはそれほど無茶な違いはない。敢えて言えばそれにネットの普及率が影響するぐらい。中東やアフリカでもっともネットの普及率が高いUAEがa/bでもトップで、ケニアやベナンが下の方にあります。

ところが、これらの数値、つまり、lang-8における日本語学習者の数を基金調査の日本語学習者の数で割った数字では、サウジだけが異常に突出しているのです。第二位のUAEは0.2で、つまり基金調査の日本語学習者数に比べたら5分の1ぐらいしかlang-8にはいないのに、サウジは5倍近くもいるのです。第二位に24倍もの差を付けてぶっちぎりのトップ。

これはいったい何を意味するのか。基金の調査は「日本語教育機関調査」なので、中学校なり大学なりの学習者だけが調査の対象です。一方、Lang-8は個人が自分の意志で登録します。つまり、サウジには学校が答えているより、ずっと多くの日本語教育のニーズがあり、その人たちがLang-8などのPLE(個人学習環境)に流れてきているのではないでしょうか。

絶対数で見れば、中東や北アフリカ地域におけるLang-8の登録数では、サウジはトルコに次いで二位です。Lang-8で学ぶトルコ人が161名であるのに対し、サウジは132名。つまりトルコの8割程度です。基金の調査では、トルコには1189人の日本語学習者がいますから、それに習えばサウジには970人程度の日本語学習者がいてもおかしくないかもしれませんね。これは、中東と北アフリカの地域では、トルコとをエジプトに次ぐ第三位の数字です。

観光旅行などでも気軽に訪れることのできないサウジアラビアですが、その厚いベールの向こうには、もしかしたら以外と親日的な顔が隠れているのかもしれませんよ。

【参考】
サウジにおける97-99ごろの日本語教育の現場の話にご関心のある方は当ブログの「砂の国の日本語教育」シリーズをご覧ください。
http://mongolia.seesaa.net/tag/articles/%83T%83E%83W%83A%83%89%83r%83A?page=5
(リンク先のページの下の方にまとめてあります)

上記のグラフで紹介している数値は以下のとおりです。
国名 Lang-8(a) 機関調査(b) (a/b)
サウジ 132 27 4.888888889
UAE 40 200 0.2
カタール 7 30 0.233333333
イスラエル 86 369 0.233062331
レバノン 11 56 0.196428571
トルコ 161 1189 0.135407906
エジプト 130 1036 0.125482625
バーレーン 6 64 0.09375
モロッコ 44 491 0.089613035
イラン 20 229 0.087336245
ヨルダン 8 100 0.08
イエメン 6 100 0.06
シリア 16 270 0.059259259
ケニア 14 988 0.01417004
ベナン 1 150 0.006666667
マダガスカル 2 1175 0.001702128

アルジェリア 30 0 #DIV/0!
イラク 11 0 #DIV/0!
スーダン 8 0 #DIV/0!
posted by 村上吉文 at 12:49 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年04月21日

ヨルダンからの日本支援

出張でヨルダンに行って来ました。
主な業務は教師研修と、スピーチコンテストの審査です。

教師研修に関しては、公式ブログの方に書いていますので、そちらの方をご覧いただければと思います。

ここでは、たった三日間のヨルダン滞在の間に、日本の震災に対するさまざまな支援、祈りなどに出会いましたので、その点について書いてみたいと思います。

まずは、弁論大会でのスピーチ。第三位に入ったヤザンの「日本人のガッツ」。
「私は皆さんにお願いがあります。もう少し待ってください。日本はもう一度、絶対にもう一度立ち上がります。さあ、みなさん、私と一緒に日本人の強さを目撃しましょう」という言葉が泣かせますね。







Video streaming by Ustreamこの弁論大会は、初級者向けのプレゼンテーションの部というのもありました。主催者に聞いてみると、語学的な表現力などに限界があっても、写真などを見せながらなら発表ができるのではないかと考えたらしいのですが、なかなかすばらしかったですよ。中でも、優勝したラミースさんは、アラビア書道で日本支援の作品を紹介してくれて、胸が熱くなりました。



彼女の発表はこちらでご覧になることができます。







Video streaming by Ustream

プレゼンテーション部門と弁論の部の間には、ヨルダンで日本語を教えているタイムール先生が中心になって制作された日本へのメッセージビデオも上映されました。こちらです。



この日は、弁論大会のあと日本支援のチャリティーコンサートがあるというので行ってみました。そこではステファニーさんという日本語学習者が被災者のために祈る歌を自作して、歌っていました。黒くてまっすぐな長い髪が特徴的な女の子で、最初は日本人かと思ったぐらいです。コンサートは広い喫茶店のようなところで行われたのですが、聴衆は飲み物代などの他に、400円ぐらいのチャリティーチケットを購入していました。その全額が日本赤十字に寄付されたとのことです。本人の了解をえましたので、彼女の日本への祈りの歌を以下に紹介します。



さて、以下は今回の出張とは関係ありませんが、ヨルダンのハヤー王女も国連を通じて被災者へのメッセージを送ってきてくれています。



その他、こちらでは協力隊の隊員がヨルダン人の手書きのメッセージをたくさん紹介しています。
http://www.city.kurashiki.okayama.jp/dd.aspx?itemid=43667

また、震災後一週間の時点で、ヨルダン渓谷からもメッセージが送られてきているようです。
http://feminblog.blogspot.com/2011/03/blog-post_21.html

おそらく国内にいるほとんどの日本人は、海外のこうした国々からのメッセージを自分から探す余裕はないのではないかと思います。しかし、ヨルダンという、日本から遠く経済交流もほとんどない国ですら、このように様々な励ましを送ってきてくれていることだけは、たまたま現地にいた日本人として、みなさんにお伝えしないわけには行きません。

うちの四歳の息子ですら、なにやら判別のできない絵をたくさん壁に貼っていて、理由を聞いてみると「日本を助けるため」なんて言っています。(その絵を壁に貼るとどうして日本が助かるのかイマイチ不明ですが)

それはともかく、日本の国内にいる人が思っているより、ずっと多くの人が日本を支援してくれています。一人の日本人として、このことは絶対に忘れたくないし、このブログやツイートなどを通して、これからも皆さんの声をもっと日本に届けたいと思っています。
posted by 村上吉文 at 12:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年04月07日

著作権に配慮された日本語教材の例

クリエイティブ・コモンズ関係の話題がここ数年盛り上がっていますが、日本語教育の世界ではどうなのか、ちょっと検索してみました。
まずは国際交流基金。「日本語教育通信」は、教材としては、「無料で許諾なし」で使うことができるそうです。出典が必要ですが、「編集するな」とか、「非営利のみ」という制限はないようですから、クリエイティブ・コモンズで言うと「CC_BY」に該当する扱いになるようです。ただ、日本語教育という目的に限ってのことですので、その部分がクリエイティブ・コモンズとは違います。
なお、著作権に関する特段の表示がない「日本語教育通信」が独自に創作した記事については、日本語教育目的の授業や教師研修などで、無料で許諾なしで使うことができます。ただし、その場合は、以下の方法などにより出典を明記してください。

出典「日本語教育通信」(C)(C) ○○○○ The Japan Foundation
(上記○○○○の部分には、使用する記事が最初に発行された年を西暦でご記入下さい。)

 しかし、「日本語教育通信」が独自に創作した記事であっても、刊行物・ウェブサイト等に転載する場合は、事前に「日本語教育通信」編集部の許可を求めて下さい。また、「日本語教育通信」の記事を翻訳して転載する場合にも、事前に「日本語教育通信」編集部の許可を求めて下さい。
http://www.jpf.go.jp/j/japanese/survey/tsushin/copyrights.htm

次は、おなじ基金の「教科書を作ろう」です。こちらはウェブに出しても出版しても基金の許可がいらないので、上記の日本語教育通信よりさらに使いやすくなっています。
「みなさんが『教科書を作ろう』を使って教科書、印刷教材、WEB教材などを作成する場合、著作権の許諾を国際交流基金日本語国際センターから得る必要はありません」
http://www.jpf.go.jp/j/urawa/j_rsorcs/textbook/jrs_04_01.html
これはこの教材(あるいは素材)自体をネットからダウンロードもできるようです。
http://www.jpf.go.jp/j/urawa/j_rsorcs/jrs_04.html

同じ基金ですが、「みんなの教材サイト」はもともとウェブ上のコンテンツなので、利用方法がより具体的に説明されています。無断でコピーしてもいいし改変してもいいが有料は除く、ということですから、「CC_BY-NC」にあたるようですね。ただ、これもどんな目的でもいいのではなく、あくまでも日本語教育のためなので、そこがクリエイティブ・コモンズとは違うようです。
「1.交流基金が提供している素材やアイディアは、日本語教育目的および非営利での以下のような利用に限って、無料で許諾なしで使うことができます。
ただし、以下の2.〜5.の場合を除きます。
ダウンロードして自分のパソコンに保存する。
そのままコピーして、授業で使うワークシート等の教材を作成する。
加工して、授業で使うワークシート等の教材を作成する。
無料配布の刊行物に掲載する。

2.教材用素材を有料で配布する刊行物に使いたい場合は、事前に許可を求めてください。
3.教材用素材をウェブサイトに掲載したい場合は、事前に許可を求めてください。
4.写真素材の一部に、個人または学校クラス内の教材使用に限定されているものがあります。そのような素材の画面には注意書きがあります。
5.「CASTEL/J」イラストについている例文とその音声は、個人または学校クラス内の教材使用に限ります。」
https://minnanokyozai.jp/kyozai/about/copyright/ja/render.do
「みんなの教材サイト」


次に、このブログでもいろいろ批判してきたJITCO。ここは、この教材自体がまだそれほど知られていないようですが、かなりの量のコンテンツが無料で使えます。そのほとんどは技術研修生以外でも、普通に使えるものばかりで、もうちょっと注目されてもいいかな、と思います。以下の著作権に関する記述では「学習者は技能実習生以外でも可」というところに注目ですね。コピーも改変もできますが、日本語教育限定の利用となっています。
1.JITCOの許諾を必要としない利用

(1)以下の目的で利用する場合に限り、許諾なしの利用を認めます。
技能実習生又はその候補者に対する日本語指導
送出し機関が実施する派遣前教育
監理団体等*が実施する講習
講習終了後の継続学習
技能実習生への日本語指導に関する研修会等
*送出し機関、実習実施機関、日本語教育機関が含まれます。

日本語教育機関での日本語指導(※学習者は技能実習生以外でも可)
(2)以下のような方法で利用することができます。
ダウンロードして自分のパソコン等に保存する
ダウンロードしたものをそのまま出力して、日本語指導のための教材として利用する。
ダウンロードしたものを、画像の拡大・縮小や情報の入れ替え等によって加工し、日本語指導のための教材として利用する。」

「2.JITCOの許諾を必要とする利用

 例えば以下のような目的で利用する場合は、事前に許可を求めてください。

(1)有料の出版物等に掲載する場合
(2)無料の配布物であっても、日本語指導の教材として直接利用するのではなく、パンフレット等の印刷物等に利用する場合
(3)ウェブサイトに掲載する場合
(4)翻訳して利用する場合」
http://hiroba.jitco.or.jp/info/copyright_ja/
ところで、このJICOが関わってきた、かつての技術研修生の制度ですが、昨年7月の制度変更で入国当初から「技能実習生」扱いになり、労働基準法などで保護されるようになったとのことです。くわしくはこちらを。7月以前に入国した技術研修生が現在は労働基準法で保護されているのかは分かりませんが、制度の変更自体はいいことだと思います。

面白そうなのが、こちらです。立命館大学の総合理工学院・理工学部建築都市デザイン学科 大野裕教授による試み。CCライセンスをはっきりと謳っています。
研究概要 マルチメディア日本語教材開発 第二言語として日本語を学ぶ人たちのために、ネットワーク上にクリエーティブ・コモンズ・ライセンスで教材を提供するための基盤作り。
http://research-db.ritsumei.ac.jp/Profiles/28/0002710/profile.html


最後に、僕が職場で関係しているクリエイティブ・コモンズの教材をご紹介します。
「日本の茶道とわびさび文化の成立」
http://jfcairo.wordpress.com/2010/12/21/266/
無許可、無料で使えます。初級後半以上ですが、日本文化の勉強にもいいですよ。
posted by 村上吉文 at 14:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年03月09日

すげぇ! Google Dictionaryが和英に対応してる!



言いたいことはもうビデオで全部言っちゃってるんで付け足すことはないんですが、インストール先はこちらです。
https://chrome.google.com/webstore/detail/mgijmajocgfcbeboacabfgobmjgjcoja

と言っても、ビデオを見ない人もいるかもしれませんので、簡単に書いておきましょう。

実は、以前紹介したオンラインの英英辞書が、和英辞書にもなっていたんですよ! つまり、これまでも自分が英語のオンライン資料を読むときには一番たくさん使っていたツールなんですが、これが日本語学習者にも使えるようになったということです。

以前はこちらに書いたことがあります。
「むらログ:スピード重視のオンライン辞書「Google Dictionary」」
http://mongolia.seesaa.net/article/151972324.html
ここでは以下のように書きました。
このGoogle dictionaryも、スピード重視の人向けです。ポップ辞書などは高機能ですがポップ辞書に読み込ませてからでないと使えません。おまけに読み込みに時間がかかりすぎます。Google Dictionaryは読み直す手間がかかりません。資料を読んでいる途中でダブルクリックするだけです。

そして、この「敷居が低い」ということがスピード重視の現代では非常に大切なんですよね。読み込みなおすのが面倒くさいと、結局使わなくなってしまいますから。
まさに敷居の低さがこの辞書の最大の強みですね。日本語の収録語彙数などはまだあまり多くないかもしれませんが、GoogleIMEを持っているGoogle先生のことですから、すぐにデータは莫大なものになるでしょう。

そういえば、ビデオでもご紹介していますが、公式ページでは中国語や韓国語は表示されているのに、日本語は書いてないんです。もしかしたら僕が「最強!」とか騒いでいるこの辞書も、Google先生にとってはローンチ前の単なる準備段階のツールなのかもしれませんね。
posted by 村上吉文 at 13:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年03月08日

#egyjp エジプトに帰ってきました。

おかげさまで、三月五日にカイロに戻り、翌六日から職場に復帰しました。
1月25日の革命勃発以来、ほぼ40日ぶりの職場です。

さて、エジプトのムバラク辞任ぐらいは多くの読者が知っているかとは思いますが、普通の日本語教師の皆さんはエジプトのニュースばかり追いかけているわけにはいかないでしょうし、チェックしていたにしろ、実際に現場に行ってみると報道とはまた違う印象もありますので、いくつか動画をご紹介したいと思います。

まずは、カイロ国際空港からカイロ市内への道です。

空港には佐藤次席が迎えに来てくれていたのでスムーズに入国することができましたが、内戦中のリビアからの帰国者らしいエジプト人でかなり混雑していました。報道によると、内戦勃発前のリビアには百万人のエジプト人が働いていたそうです。エジプトは人口が多く石油が出ないため、リビアのように人口が少なく石油の出る国には出稼ぎ労働者が大量にいるのです。僕が前に住んでいたサウジアラビアにも大勢のエジプト人がいました。

次は、生鮮食品が戻ってきたカイロのスーパーです。買い物は妻に任せているので僕は帰宅時に水を買っていくぐらいなのですが、それでも革命進行中の時は生鮮食品の棚が空っぽになっていたのはよく覚えています。あの時に比べると、完全に流通網は回復したようですね。


えーっと、次はあんまり生まれ変わってなかったエジプトです。いい意味でも悪い意味でも、変わってないところは変わっていません。全然知らない国みたいになっていたらどうしよう、と思っていたので、ある意味ほっとしました。


さて、最後はタハリール広場です。革命勃発以降、twitterなどでずっと応援していた人たちのいた現場に来たのかと思うと、何だか思わず声が詰まってしまいました。

でも、もしかしたらデモをやっていない時にも来ては行けなかったのかな? 職場の人たちに迷惑をかけたりするかもしれないので、これ以降はテント村に行くのは控えておきます。

以上、カイロに帰任してから初めての投稿でした。これからもよろしくお願いいたします。
posted by 村上吉文 at 15:19 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年02月27日

海外日本語教育学会の第一回研究会

あいかわらず一時待避中の村上でございます。
帰任の予定はまだ正式には決まっていませんが、今のところ3月4日になる可能性が高そうです。

さて、「海外日本語教育学会」という集まりが、昨日初めて開かれ、僕はライブ中継の部分を担当しました。今回は試験的に中継したのであまり事前に広報もできませんでしたが、ヨルダンやケニアからコメントをいただくこともできました。タイムール先生、蟻末さん、本当にありがとうございました。

おそらく公式サイトが立ち上がったら、そこにアーカイブとして中継した動画も保存されることになるのだろうとは思うのですが、今のところまだ皆さんが手弁当でやっている小さな集まりなので、とりあえずこの「むらログ」でもご紹介しておきますね。なお、技術的にはどなたでも自分のブログなどにこの動画を埋め込むことができます。

ということで、中継した動画はこちらです。


準備中から中継を始めていたので、だいたい12分ぐらいのところから再生すると、吉田先生の講義が最初からご覧になれます。というか、そうしないと僕のアップからいきなり始まるので、ぜひみなさん12分ぐらいのところから見てくださいね。

途中で一度、なぜかパソコンが落ちてしまいまして、かなり冷や汗をかきました。ご覧いただいた方には本当に申し訳なく思っております。

また、中断したため動画は二つに分かれています。後半は以下です。

ここも「うわ、やっべー!」と焦っている自分が映っていて、後からさらに凹みました。

さて、この学会の公式ページはまだ決まっていないのですが、臨時に作られたページが以下にあり、吉田先生の配付資料もこのページの一番下の部分からダウンロードすることができます。
https://sites.google.com/site/kaigainihongo/11-02-26-1

また、皆様からいただいたコメントは以下にまとめてあります。
http://togetter.com/li/105949

エジプトがカダフィと戦争でも始めない限り、僕は帰任して第二回の研究会には出席できないことでしょう。しかし、この集まりには小林さんというITに強い人もいるので、次回も中継はしてくれるものと信じて疑いません。そうそう、上記の臨時サイトもその小林さんが作ってくれたのです。

さて、以下は多少まじめに思うのですが、こういった日本語教師間の集まりというのは、海外でもネットワークが発展しているところは熱心に活動していますよね。しかし、南アジアや中東、アフリカなどでは、現地の先生方の勉強会なども日本国内や欧米、東南アジアなどに比べるとかなり機会が少ないというのが実情です。

この学会はまだスタートしたばかりですが、そういった辺境での日本語教育を支えるためには非常に大きな可能性を秘めていると思っています。今回はあまり広報などもできなかったのが実情だと思いますが、辺境の皆さんでぜひ盛り上げていこうじゃありませんか。
posted by 村上吉文 at 19:06 | Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年02月17日

エジプト在住者が身をもって学んだソーシャル時代のネットゲリラの戦い方。

憲法制定の日程も決まり、とりあえずエジプトの革命は一段落したところですね。民主化はまだまだこれからですが。

さて、今回の事態は、体制側がチュニジアの事例からfacebookやtwitterなどの威力を学び、それを事前に遮断するという点でこれまでとは一線を画していました。エジプトに住んでいた一人の人間として振り返りながら、これから他の国で同じような事態に陥ったときにどうすればよいかを考えてみたいと思います。

エジプトでは、まず最初にtwitterが遮断され、次に携帯のSMSが遮断され、インターネット自体が遮断され、最後には携帯の音声通話まで遮断されるという段階を踏みました。今後、他の国でこれと同じ順序で事態が推移するとは限りませんが、それぞれの段階でやっておくことを述べておきたいと思います。

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posted by 村上吉文 at 17:36 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加