月刊日本語からいらした方はこちらへ!

2010年07月06日

国際交流基金上級専門家・専門家・指導助手 公募

国際交流基金が、海外に派遣する日本語上級専門家
、日本語専門家 、日本語指導助手
を募集しています.
http://www.jpf.go.jp/j/about/adoption/japan_23.html

派遣先については、こちら
をご覧ください。
http://www.jpf.go.jp/j/about/adoption/japan_23_haken.html
posted by 村上吉文 at 22:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年06月08日

iPadは人間への回帰、そして終わるフラッシュカードの時代



shokutoさんが教育の関わる開発者として「iPadは僕らにバトンを渡した」を書いていらしたので、便乗して教育現場の人間として書いてみます。

iPadは一対一の対面プレゼンテーションに使えそうなことは、ビジネス関係のいろいろな人が言っているようですが、これは教育の世界にもちょっとした変革をもたらすんじゃないかな、と思っています。

一つは、フラッシュカードや、その代用としてのパワーポイントが終わるんじゃないかっていうことです。

まず、フラッシュカードからパワーポイントへの移行ですが、これは確かに準備作業の劇的な効率化をもたらした反面、教師と学生の人間的なつながりを阻害するという側面を持っていました。何度かこのブログなどで書いたことがあるかもしれませんが、僕自身も停電でパワーポイントが使えなかった授業のあとで、初めてクラスの雰囲気が何か暖かいものに変わったような感触を得たことがあります。

何でかというと、やっぱり顔と顔がつながらないんですよね。先生は学生の顔を見ているにしても、学生は先生の顔でなくスクリーンを見るようになってしまいます。ひどいときには、先生もスクリーンを見ていたりして、どちらも顔を見ていなかったりします。

また、先生が立ち位置を考えてスクリーンのすぐ近くに来たとしても、どうしたって人の顔よりはスクリーンの方が大きいので、見た目の主役はスクリーンになってしまいます。

僕はiPadは買わないと思うんですけど、この手のタブレット型の手軽な端末が登場してきたことにより、こうした問題は解決できるようになりそうです。

というのも、スクリーンと違って、こういった機器を教室で教具として使うときは、フラッシュカードのように教員が自分の手にとって胸の前で学生に向けて操作するようになると思うのです。そうすると、教員の顔に近いので、学生の視線は教員の顔につながりやすくなります。目と目が合いやすくなるわけですね。

また、大きさも人間よりは小さいですから、見た目の主役も端末ではなく人間であることが明示的になるでしょう。

こういった違いは言葉にしてみるとあまり大したことではないように聞こえるかもしれませんが、教室で学生との人間関係を作るには非常に大きな違いだと思います。

つまり、フラッシュカードからパワーポイントへ移行したことにより阻害されかけていた教師と学生の人間関係が、iPadのようなタブレット型端末の登場により、ふたたび血の通ったものに回帰してくるのではないかな、という予感がしています。

また、これにより、フラッシュカードの時代は完全に終わるのかもしれません。これだけパワーポイントのような効率的な技術が普及していてもアナログなフラッシュカードにこだわりを感じていた人は、少なからず、上記のような問題を本能的に察知していたのではないかと思います。しかし、こういった端末の登場は、そういった懸念を払拭してくれるだけの力がありそうです。

ただ、フラッシュカードの時代が終わるにしても、パワーポイントの時代が終わるとは、僕は考えていません。というのも、文字が主体のフラッシュカードとは違って、導入用の鮮烈な画像や動画の利用には、やはり巨大な画面で圧倒的なインパクトを与える方が得策だからです。また、細かい画像は手に持ったタブレット端末で学生の目に届きにくいので、会話のネタにするような絵パネルなどもスクリーンの方が使えるように思います。フラッシュカード自体や「フラッシュカードの代用」としてのパワーポイントは、タブレット端末の登場によって終わるかもしれませんが、それ以外のパワーポイントの用途はまだしばらく続くのではないでしょうか。
posted by 村上吉文 at 07:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年06月06日

外国人労働者の割合とGDPの驚くべき関係



移民政策に反対する人の中には「移民は労働力にはなるが教育などの負担もあがるから結局その国にとっては経済的にマイナスになる」という人がいます。

僕は経済学の理論についてはそういう人を説得できるほどの知識はありません。「理論」についてはね。

でも、今はネットの時代です。いろいろな指標が出ていますから、簡単な検証ぐらいはすることができます。GDPの高い国で、外国人労働者の占める割合はどうなっているのでしょう。

まずウィキペディアで国別GDPの上位を見てみました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/国の国内総生産順リスト_(一人当り為替レート)
ここでは、三つの統計のうち二つでルクセンブルグが一位になっています。2007年の統計が紹介されています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/外国人労働者
同じくウィキペディアで「総労働力人口の中で外国人労働力が占める比率」を調べてみました。こちらは2000年です。これを見ると、GDPで一位だったルクセンブルグが57.3%でダントツ一位であることが分かります。二位のシンガポールの二倍以上ですから、文字通りダントツですね。
そして、そのシンガポールも日本を一人あたりGDPで追い越したばかりで、アジア第一位のGDPを誇っています。

つまり、少なくとも以下のことは事実です。
2000年に外国人労働者の割合が一位だった国は、2007年のGDPで世界一位。
2000年に外国人労働者の割合が二位だった国は、2009年のGDPでアジア一位。

最初にお断りしたように、僕は経済学の「理論」についてはよく知らないのですが、移民が経済的にマイナスになるようでしたら、こんなことはあり得ないと思うんですよね。反対する人はコストばかり声高に主張しますが、実際はプラスの方がずっと大きいと考えていいのではないでしょうか。

そして、それを常日頃から肌で感じているのは我々日本語教育の人間の他にそれほどいないのです。私たちが社会に対して声を挙げていく必要があると思います。

【参考資料】
http://ja.wikipedia.org/wiki/国の国内総生産順リスト_(一人当り為替レート)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%86%85%E7%B7%8F%E7%94%9F%E7%94%A3%E9%A0%86%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88_(%E4%B8%80%E4%BA%BA%E5%BD%93%E3%82%8A%E7%82%BA%E6%9B%BF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88)

http://ja.wikipedia.org/wiki/外国人労働者
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E5%8A%B4%E5%83%8D%E8%80%85
タグ:移民
posted by 村上吉文 at 09:40 | Comment(15) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年05月31日

移民政策のことを考えてみませんか?

ベトナムに来てもうすぐ二年になるわけですが、やっぱり若い世代が多い国は活気が違うなあ、というのが最大の印象ですね。ベトナム人の平均年齢は26歳で、日本人の平均年齢は46歳。この違いは大きい。

で、深刻に考えてしまうのは、やはり日本人はもっと移民を受け入れなくてはならないんじゃないかな、ということです。
実際に、政治の世界では民主党内にも「1000万移民受け入れ」という考えがあるし、自民は中川秀直氏がかなり積極的に発言していますよね。

『通商白書』がこんなことを書いていたのは、もう五年も前のことです。1,800万人の移民ですよ。
現在の生産年齢人口を2030年時点においても維持しようとすれば、単純計算で2030年までに約1,800万人もの外国人労働者を追加的に受け入れる必要が生じる。
http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2005/2005honbun/html/H3233000.html

同じ年の通商白書には、以下のような記述もあります。
外国人労働者に対する国民意識の熟度(第3-2-28図、第3-2-29図)を勘案すれば、外国人労働者政策において、「労働力人口の維持」という目標をメインターゲットとすることは現実的ではない。

移民政策の最大の障害が、外国人をあまり知らない日本人の国民感情である以上、我々日本語教師はもう少し社会に対して声を挙げていくべきなんじゃないでしょうか。

つまり、彼らも普通の人間だってことです。

普通の人間なんだから、いいやつもいれば悪いやつもいる。金持ちになりたいやつもいれば幸せな家庭を築きたい人もいる。そういうことをです。

意識を変えれば、日本は移民を受け入れられると思うし、そうしないと国は滅びる。実際に白豪主義で有名だったオーストラリアだって、現在は以下のようになっています。

オーストラリア移民多文化省は2005年、同国内における労働力の25%が国外出身者であり、40%が少なくとも片親が国外出身者であると推定している。
http://bit.ly/b9ppKf


もちろん、移民を入れれば、移民による殺人事件なども起きるでしょう。残念だけど、当たり前です。日本人だって殺人事件を起こすんだから、外国人だけが起こさないなんてことはあり得ない。そして、「だから移民はいやだといっただろう」というような人も出てくるでしょう。しかし、問題は、日本人だけじゃ、それ以上にひどいことになるんじゃないんですかってとこにあります。

たとえば医療。奈良では有名な事件がありました。

奈良の妊婦が死亡 18病院が転送拒否
2006年10月17日

 奈良県大淀町の町立大淀病院で今年8月、出産中の妊婦が意識不明の重体に陥り、受け入れ先の病院を探したが、同県立医大付属病院(同県橿原市)など19病院に「ベッドが満床」などと拒否されていたことがわかった。妊婦は約6時間後に約60キロ離れた大阪府吹田市の国立循環器病センターに搬送され、男児を出産したが、脳内出血のため8日後に死亡した。
http://www.asahi.com/special/obstetrician/OSK200610170023.html

日本人だけじゃ、もう日本を支えていく手が足りないんです。移民政策によって失われる命もあるかもしれないけど、こうして人手が足りなくて死んでいく命だってあるんです。移民政策によって救える命の方が一つでも多いのなら、それは間違いなく移民政策を進めるべきだという結論になるのではないでしょうか。

そして、外国人をほとんど知らない日本人に対して、「彼らも普通の人間なんだ」ってことを伝えられるのは、常に外国人に接している我々の他にいないのです。

同業者の皆さん、声を挙げてみませんか。
posted by 村上吉文 at 07:07 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年05月29日

デジタルネイティブとデジタル移民の見分け方 そのニ 「紙の資料は信用できない」

デジタル移民(デジタル・ネイティブではない、アナログの世界からデジタルの世界に移民してきた人)と話していて「ついていけないなあ」と思うことの一つに、「ネットにあるものは信用できない」というような意見があります。「同じ内容でも紙なら信用できるが、ネットでは信用できない」という感じの人、まだ絶滅してませんよね。

デジタル・ネイティブは逆に、同じ内容ならネットにあるコンテンツの方を好みます。理由は簡単。検証可能性が高いからです。
続きを読む
posted by 村上吉文 at 09:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年05月27日

いいから、インターネット・エクスプローラーだけはやめとけ、とにかく。

先日、twitterで以下のように書きました。
仕事のために久しぶりにIEでネットを巡回してみたら、その遅さにうんざり。世の中の大半の人がこんなブラウザを使っているというのが信じられない。
http://twitter.com/Midogonpapa/status/14579850454


そうすると、その後、ユーザー側の日本語教師と開発側の日本語教師のお二人から、非常に対照的なコメントをもらいました。

@Midogonpapa 私はブラウザはずっとIEを使っていたのですが、つい最近Google Chromeを使い始めて、「うぉっ、はやっ!」と思っているところです・・。なぜだかIE以外のブラウザを使うという選択肢が頭になかったんですよね・・。
http://twitter.com/kayoron/status/14594187414

@Midogonpapa そのIEのために、開発者は苦労しているんですよね…私もそれを被ったりしていますが。Javascriptを多用しているのでIEに対応させるのが一番大変……
http://twitter.com/jun_arisue/status/14585115237


インターネット・エクスプローラー(IE)がどれほどひどい代物なのか、ほとんどの人は知らないんですよね、きっと。そうでなければ、わざわざ好きこのんでIEを使う人なんていないでしょうから。

それで、このブログをご覧になっている方のために、「むらログ」を表示するのにどれだけ時間がかかるか動画で撮影してみました。



以下、秒数は撮影が開始されてからの経過時間です。
0秒 撮影開始

22秒 IEから「むらログ」にアクセス開始。

26秒 Chromeから「むらログ」にアクセス開始。

29秒 IEで「むらログ」のタイトル画像が表示される

31秒 Chromeで「むらログ」のタイトル画像が表示される

33秒 Chromeで「むらログ」の本文が表示される

45秒 IEで「むらログ」の本文が表示される

計算してみると、IEではタイトル表示まで7秒、本文表示まで23秒かかっているのに対し、Chromeではタイトル表示まで5秒、本文表示まで7秒しかかかっていません。

つまり、本文を読めるまでに、IEではChromeの三倍以上もの時間がかかっているわけですね。

ネットを快適に使いたかったら、とにかくIEだけはやめておいたほうがいいです。

本家のGoogleのサイトでは、こんな分かりやすいビデオも公開されていますよ。



Google Chromeのダウンロードはこちらから。

http://www.google.com/chrome/intl/ja/landing.html
posted by 村上吉文 at 01:30 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年05月19日

JICAからベトナム派遣の日本語教師求人

JICAからベトナムに派遣される日本語教師の求人がありましたので、ご紹介しますね。
前半が青年海外協力隊で、後半がシニアボランティアです。

青年海外協力隊
カントー大学
http://www.jocv-info.jica.go.jp/short/sjva/index.php?m=Info&yID=JA02710101


フエ外国語大学
http://www.jocv-info.jica.go.jp/short/sjva/index.php?m=Info&yID=SA02710163


ダナン市外務局(ガイドの養成)
http://www.jocv-info.jica.go.jp/short/sjvb/index.php?m=Info&yID=SB02710162


シニア
カントー大学
http://www.jocv-info.jica.go.jp/short/ssva/index.php?m=Info&yID=JA02710101

フエ外国語大学

http://www.jocv-info.jica.go.jp/short/ssva/index.php?m=Info&yID=SA02710163

ダナン市外務局
http://www.jocv-info.jica.go.jp/short/ssvb/index.php?m=Info&yID=SB02710162

カントーは残念ながら行ったことがないのですが、フエもダナンもいいところですよ。

ホーチミンとフエでセミナーを行ったときの動画です。


日本語隊員ではありませんが協力隊の隊員が指導していた、フエの隠れ家的なホテルです。セミナーの時にはここに泊まりました。


前にもご紹介したことがありますが、ダナン外国語大学でセミナーを行ったときの動画です。こちらは学生の様子がよく分かると思います。

全然すれていない、いい子達ばかりでした。ここで働ける人がうらやましいですね。
posted by 村上吉文 at 14:03 | Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年05月18日

twitterでの効率的な同業者の探し方

twitterを始めると、最初は誰をフォローすればいいのかよく分かりませんよね。それで最初におすすめされる「朝日新聞」とか読まされて「こんなのサイトで読めるじゃん」とか思ってしまったり。

そこで今日はtwitterを始めたばかりの人向けに、どういう人をフォローすればいいのかをご紹介したいと思います。キーワードは「検索」と「リスト」です。

まあ、「検索」は簡単ですよね。検索欄に自分の興味のあるキーワードを入れればいいわけです。ここでは「日本語教師」とか「日本語教育」とか入れてみることにしましょう。そうすると、私のアカウントも見つかるでしょうし、それ以外には以下のようなアクティブな方もすぐに見つかるでしょう。

http://twitter.com/shokuto
http://twitter.com/colacaco
http://twitter.com/gaby6100

次が「リスト」です。

ここでは僕を例にしてみましょう。twitterの僕のURL(http://twitter.com/Midogonpapa)で、自己紹介の下に「リスト」という文字が見えると思います。現在は「30リスト」と書いてあります。これをクリックしてみてください。そうすると以下のページに移りますね。

http://twitter.com/Midogonpapa/lists/memberships

普通は「midogonpapaをフォローしているリスト」という一覧が見えると思いますが、これは他の人が僕をどのようにリスト分けしているか、ということです。僕の専門は日本語教育ですし、twitterでもそういうことを多めに書いていますから、僕を「日本語教育関係者の一人」としてリストアップしている人が多いですね。

ということは、そのリストに載っている他の人を見れば、僕と同じ日本語教育関係者がすぐに分かるわけです。

リスト名からして明らかにそれと分かるものには、以下のようなものがあります。
http://twitter.com/web_ksj/japanese-language-teacher
http://twitter.com/kdaiki/ja-edu
http://twitter.com/England_/jp-education
http://twitter.com/msdsystem/nihongo-kyooiku
http://twitter.com/Birgens/japanese-language-teacher

まあ、中には不思議なリストもあって、たとえば以下のリストなんて、「俺がどうしてこの面子の中にいるんだろう」とか思っちゃうこともあります。
http://twitter.com/chiri03/category-4/members

それはさておき、上記の日本語教育関係者っぽいリストを見てみるとしましょう。たとえば一番上のweb_ksjさんが公開しているリスト。
http://twitter.com/web_ksj/japanese-language-teacher

ここでは、以下の28名がリストアップされています。

http://twitter.com/kohatayusaku
http://twitter.com/nomomania2
http://twitter.com/_misako_
http://twitter.com/salon_ena
http://twitter.com/rina_97
http://twitter.com/fumnya
http://twitter.com/Midogonpapa
http://twitter.com/mizuesano
http://twitter.com/lovemayas
http://twitter.com/Rickey1102
http://twitter.com/samsara3000
http://twitter.com/jun_arisue
http://twitter.com/sabaibihobo
http://twitter.com/soraon
http://twitter.com/riepom
http://twitter.com/msdsystem
http://twitter.com/kotobukujp
http://twitter.com/nacachiki
http://twitter.com/gonta72mx
http://twitter.com/inuyamanihongo
http://twitter.com/koko_san
http://twitter.com/kuginbo
http://twitter.com/catthecartwheel
http://twitter.com/O_8
http://twitter.com/swejun
http://twitter.com/w_saaya
http://twitter.com/noajon
http://twitter.com/kyono_sora

この中の半分近くは僕もフォローしている人たちですね。
自分もフォローしている場合は、この一覧に「フォロー中」というマークが出るので、すぐに分かります。

もちろん、このリストはweb_ksjさんが作ったものであって、普通は自己申告にもとづくものではありませんから、実際には日本語教師ではない人が含まれている可能性もあります。

こうして他の日本語教師らしい人のページを開き、その人の「リスト」の一覧から、さらにその人を含む日本語教師っぽい名前のリストを見つけることができます。そして、そのリストに含まれている日本語教師のページの「リスト」の一覧から、またさらに日本語教師っぽいリストを探すことができるわけですね。

こうして、日本語教師のリストを巡っていけば、一日あれば百人ぐらいの日本語教師(っぽい人)リストは作れるんじゃないでしょうか。

さて、このように自分が他の人のリストに挙げられたくない場合は、基本的にじぶんのつぶやきを公開しないというのが一番です。設定は以下で行えます。
http://twitter.com/settings/account

つぶやきは公開したいけど、自分が日本語教育関係者であるとは認識されたくない、という場合は、日本語教育関係のことは公開されたつぶやきとしてはかかない方がいいでしょう。中には、こういったリストの機能を知らずに日本語教育関係のことを書いてしまって、それで上記のようなリストに挙げられてしまって驚いている人がいるかもしれませんが、その場合はそのリストの作成者に事情を話して「リストを非公開にしてほしい」とか「リストから除外してほしい」とお願いするしかないでしょうね。その場合は「勝手にリストに書くな」と怒るのは筋違いですから、言葉遣いは慎重に選んだ方がいいでしょう。
posted by 村上吉文 at 07:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年05月17日

教師の役割 看護士と編集者と美女と野獣

昨日ご紹介した「激変するラーンスケープ(Learnscape - 学びの光景):TwitterとUST時代の学びを考える」の件ですが、「ustreamとtwitter」って何?という人のためにちょっとご紹介しておきます。

僕のブログでも国際交流基金の事業仕分けについて、USTREAMの動画と、それに関するtwitterでの発言をまとめていましたが、要するにそういうことです。
http://mongolia.seesaa.net/article/149244608.html

「激変するラーンスケープ」でも同じように動画とつぶやきがまとめられています。




ここで教師の役割が変わりつつあるというような議論が出ていたので、僕も昨日触れられなかったことを一つ補足として書いておきます。

今までよく思っていたことは、「教育業界にはコンテンツに詳しい人とそのユーザーに詳しい人の区別がないんだなあ」ということです。

例として医療と出版を考えてみます。

医療の場合、医者と看護士っていう役割の違いがありますよね。よく、医者は病を見て看護士は患者を見る、なんていいますが、これはもう少し一般化すると、医者は病気とか怪我とかいう問題に関するスペシャリストで、看護士はそのサービスのユーザーに近いスペシャリストということができますよね。

同じように、出版の場合も著者と編集者という役割分担があります。僕も教科書を作ったことがありますし、月刊誌で連載もしていますが、編集者の方は読者としての視点で「ここは分かりにくい」とかコメントをくれることもありますし、ITエンジニアの日本語教材の時は大連まで取材に行って「こういうニーズがある」というようなことを調べてくれたりしました。つまり、著者がそのコンテンツ側の人間だとすると、編集者は読者というユーザー側のスペシャリストという役割分担になっているわけです。

ところが教育現場ではこの区別が曖昧な場合がよくあると思うんですよね。最新の情報を扱うような教室とか、あるいは日本語教育のように教える内容はそう簡単に変化しないようば業界でも、教科書が充分に普及していないような地域だったりすると、知識を伝えることだけが唯一の目的になってしまって、教師が一方的に話しておしまいという教育スタイルになりがちです。そういう教育機関は医者だけいて看護婦のいない病院、あるいは作家だけいて編集者のいない出版社のような組織だと考えてもいいのではないでしょうか。

その地域で日本語教育がある程度発展してくると、コンテンツの専門家は教科書などを作ることになるので、本来なら現場の教師は看護士的な仕事に専念できるはずです。つまり、ニーズやレディネスなどの学習者の立場を理解して、カスタマイズさせながら練習を組み立てていくような仕事です。ところが、教育業界は医療とか出版と違って、その役割分担が明瞭ではないために、どうもそういう方向に進まない場合が多いような気がします。

それで、上記twitterの中にも出てくる動機付けの話とも関連するので、最近ちょっと面白い経験をしたことをご紹介したいと思います。

うちの五歳の娘は最近ピアノを習い始めたばかりなのですが、五歳で楽譜も読めずに「ドレミファソ」という言葉(?)の意味も分からない状況で、おまけに先生はベトナム人で言葉もあまり通じません。(まあ、娘のベトナム語は僕よりは上手なのですけど)

そういう状況で、最近ハノイで「美女と野獣」というミュージカルを見たんですよね。それで、その主題歌がとてもお気に入りなんですが、ピアノの先生に教わってきたのが「ドレミファソ、ソファミレド」というフレーズなんです。指が五本あって、弾く音も五種類、左から右に順番に弾いて、今度は右から左にも順番に弾くだけ。これなら五歳児でもできますよね。

そしてそれが、「美女と野獣」の主題歌の
Ever as before
Ever just as sure
という部分なんですよね。
この歌を知らない人にはよく分からないと思いますが、歌詞と音楽は以下で確認できます。
http://www.stlyrics.com/songs/d/disney6472/beautyandthebeast512038.html

実は娘のピアノの先生には僕は一度も会ったことがありません。でも多分ピアノの先生なんだから、ピアノは上手なんでしょう。それがそのコンテンツの専門家ということです。でも、それだけじゃなくて、この先生は「美女と野獣」の主題歌がお気に入りの五歳児に、「ドレミファソ、ソファミレド」を教えることができました。

つまり、ユーザーの「美女と野獣がお気に入り」という文脈と「五歳児の初心者」というレベルを的確に把握して、それに見合うコンテンツを提供し、その結果、そのユーザーはそのスキルを身につけることができたわけです。

おそらくUSTREAMやyoutubeなどで、オンラインでピアノを教える先生はどんどん出てくると思います。日本語教師でも授業を公開している先生はたくさんいるのですから、もしかしたらすでにピアノの先生でも、そういう人がいるかもしれません。でも、そういった形式では、ユーザー一人一人の文脈やレベルを把握してそれに見合ったコンテンツを提供することはできないわけです。

そりゃ超有名なピアニストが教える動画なんかがあったら、すごい人気にはなると思います。だから、誰にでも同じコンテンツしか提供できないピアノ教師というのはすぐに淘汰されてしまうでしょう。でも、「美女と野獣」が好きな五歳児に「ドレミファソソファミレド」を教えるセンスのあるピアノ教師なら、それほどオンラインの超一流ピアニストは脅威に感じなくてもいいのではないでしょうか。

【参考】
『美女と野獣』を上演したHanoi International Theatre Society
http://hanoi-hits.info/

関連する写真
http://www.flickr.com/photos/46925571@N04/sets/72157623300982716/
posted by 村上吉文 at 07:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年05月11日

村上よさこいに驚く、の巻

ベトナムのさつき祭り(撮影:村上)


ここベトナムでは日本の伝統の芸能のうち、「よさこい」が非常に存在感があります。

おとといはハノイの「さつき祭り in Vietnam」というイベントに行って来たんですが、ここでも中心はよさこいでした。僕の関わっていた「ハノイ本語フェスティバル」でも、パフォーマンス部門に必ずよさこいが出ていました。

でも、僕は日本にいたときは、なぜかあまり縁がなかったんですよね。この手の踊りといえば「阿波踊り」は大好きで、阿波踊りとしては日本最大の(つまり世界最大の)高円寺阿波踊りにモンゴルのITエンジニアたちを連れて行ったりもしたんですが、なぜか「よさこい」は一度も見たことがありませんでした。

それで、ちょっと調べてみたら、ベトナムだけではなくて海外でもかなり人気があるみたいで、驚きました。
こちらにインドネシアの「第7回 スラバヤよさこい祭り」というのが出ていますが、36チームも参加しているようです。
http://gadogado.exblog.jp/9117490/

と思っていたら、こちらには第6回の優勝チームのブログがあり「優勝したチームは今度の7月27日(日)にジャカルタの全国大会へ行くことになりました。」なんて書いてあります。

http://japanologyunair.da-te.jp/e95703.html
ということは地方予選だけで36チームも出ているということなんでしょうか。すごいですね。

ウィキペディアには、マレーシアのプトラジャヤとペナンでもよさこいが開かれている記述があります。

In Sekolah Alam Shah, Putrajaya, during the Form 1 Cultural Night one of six sport houses will perform yosakoi.
Internationally, Yosakoi is performed in Penang, Malaysia every year in July by local enthusiasts called the Pink Hibiscus Yosakoi Dancers.

ハノイのように、ウィキペディアに載っていない「海外よさこい」が他にもたくさんあるのかもしれませんね。

日本語のウィキペディアには、なんと59もの国内開催地が記載されています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/YOSAKOI

中でも有名なのは北海道、仙台、東京、名古屋、高知(本場)の五つのようですので、リンクを張っておきます。

北海道 http://www.yosakoi-soran.jp/
仙台 http://www.michinoku-yosakoi.net/index.html
東京 http://www.yosakoi-harajuku.com/
名古屋 http://www.domatsuri.com/
高知 http://www.yosakoi.com/jp/

日本語学習者にすぐに紹介できるリソースとしてはyoutubeの「YOSAKOIソーラン祭り組織委員会公式チャンネル」がおすすめです。
http://www.youtube.com/user/YosakoiSoranOC

動画を一つだけご紹介しておくと、國士舞双というチームは、一昨日のハノイのイベントでも見たんですが、本場、土佐のよさこいで審査員特別賞を受賞している由緒あるグループのようです。

公式サイト
http://www.kcb-net.ne.jp/tkatu/index.html

ということで、これはかなり学習者に対して訴求力のあるイベントだと思いますので、日本で教えてらっしゃるみなさんはお近くのよさこいに学習者をつれていってみてはいかがでしょうか。何と言っても日本国内で59カ所もの場所で開かれているのですから。
posted by 村上吉文 at 07:56 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年05月10日

『月刊日本語』六月号はパワーポイントの初歩

photo by garethjmsaunders

月刊 日本語 2010年 06月号』がそろそろ店頭に並ぶようですね。6月号ではパワーポイントの初歩的なところをご紹介してますよ。実を言うと、この連載でパワーポイントについて触れるのは三度目なのですが、今回が一番基本的な内容になっています。

プレゼンだけではないパワポの使い方!

 本連載の四月号と五月号では日本語教師がワードとエクセルをどう使うかの基本的な方法をご紹介しました。この二つはどんな仕事をしていても重宝するソフトですが、職種によってまったく価値が異なるのが、今回ご紹介するパワーポイントです。
 このソフトはデスクワークの業務をするだけならほとんど使うことはないのですが、いったん教壇に立って使い始めるとすぐに手放せなくなってしまいます。と言っても、私たちの使い方はよくテレビで見るようにビジネスマンがスーツをビシッと着こなしてプレゼンをするのとはちょっと違います。ああいった説明や説得のツールとしてではなく、むしろ導入の後の練習の部分で使われることが多いようです。というのも、をフラッシュカードで新出単語や漢字練習する時に、紙で作るよりもパワーポイントで表示する方がはるかに手っ取り早くできるからでしょう。
 今月は漢字の読みを練習するフラッシュカード作成の手抜き術を、パワーポイント2007の例でご紹介します。まだパワーポイントを触ったことがない人でも簡単に使えるようになりますが、最小のリソースから最大のリターンを得るための、あっと驚くような手抜き術もご紹介しますよ。



解説で
四月号ではエクセルの語彙表からパワーポイントのフラッシュカードを自動作成する方法をご紹介していますし、九月号では圧倒的に美しい映像をパワーポイントに挿入して学習者の記憶に焼き付ける方法もご紹介しています。
といっているのは「FC一直線」と「印象派2.0」のことですが、以下からダウンロードできます。

「FC一直線」
http://mongolia.seesaa.net/article/114999068.html

「印象派2.0」
http://mongolia.seesaa.net/article/125102746.html
タグ:月刊日本語
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2010年05月09日

国際交流基金の事業仕分け録画

国際交流基金の事業仕分けですが、予想以上に継続を望む声が多いようです。また、中継を見られなかったという人も多くいらっしゃるため、公式ビデオ録画をこちらでもご紹介しておきます。



また、以下はまったく非公式なものですが、関連するtwitterのつぶやきです。




【関連するエントリー】
むらログ: 国際交流基金の事業仕分け
http://mongolia.seesaa.net/article/148050051.html

むらログ: 国際交流基金の日本語国際センターの事業仕分けに反対
http://mongolia.seesaa.net/article/149197755.html
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2010年05月08日

国際交流基金の日本語国際センターの事業仕分けに反対


http://baguiotour.exblog.jp/11999449/

国際交流基金の日本語国際センターの事業仕分けについて、どこかで公式に反論が出るだろうと思っていたのですが、見つかりません。もしかしたら職員の方は当事者なので書きにくいかもしれませんね。かと言って、何も関係の無い人は書けないだろうし。

ということで、私のように非常勤講師として関わったことがある人間ぐらいしか、もしかしたら公開された場所で書く人間がいないかもしれませんので、書いておきます。誰かが書いておかなければならないと思いますので。
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posted by 村上吉文 at 09:00 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年05月05日

デジタルネイティブとデジタル移民の見分け方 その一

ネットに慣れていない人(ここでは「デジタル移民」としておきます)に、よく「むらログのパワーポイントの記事なんですけど」とかよく言われるんですが、これがよく分からなくて困るんですね。なぜなら、僕はパワーポイントの記事はいくつか書いているからです。

また、「むらログのシンデレラについての記事について詳しく聞きたいんですが」というような、自分で書いた覚えのない内容について質問されることがあります。

でも、ネットに慣れている人(ここではデジタルネイティブとしておきます)とは、そういう問題が起きることはまずありません。

なぜだと思いますか?

デジタルネイティブには、特定の記事の内容を簡潔にまとめる日本語力があるからでしょうか。

もちろん違います。そういう問題を避けるために、ネイティブたちが習慣にしていて、デジタル移民たちがやらないことが一つだけあるからです。

それは「URLでページを特定する」ということです。

「なーんだ、当たり前じゃん」と思った人は、ここから先は読む必要はありません。だって、ブラウザのアドレスバーを選択してそれをコピーするなんて、ショートカットを知っていれば全部あわせても一秒もかかりませんよね。それに比べて「むらログのパワーポイントの記事」と日本語で入力するなんて、ブラインドタッチの出来る人だって、タイプするのに何倍もかかります。

そういう状況があるので、僕は最近までなぜデジタル移民達はURLで話さないのか、とよく疑問に思っていたんですが、そうする方が難しい人たちがある程度の割合でいるらしいということと、そういう人達の間では、そもそもURLを使ってページを特定するという習慣がないために、その必要性すら認識されていないんだということが分かってきました。

それで、今日はURLを使って話すことについてご紹介したいと思います。

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2010年04月30日

音声合成もここまで来てる

mixiで「ようすけ」さんに教えてもらったんですが、音声合成の技術がずいぶん進んでいるみたいですね。株式会社エーアイさんでは、3時間の音声データがあれば、その音声の本人の声で合成することもできるんだそうです。

中でもおもしろかったのは大沢たかおの声で読んでくれるroudokuサイト。
以下は、前回の僕のブログを大沢たかおの声で読んでもらったデータです。



僕の文章がいきなりソフトになってしまいますね。
大沢たかおのファンである学習者なら、いろんなことを言わせようとして、けっこう効果的かもしれません。

笑っちゃうのは、このソフトな語り口で松岡修造の熱いメッセージを読ませたりする動画です。



松岡修造の動画に、上記サイトで作ったと思われる音声をあてています。この二人のまったく正反対のキャラクターのミスマッチ。こんな楽しいことができるんですね。

さて、音声合成がここまで来ていたら、もうゲームなんかでも応用しているんでしょうか。

昔は、テキストが主体でしたので主人公の名前をプレイヤーが勝手に指定できたりしたんですが、音声や動画が主体になってからは、そういう例はあまり見なくなっていました。でも、これだけ音声合成ができるのだったら、ゲームの登場人物がしゃべる音声にも、プレイヤーの指定する名前を入れたりすることぐらいはできそうですね。

【参考】
大沢たかおの声で音声合成できるサイト。
http://www.rodoku.jp/
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2010年04月28日

国際交流基金の事業仕分け

多くの方が注目していたようですが、昨日の午前、国際交流基金が事業仕分けの対象になりました。

公式サイトでの結果概要は以下の通りです。

[1]日本語国際センターの設置運営,
[2]海外日本語教師を対象とする日本語研修,
[3]関西国際センターの設置運営,
[4]外交官・公務員を対象とする日本語研修,
[5]日本語能力試験

[1][2][3][4]当該法人が実施し、事業規模と国費は縮減(自己収入の拡大、人件費の見直し等)
[5]当該法人が実施し、事業規模は維持(国費への依存から一日も早く脱却)
http://www.shiwake.go.jp/shiwake/detail/2010-04-27.html#A-15


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タグ:日本語教育
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2010年04月23日

CBIの理論的背景など

先日の記事では、あたかもCBIが最新の教授法であるかのように読めてしまうので、理論的背景のご紹介としても、ちょっと補足しておきます。
CBIは過去25年にわたって利用され続けてきたが、普及してきたのはここ十年ほどのことである。
初期はESPや中等段階の英語教育で利用され、その後、高等教育やEAP、欧州のバイリンガル教育で利用されている。
http://www.univie.ac.at/Anglistik/Dalton/SE08%20clil/Stoller&Grabe970001.pdf

かなり意訳というか抄訳ですが、これは1997年だからもう13年前の記事です。つまり、CBIはもう40年近く前から利用されてきた方法なんですね。

上記の論文には以下の内容なども含まれています。
・第二言語習得研究からの根拠
・教育学、認知心理学からの根拠
・CBIプログラムの成果からの根拠
ご関心のある方はご一読を。

日本語では以下の資料が簡単にまとめられていますね。
Content-Based Instruction (CBI)
*CBIの特徴: 通常の科目をL2で教え、科目の知識を得ることが同時にL2の獲得につながる。L2に接する機会を最大限に増やすことが可能であり、さまざまな概念をL2で理解することで高度な語学力を身につけることができる。 以下のような特徴があげられる
・科目の講義、それに関する発話が中心。(例えば文法を取り上げて説明するといった活動はしない)
・ テキストはその言語を母語とする学習者のために書かれたauthenticなものを使うのが一般的
(語学クラス用のテキストではないこと)
・新しい文化、discourse communityへの適応が可能
・知的学習に必要な高度な言語能力をつけることができる(CALP)

*CBIの問題点: 科目が要求するものと、学習者の能力が合わなかった場合、フラストレーション、 上達が見られない、やる気をなくすといった問題を引き起こす可能性がある (Johnson 1979; Shaw 1996)

*CBIが効果的な対象者
・読み書きができない年少者(例えばkindergarten immersion)
・授業についていけるだけの基礎語学力をすでにもっている学習者(一般的には中等教育以降のレベル 大学生など)

[Communicative, Task-based, Content-based Language Instruction
Marjorie Bingham Wesche, Peter Skehan]
http://pweb.sophia.ac.jp/linstic/applied/review/Kaplan/ch17_hosod0301.html


個人的には初級段階での利用方法がいまいち確立されているようには見えませんが、これは僕の勉強不足かもしれません。

よく指摘される問題点としては、他にこんなこともあります。
content-based learningの一環としてのimmersion educationにおいて、receptive skillsほどproductive skillsが伸びないという指摘は、考えるべき多くの問題を含んでいます。
http://www.modern.tsukuba.ac.jp/~ushiro/MA/Lecture/99/0419.html
読んだり聞いたりするスキルは伸びても、書いたり話したりするスキルが伸びないってことですね。ただ、これも相互作文検索SNSであるLang-8やブログで書き続けることによって、少なくとも書く力は伸ばせるのではないでしょうか。それから、授業で行う場合はコンテンツそのものは学習者が自分で選ぶことにして、口頭発表はかならず全員に義務付けたりする対応も必要ですよね。

ちなみに、二つ上の引用では「科目」という言葉が使われていますが、「コンテンツ」の中身は別に娯楽でもいいんじゃないかと思っています。
その中でも僕のおすすめは「超字幕」。これはすごいですよ。今度、きちんとこのブログでご紹介したいと思いますが、たとえばネット好きな人には『超字幕/Discovery ネットビジネスの勝者 グーグル』なんてのもあります。そういった勉強用の番組だけでなく、『超字幕/ハリー・ポッターと賢者の石 (USBメモリ版)』とか『超字幕/マトリックス (USBメモリ版)』なんかも発売されていますよ。

また、超字幕にはiPhoneの練習アプリもあります。
http://iphonewalker.net/2010/04/10741.html

また、古くは『中学英語でアメリカン・ポルノが読める―楽しみながら英語力が身につく本』というのもありました。こういうのも全部CBIですよね。

そういえば、七月のセミナーでは、はじめから「千と千尋の神隠し」が題材となっていましたね。
ただ、僕は「千と千尋の神隠し」は大好きなんですが、ビジネス日本語でCBIを取り上げるのだったら、やっぱり「千と千尋」より「孫正義LIVE2011」みたいな内容の方がいいんじゃないのかあ。

ビジネスと第二言語の分野のCBIとしてはこんな例もあります。
Content-based learningという考え方があるが、コンテンツを紹介しながら英語までをも体得しようとする欲張りなアプローチである。ここで言っているコンテンツとは、さきほどの「経営学」、「企業財務」、「人的資源管理」といった内容重視の科目でしか扱わないような中味を英語を通して学ぶため、その結果、内容も英語で同時にできてしまうという一石二鳥の方法だ。
だが問題はそれほどかんたんではない。教える側にとってコンテンツは多様であり、誰でもがそのコンテンツを専門にしているわけではない点である。特に、このような授業は専門家が担当するのではなく、英語教員が独学で勉強したものを土台に授業内容が組み立てられるので、往々にすると内容的に不備な面があり得る。ただ、英語で授業をおこなうため、多少の不勉強さは隠せてしまうのが実情である。
http://d.hatena.ne.jp/iteigo/20071004

出版されている教材としては、こんなものもあります。
Content-based Instruction, Task-based Learning & Business Case Study

さて、技能優先の一般的なコースデザインとCBIは、ときどき対立するような印象を持っていたのですが、今回のエントリーのために検索してみると、どうもそうでもないようです。今月出たばかりの本ですが、『CLIL: Content and Language Integrated Learning』なんていうのも出版されているようです。





その他、ご参考までに、いくつ貸料をご紹介します。

先日紹介したパソコン用の辞書ソフト。
「[無料で使える超絶便利な『キングソフト辞書』が最強な件!」
http://www.ideaxidea.com/archives/2009/03/kingsoft_dictionary.html

Google先生おすすめの関連する論文。
Content-Based Instruction in Foreign Language Education: Models and Methods

その他、第二言語習得の分野でのContent-based の本もいくつかあります。
Content-Based Second Language Instruction: Michigan Classics (Michigan Classics S)


posted by 村上吉文 at 15:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年04月22日

視聴者の写真が自動的に挿入される映画

最近の動画編集の自動化には驚かされることが多いですが、facebookとからむと、こんなこともできるんですね。

http://www.stellaartois.com/Cannes/website/index.php?country=UK&language=en

こんな風に、facebookの私の写真が映画の中に挿入されています。登場人物が手にしている何枚かの写真のうちの一つが、facebookのプロフィールに掲載されている私の写真だったりします。
別のシーンでは透明な封筒のようなものの中にこの写真が入れられるんですが、違和感がまったくありません。

fb movie01.jpg


別のシーンに出てくるのが、下の人物が手にしている地図。これはハノイ北部の、まさに僕が住んでいる地域の地図ですね。で、「この人物はここにいる」とか言ってるわけです。

fb movie02.jpg


ご覧になりたい方はこちらまでどうぞ。
http://www.stellaartois.com/Cannes/website/index.php?country=UK&language=en

まだfacebookに入っていない人は、学生に「私を招待して!」と言ってみてください。
学生はほとんど参加していますから。
タグ:Facebook
posted by 村上吉文 at 07:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年04月16日

コンテンツベースとか内容本位とかの日本語教育

前回の記事で
「志し高く」、かっこいいですね!
と書いた「孫正義LIVE2011」のスピーチですが、その後、いろいろなところで評判になっていますので、もう一度書いておきます。

有名なところではこちら。
「宝のスピーチ」
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100403

それからこれかな。
「孫正義LIVEはスティーブ・ジョブスのスピーチを上回る日本語スピーチの最高峰だった!」
http://blog.livedoor.jp/tabbata/archives/50863749.html

他にも、「孫正義LIVE2011」というキーワードでブログ検索すると13,000件もヒットします。間違いなく、多くの人の心をつかんでいるんですね。
http://www.google.com/search?q=%22%E5%AD%AB%E6%AD%A3%E7%BE%A9live2011%22&um=1&ie=UTF-8&tbo=u&tbs=blg:1&sa=N&hl=ja&tab=wb

で、こういう教材を利用するには「Contents based」とか「内容本位」とか言われているコースデザインの概念を理解する必要があります。

というのも、基本的にはコースデザインは、まず「目標とする技能」があり、そこから「現状の技能レベル」を引いたものが「身につける技能」である、という考えがあるからです。で、その「身につけるべき技能」をスモールステップで簡単なものから学ぶわけですね。

一方の「内容本位」のコースデザインは、日本語ではなく、それ以外のたとえば日本語のアニメなどの「コンテンツ」があり、それを楽しむ過程を通して日本語を学んでいくというアプローチです。学ぶべきことを先に決める先行シラバスに対して「後行シラバス」と呼ばれる概念もちょっと近いですね。(ただし、内容本位でも先行シラバスでコースデザインすることも可能ですし、私自身もそういった教材を開発したことがあります)

これに関しては、青山ミカさんのtweetで知ったんですが、今度、牧野先生の講演があるんですよね。
AJALTの夏の公開講座。プリンストン大学の牧野成一先生がアニメ「千と千尋の神隠し」を使った内容本位の日本語教育について、講義をされる。 http://www.ajalt.org/kenshu/koukai.html http://twitter.com/yutakamika/status/11790866104

似たようなイベントについては、去年の七月にMSDさんもブログでふれています。

「プリンストン大学教授 牧野成一氏の講演を見た。」
http://msdkyoto.seesaa.net/article/123282348.html

さて、こういう「内容本位の日本語教育」というと、古くは文学が中心で、最近でもこういうサブカル系ぐらいしかなかったんですよね。

以前、スティーブ・ジョブズの英語のスピーチをネットで聴いたときに、「分身の術」を使って簡単なインタラクティブ教材にしたら非常にウケたことがありまして、その記事は今でもこのブログのブクマ一位になっています。ただ、そのときに痛感したのは、「日本語教育でもこういうコンテンツがほしいなあ」ということ。

その意味で、今回冒頭にご紹介した孫正義さんのようなスピーチが人気を博していることは、僕にとって非常にうれしいわけです。ビジネス日本語関連に関わっていて、内容本位のコースデザインをやってみたい人にとっては、非常にいいコンテンツなのではないでしょうか。もちろん、日本語で自分の可能性を切り開きたいと願っている学習者にとっては、もしかしたらまさに人生を変えるような刺激になるかもしれませんよ。
posted by 村上吉文 at 08:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

2010年04月14日

就職のための日本語

いやー、現場っていいですね!
私の仕事は書類と会議がほとんどで、「現場」といえば普段は教師研修のセミナーなどなのですが、先日は久しぶりに日本語学習者を対象にした授業をしました。

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posted by 村上吉文 at 07:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加