2023年10月25日
長文を扱える大規模言語モデル、Claude
冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?
今日お話ししたいのは、長文を扱えるLLMのClaudeについてです。
このLLMには以前からすごく興味があって、アカウントも作っていたのですが、今まではアメリカとイギリスでしか登録できませんでした。
まず、LLMについてもう一度おさらいしますと、ClaudeはLLMと呼ばれる種類の人工知能です。
LLMはLarge Language Model(大規模言語モデル)と言われています。
ChatGPTもLLMの一つです。GoogleのBardもLLMです。
今回のClaudeはこれまではアメリカとイギリスでのみ利用可能でしたが、今回日本でも利用できるようになりました。
登録時に日本の国番号、つまり81で始まる電話番号が必要です。つまり、日本から登録できるようになったのです。現在、イギリス、アメリカに加えて日本だけが利用可能です。例えばフランスなど他の国ではまだ利用できません。日本はかなり早い段階で利用できるようになった特権的な位置付けにあるのです。
インドの電話番号でもまだ残念ながら登録できません。インドの日本語教師の方にもぜひ使ってほしいのですが、現時点では不可能で、残念です。
さて、Claudeのすごい点は、会話はChatGPTのGPT3並みの品質ですが、テキストの長さが違うことです。
Claudeの入力欄には10万トークンのテキストが入力でき、これは約7万5千語に相当します。ほぼ1冊の本に相当する長さです。実際に、ギャツビーの全文7万2千トークンを入力し、1行だけ変更した上でClaudeに探させたところ、22秒で変更箇所を見つけることができたそうです。ChatGPTは4000トークン程度しか入力できません。20倍の違いがあるのです。
このように、長文を扱えることがClaudeの最大の強みです。
例えば、私は朝の音声配信で話した内容を、「LISTEN」という文字起こしサービスでテキスト化しています。そのテキストには「あのー」「えーと」などのフィラーは全部キレイに削除されているんですが、それでもまだ話し言葉で、ブログなどには適した文体ではありません。
これまではChatGPTを使って書き言葉に直していたんですが、ChatGPTでは長文を入力すると後半が省略されてしまうために、だいたいいつも6回ぐらいに分けて書き言葉に直していました。しかし、Claudeなら一度で変換できます。品質も高く、とてもうまくいきました。
ただし、Claudeには無料版と有料版があり、私はまだ無料版を利用しています。
無料版でも1回の音声内容を書き言葉に直すことは十分可能です。
しかし何度も連続して使うと「11時まで待ってください」とメッセージが表示され、2、3時間待たないと再利用できませんでした。
無料版でもChatGPTよりも回答の質が高く、入力できる量も多いのでおすすめです。
ChatGPTの方が無料でずっと利用できますが、長文には向きませんので、ブログを書いたり論文を書くのには、有料版に登録する価値があるかもしれません。有料版は現在、月額20ドルだそうです。
ChatGPTと比べてClaudeのデメリットは、やはりカスタム指示がないことですね。ChatGPTにはカスタム指示で僕がよく使う用語などを登録でき、たとえば「直説法」ではなく「直接法」だとか、「彩り」ではなくて「『いろどり』」だとか、あらかじめ指定できるのですが、Claudeにはそのような機能は今のところありません。そのあたりの使い勝手を今後は比べて行きたいと思います。
そして冒険は続く。
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【参考資料】
この記事の音声版
https://listen.style/p/muracas/i2uhcp5a
Claude
https://claude.ai/chats
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