さて、苦節15日、ようやく『弟よ、これだけは知っておけ!第二言語習得の基本と日本語教育』の印刷版が発行されました!

弟よ、これだけは知っておけ!: 第二言語習得の基本と日本語教育 - 村上 吉文
兄が弟に語りかける親しみやすい文体で、分かりやすく、難解な第二言語習得の理論を実践的に説明しています。電子版から各章の扉絵と、章末の引用文献の長いリストを省略して、だいぶ軽量化しました。電子版も販売していますが、Googleドキュメント版の欲しい方は無料で差し上げますので、ご連絡ください。
良い機会ですので、まえがきと目次もご共有いたします。
まえがき
この本を手に取ってくださった皆様、ありがとうございます。日本語教師という素晴らしい道を志されている皆様に、心から敬意を表します。
日本語を教えるということは、ただ文法や語彙を伝えるだけではありません。言葉の向こうにある文化や心を伝え、生徒たちの人生を豊かにする、そんな尊い仕事です。しかし、きっと皆様もこれから、教える中で多くの「なぜ?」にぶつかることでしょう。
「なぜこの学習者は文法を理解しているのに、なかなか話せるようにならないのだろうか?」「どうすれば、もっと自信を持って、積極的に日本語を使ってくれるようになるだろうか?」「学習者たちが本当に『使える日本語』を身につけるには、どう教えればいいのだろうか?」
私自身も、第二言語習得(SLA)という「人がどうやって外国語を身につけるか」を科学的に解き明かす学問に長年携わる中で、同じような疑問を抱いてきました。そして、その疑問の多くにSLA理論が確かな答えを与えてくれることを知りました。
本書は、そんなSLAの奥深い理論を、皆様が「難しい」と感じることなく、スッと頭に入るように、そして何より「明日からの授業で使える」ように、わかりやすく、シンプルにまとめたものです。専門用語を並べ立てるのではなく、まるで兄が弟に語りかけるように、SLAの基本から実践的な応用までを解説していきます。
インプット仮説、アウトプット仮説、相互作用仮説、そして情意フィルター。AIツールの活用例まで、最新の知見も盛り込みました。これらを知ることで、皆様は学習者の学習プロセスを深く理解し、彼らがどこでつまずいているのか、どうすればもっと効率的に伸びていけるのかが、まるで透けて見えるようにわかるようになるはずです。
日本語教師としての第一歩を踏み出される皆様が、自信を持って、そして何より楽しく教えられるように。そして、目の前の生徒たちが「日本語が話せるようになった!」と笑顔になる、そんな未来を共に創っていけるように。本書が、皆様の羅針盤となり、力強い味方となることを願っております。
さあ、一緒に「第二言語習得」の扉を開き、日本語教育の新たな世界へ踏み出しましょう。
目次
まえがき
第二言語習得(SLA)概論
タスクベースの言語指導(TBLT)
中間言語
インプット仮説
アウトプット仮説
『気づき』で日本語、爆伸び大作戦!
相互作用仮説
スキル習得理論
明示的学習と暗示的学習
動機づけ理論
外国語不安理論
発達の最近接領域(ZPD)
そして冒険は続く。






