2008年06月05日

LITE(Learning In TEaching)を流行させよう!

月曜日はJICAの研修があって市ヶ谷の研修所に行ってきました。研修の内容自体は、まあ私たちのやってきた教師研修とそれほど変わるものではなく、グループ内の最後のコメントでも、「最近の流行を取り入れたなかなか興味深い研修でしたね」などと余裕をかましたコメントをしてみたりしたんですが(俺ってやなやつ)、帰りの電車内で参考資料(日経アソシエの記事)を見たら、こりゃすごいですわ。はい、私の負けです、羽根先生。

特にクールなのが、紹介しているいくつかのツールのネーミング。ご興味のある方は是非「日経アソシエ」でご覧ください。

本エントリーのタイトルにある「LITE」というのも、このActive Learningの羽根拓也さんのネーミングですが、要するに「教えることに学びがある」、「人に何かを教えることが最高の学習方法だ」というわけですね。

この意見にはまったく私も同感でして、私自身も自分の教師研修参加者に対して、「自分の母語で日本語の文法を説明するブログ」を以下のように開設してもらっています。

http://blog.livedoor.jp/cherry_khin_myanmar/
http://blog.livedoor.jp/jorillo/
http://blog.livedoor.jp/lizahani/
http://blog.livedoor.jp/tykokok/
http://blog.livedoor.jp/phuong_dung/
http://blog.livedoor.jp/mathina/
http://blog.livedoor.jp/nihongono_oshiekata/

私や羽根さんだけでなく、たとえば英語版wikipediaのE-learning 2.0のページにも、こんな風に書いてあります。

Advocates of social learning claim that one of the best ways to learn something is to teach it to others
http://en.wikipedia.org/wiki/E-Learning_2.0#E-Learning_2.0


以前紹介した「効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで (PHP新書)」にも、出典は明記されていませんでしたがアメリカの研究だとして、こんな数字が紹介されています。
記憶に残る割合
聞いたことは10%。
見たことは15%。
聞いて見たことは20%。
話し合ったときは40%。
体験したことは80%。
教えたことは90%。


その他、私が非常勤で教えているクラスのとりまとめをしていらっしゃる来嶋先生の論文「独習による日本語学習の支援―その方策とARCS動機づけモデルによる評価―」(共著)でも、「他者の存在が学習継続上有効に機能することを示唆する」という一節があります。これは発表などを示しているので、これもLITEの一つとしてカウントしていいかもしれません。

こういう感じで、実に多くの人が多くの場所で「教えること」「他者に向けてアウトプットすること」の学習効果について触れているにもかかわらず、それをビシッと一言で表現する語彙を私は見かけたことがありませんでした。

そこに「LITE」ですよ。

キターッって感じですね。是非みんなでこの言葉を流行させましょう。

なお、羽根拓也さんによると、LITEには「クイック」LITE、「サマリー」LITE、「レビュー」LITEの三種類があるそうです。

クイックライトはこんな感じ。
「さあ、今から言うことをライトしてもらいますよ」と前置きした上で重要な話をし、「さあ、では今の内容を隣の人に話してみてください」と指示を出します。こういうのは、私はやったことがありませんが、なかなか面白そうです。

私がよくやるのはサマリーライト。
上で紹介したブログもそうですが、「今日勉強したことをまとめて発表してください」と指示を出したりします。あと、他者は存在しませんが「来週の試験は手書きのカンニングペーパーを一枚だけ持ち込み可とします」としたりするのも、紙にアウトプットすることによる学習効果を狙ったものですよね。

最後のレビューライトというのは、「前回の授業で何をやったか発表してください」というようなものだそうです。私はこれもあまりやったことがありません。

昨日の研修のLITEの方法で面白いな、と思ったのは、パワーポイントの応用です。まず内容の書かれたスライドを見せ、次のスライドではまったく同じデザインで文字だけを伏字にするのです。「○○○」とか「×××」とか。伏字の数もだいたいオリジナルの文字数のまま。で、ここでどんなキーワードを紹介したかを言わせるわけです。

LITEのほかにプレゼンの方法で面白いと思ったのは、電子スライドの左側に全体のアウトラインが書かれていたことです。一時フレーム入りのウェブサイトが流行したことがありましたが、あんな感じです。まあ、月曜日の研修はだいぶそのアウトラインとは順番が違いましたが、あれはそういう目的で作られたものでしょう。欲を言えば、現在地がそのアウトラインの中で分かるともっといいですね。

以下の動画で同じデザインのプレゼンが見られます。「語学習得の技術」なので、このブログの読者のみなさんにもご興味のある方も多いかと思います。


この辺は臆面もなく真似してしまうのが私の流儀なので(というか、よりよい方法があるのに妙なプライドで採用できない方がよほど恥ずかしい)、さっそく金曜日の研修から使ってみようと思います。

参考
限界を突破する「学ぶ技術」―いまの自分に満足できないあなたへ

人に教えることで自分も成長する「Lite」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20070119/117309/

アイデアの質を自己成長させる「アウトバック」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20070205/118415/


タグ:日本語教育
posted by 村上吉文 at 06:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
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