2008年03月18日

出題形式の難しさの二本の軸

 別に評価法を専門にする人に限らず、ちょっとでも考えたことのある人にとっては「何をいまさら」な記事かもしれませんが、私にとっては新たな視点だったのでご紹介します。

 試験の難しさを考えるとき、一番先に頭に浮かぶのは試験の内容の難しさですよね。能力試験の一級の問題は四級の問題よりも難しい。でも、同じ内容でも、出題形式によってずいぶん難易度が変わります。その難易度を測るのに、二つの軸があることを、「がんくつロボ」を作っているときに気がつきました。

 「がんくつロボ」では、たった一つの語彙表から、13種類もの練習問題を作り出します。で、今はそれを易しいシートから順に並べているんですが、あなうめでも、漢字でも、媒介語との対照でも、一番簡単なのは四択問題なんですよね。で、次にすべての選択肢がまとめて提示されるもの。右側に漢字のリストが縦にずらっと並んでいて、同様に左側にひらがなのリストが並んでいて、漢字とひらがなを線で結ぶパターンです。そして一番難しいのが、漢字をみせて「ひらがなで書け」とか、逆に、ひらがなで出して「漢字で書け」というパターン。

 この軸は「選択肢の量」という軸で切れるようです。つまり、選択肢が多いほど難しい。最後のパターンは一見自由に見えて、実は選択肢の幅が無限にあるので、この軸では難しさが極限になっているわけです。

 もうひとつの難しさは、同じ四択でも、穴埋め問題と、漢字だけを取り出すのでは、難しさが違う、という点です。なぜなら、穴埋め問題では、「この文は読解教材の最初の一文だった」とか「ああいう主題の文章だった」という、思い出すための手がかりがたくさんあるからです。一方、漢字だけを見せられたら、その漢字以外には、何も手がかりがありません。これは難しい。手がかりというのはヒントといってもいいでしょう。つまり、言ってみれば当たり前ですが、ヒントが少ないほど、試験は難しい。

 そして、これらの難しさは、試験の内容とはまったく別に、出題形式という方法でコントロールできるものなんですよね。かなり難しい内容を扱ったときでも、選択肢を少なくしてヒントが多い出題形式なら、学習者の自信を壊さなくてすむし、逆に簡単な内容のときでも、出題形式を難しくすることによって、挑戦しがいのある練習問題にすることもできるわけです。

 ということで、今日のまとめ。
 1.試験や練習問題には、内容のほかに出題形式により、以下の二つの軸の難易度がある。
 2.問題は、選択肢が多いほど難しくなる。
 3.問題は、ヒントが少ないほど難しくなる。

うーん、書いてみたら「お前、バカ?」というぐらい当たり前のことですよね。でも、私にとっては、あまり考えたことがなくて漠然としていたことがスッキリしたので、メモついでに書いておきます。
posted by 村上吉文 at 06:04 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
学習者の自信を壊さなくてすむ。
これとても大切かも。

私は学校組織に属していないフリーランサーなので、いかに学習者のモチベーションを維持するかが大きな課題なのですよ。

それにしてもパパさん早起きですね。
日本在住でしたっけ?
Posted by こみみ at 2008年03月20日 19:12
こみみさん、コメントありがとうございます。
泊まり込みの缶詰研修に出ていたので、コメントを拝見するのが遅れてしまいました。

私もフリーランサーみたいなものなんですが、どちらかというと組織に出たり入ったりという仕事の仕方ですね。「ヒューマン2.0」で言うところの「チャンクワーカー」がぴったりな表現です。
http://mongolia.seesaa.net/article/31653975.html

私は日本在住なんですが、子供を寝かすのが九時頃で、一緒に寝てしまうと、朝は早く起きられれるんです。集中できていいですよ。

Posted by 管理人 at 2008年03月24日 05:33
訂正します。
ワタクシ、フリーランサーなんてものじゃなく、
ポートフォリオワーカーでした。

9時頃はまだバイト中です…。

Posted by こみみ at 2008年03月24日 23:31
私も組織に入っていないときはポートフォリオワーカーですよ。今なんかもそうです。このブログも広告張ってますしね。でも、日本語教師ってどうしても教室の外が見えなくなりがちなので、いろんな仕事を持つのって、とってもいいことだと思います。
Posted by 管理人 at 2008年03月25日 05:51
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