2008年02月11日

地道に努力しない勉強法

以前、志向性を増幅させるスゴイ勉強法というのをご紹介しました。同じようなことを、もうちょっと別の言い方で、しかもずっと面白く表現している人がいましたので、ご紹介します。以下、長いですが語学学習に関する部分を引用します。
たとえば、英語力を向上させたければ、

毎日地道に英会話教材をコツコツ勉強するなんて、能率が悪すぎる。


自分を熱くさせるような議論が英語で行われている空間や集団を見つけて

思い切ってそこに深くコミットしてしまった方が、

はるかに能率よく、しかも、実践的な英語力が身につく。


そういう熱い議論や空間に巻き込まれ、

寝ても覚めてもその議論のことが気にかかり、

夢の中でも、英語でやりあっていたり。

気持ち的にも引っ込みがつかなったり。

このまま引き下がってはいられない、という気持ちに駆り立てられたり。


血が沸騰するような興奮の中で相手からまくし立てられ、自分でもまくし立てた英語のフレーズは、

完全に血肉となり、身体化する。

英語で行われる重要な会議で、ここぞというタイミングで、実に効果的に口から出てくる。

退屈な英語教材で地道に覚えた英語力なんかとは、戦闘力が桁違いなのだ。


つまり、地道な努力を積み重ねるのではなく、

「自分を英語に没頭させてしまう」というキッカケ、空間、タイミングを探し、

見抜き、ここ一発というところで、すかさずそのチャンスを捕まえてしまえば、

あとは自動的に、坂道を転げ落ちるように簡単に英語力が向上していく。


その、分水嶺、運命の分かれ道を、意識を研ぎ澄まして見極める努力こそが、

本当に効果的な努力なのではないだろうか。
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080111/1200020891

この人の場合は、ある程度ネットリテラシーもあり、英語の議論に参加できるだけの基礎もあるので、前半の「議論の場を見つけてコミットする」というのはちょっと特殊な例です。日本語教師にとっては直接的に役立つ提案でもないでしょう。しかし、「地道に勉強するよりも、没頭させるきっかけを見ぬくことが大事」というのは、実は私がまさにいつも思っていることです。

そして、何に没頭できるか、という所こそがまさに、その人の「志向性」なんですよね。上記のブロガーの場合は、それが何かの議論の場だったわけです。この場合は「議論」と「語学」の親和性が高いために、その二つをカンタンに結びつけることができました。しかし、中には議論なんて好きじゃない学習者もいます。そういう学習者に、いかに「没頭するきっかけ」を提供することができるか、それが語学教師のウデの見せ所でもあり、醍醐味といえるのかもしれません。

そのためには、言語を使う行動のうちで、どんな人がどんな種類の行動に没頭しやすいのかをリストとして持っている必要があるでしょう。上記の「議論に深くコミットする」でもいいし、「母語話者の恋人を見つける」でもいいでしょう。まあ、「恋人」は語学教師が助けてやれることは少ないでしょうけど、そういう「没頭しやすい行動リスト」を教師の方が常備しておいて、学習者の適性を見抜き「あなたはこういう活動をしてみてはどうか」と提案することができれば、自律学習などの場などではすさまじい威力を発揮するのではないかと思います。

その意味で、多少ともネットリテラシーのある学習者にとって、志向性を増幅させるスゴイ勉強法は非常に有益ではないかと思いますので、みなさんもぜひ試してみてください。これと分身の術を組み合わせたら最強だと思いますよ。
タグ:日本語教育
posted by 村上吉文 at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
お久しぶりです。北浦和ではどうもお世話になりました。
書いてらしてるように、その人が引っかかって、達成の喜びを感じるタスクの与え方ってありますよね。喜ぶリストと苦手リストがあるのがわかってくると、どう苦手リストを克服してもらおうか、と考えます。というのも、その人の持つコミュニケーション能力や、説明能力のあるなしが中級に近くなると必要だと実感してるもので。母語でできないことは、日本語でも無理じゃないか、と思うことがあるからです。でも・・・実は、これを克服することで「知的に成長」していく人がいたんで、どう乗り切るかが、教師の仕事の楽しみでもあるということですね。
Posted by 内田陽子 at 2008年02月11日 02:23
お、内田さん、ご無沙汰してます。
日本語力よりも言語そのものの運用能力みたいなものですね。そういうのを克服させるというのは、日本語力を伸ばすよりも、よっぽど大変そうですね。

ところで、以下のページの143番あたりから、そちらのお国の日本語教育情報が取りざたされてますよ。
http://life9.2ch.net/test/read.cgi/world/1122996576/101-200
ご興味がありましたらご覧ください。
Posted by 管理人 at 2008年02月11日 18:20
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