2007年12月17日

すごい人発見! プリンストン大学の柴田智子さん

sentochihiro.jpg
こんな人もいるんだなあ、というか、私と同じような実践をしている人を見つけたのでご紹介します。
アニメを使い、パワーポイントや大学のコースウエッブ(Blackboard, BB) といった身近にあるテクノロジーを使った効果的なコース作りを紹介したい。今回アニメを主教材に、日本語の4技能と文化知識を高める試みを行った。アニメの絵本を教科書にし、授業では視覚教材を駆使し、文化情報を与えつつ内容について話し合いを行い、パワーポイントで更に文法、語彙、修飾節などの構文練習を行った。学生は絵本を読むことで読解力を伸ばし、宿題や研究発表などで作文力を伸ばし、教師の絵本の音読テキストを聞き、発音を練習し、またoral summary(物語の要約の録音)により、要約力と発音の向上を目指した。BB は教師と学生の宿題のやり取り、要約の録音などに活用され、コースの円滑な運営に役立った。
http://castelj.kshinagawa.com/proceedings/files/2-E3%20Shibata.pdf
「やられた!」と思ったのは、物語の要約をさせているところですね。時間的な制約もあるのですが、創造的な口頭能力の練習は、私の授業では好きなセリフや感想などを簡単に言わせるだけでした。あとは映画の音声のリピートとかシャドウィングなどのあまり創造的ではない練習ばかり。もちろん、これは有名俳優による発音をモデルにしてほしいから、とか、歌手になりきって歌うカラオケのように俳優気分を味わってほしいからという理由でやっているのですが、自分でも手が薄かったな、と思っていたところでした。

その点、物語の要約なら内容を考える必要はないので学生の負担は少なく、しかも単語単位、文単位では自分で創造的に表現を産出することになるので、私のクラスのレベルでもちょうどいいです。

その他にもオンラインのツールを利用して教材や素材を共有したりとか、私のやりたいことが先取りされて実現しているわけです。うーん、やられた。

これは「Castel-J」という日本語教育とITの双方にまたがる分野を研究する学会のサイトで見かけたのですが、ここは私のような志向性の人間には、まさに情報の宝庫です。

まだまだ世の中、広いなあ。と思う反面、ハワイまで出かけられなかった私にもこうした情報が見つけられる時代に暮らせる幸運をかみ締めています。
posted by 村上吉文 at 04:45 | Comment(10) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
練習の組み合わせ次第でいろんなアプローチができますね!う〜ん、すごい!参考になります。
Posted by shibarie at 2007年12月17日 15:51
shibarieさん、コメントありがとうございます。
疲れは取れましたか?

上記大会の予稿集のページもご紹介しておきます。
http://castelj.kshinagawa.com/proceedings/
ホントによだれが出そうな情報ばっかりですよ。

Posted by 管理人 at 2007年12月18日 15:23
故郷に戻って心身ともに絶好調です!

こういう研究を公開してくださっている先生方には感謝感激です。故郷にいながら、日本語教育の最新情報を得られるなんてな〜んてお得♪

教えていただいた予稿集で私が興味深く読んだのは「遠隔日本語学習とテレビ会議」です。
http://castelj.kshinagawa.com/proceedings/files/1-E4%20Saita.pdf

こういうことが応用されれば、モンゴルや日本でも都市部に若者が集中する現象を少しでも緩和されるかしら…などと考えたり。私も遠隔でモンゴルから日本にいる学習者に、日本からモンゴルへいる学習者に情報発信できるかななど。夢は膨らむばかりです。
Posted by shibarie at 2007年12月18日 20:52
実はモンゴルでも、ワールドビジョンが遠隔教育システムを導入していて、ヘンティー県でも見たことがあるのですが、どうも専用回線を利用するようなシステムだったらしくて、通信費がまかなえず、ほとんど使われていない状況でした。


「遠隔日本語学習とテレビ会議」は、実はまだ見ていないんですが、じっくり読んでみますね。
Posted by 管理人 at 2007年12月22日 08:15
なるほど。遠隔教育システムがあっても、費用的に問題があるのですか…。テレビ会議などはモンゴルでも設備があるところは時々行っていると聞いたことがあります。何をするにしてもお金は一番の問題になりますよね…。

モンゴルでは最近、田舎で働く教師の給料が高くなったので、田舎へ移住する教師も増えてきているそうです。田舎だと生活費が安く済むから、残った(残した)給料をウランバートルにいる家族へ送るんだそうです。遠隔教育システムやインターネットが田舎でがうまく機能するまでは、田舎で働く教師の給料を増やして定住を図るほうが今のところは得策なのかもしれませんね…。
Posted by shibarie at 2007年12月23日 02:58
あれは衛星回線でしたからね。
今、モンゴルでも光ケーブル引いてますよね。もう遠隔教育は現実的な選択肢の一つだと思いますよ。

北海道より。
Posted by 管理人 at 2007年12月24日 03:54
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
コメントいただいたので、のぞきに来てみました。

遠隔授業については、うちでも3つのキャンパスがあるということで、3年前から工学部と共同でいろいろ試行錯誤してみました。JICAの日本語教育を担当しているJICEというところでの遠隔授業(日本とフィリピンを結んで)も見学させていただいたことがあります。

教師がいる教室でも授業をしていて、それをほかの教室に飛ばすのですが、広義ではないので、学習者も映す、ホワイトボードも映す、教材も映す、ほかの教室でも学習者を映す、ホワイトボードを映すといった野心的なシステムを考えました。人件費の圧縮が目的でしたので、機械操作の人間を配置することができないとか、教室が占有できないので、授業のたびに設置しなければならないとか、いろいろ問題がありました。画像の粗さは我慢するとしても、教師と、双方の教室の音声を双方向でやりとりするという点で音質の粗さがなかなか解決できませんでした。最後はFMで音声だけ飛ばしてみたりしたんですけどね、恒常的な授業は無理かなあと考えていました。

アニメーションの授業利用、どう生かすかというので、いろいろヒントを頂いています。できるクラスとできないクラスがありますよね。なかなかできるクラスにあたりません。
Posted by AWA@Tell 毎日 管理人 at 2008年01月12日 07:49
遠隔教育というと、独習中心のe-ラーニングのようなイメージがあったのですが、 koyangyiさんの試みでは、ほとんどリアルな授業に近い感じになるんですね。いやあ、すごい時代ですね。

私はベトナム語の勉強に東京外大のサイトを使わせてもらっているんですが、こんなインタラクブじゃないサイトですら、すごく役に立つんです。リアルな授業が中継できるようになったら、本当に世界はフラットと言えそうですね。いい時代に生まれたものです。
Posted by 管理人 at 2008年01月16日 17:02
>本当に世界はフラットと言えそうですね。いい時代に生まれたものです。

子供の頃、「ドラえもんにどこでもドアを出してもらいたい」とよく思っていました。リアルな授業中継はどこでもドアの入り口ですね!将来は画像が3D化しちゃったりしたら、もっと世界は広がりそうですね!
Posted by shibarie at 2008年01月18日 19:25
そりゃもう実現してますって。
http://tips.0909english.com/?eid=599976
http://secondlife-info.info/800sl/sl_1.html
英語ですけどね。日本語でも誰かがやっているかもしれません。

僕たちの世代が(とshibarieさんを一緒にしちゃ怒られますが)子供の頃に「未来」だと思っていた時代が既に到来していると思うことが最近、多いんですよね。

という意味では「フゥーチャリスト宣言」も面白かったですよ!(梅田望夫さんと茂木健一郎さんの対談本)
Posted by 管理人 at 2008年01月19日 06:45
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