2007年11月16日

一般人がインドについて知らないこと。

インドのアニメ「The legend of Buddha」

私自身がインドに関しては一般人なので、三笠書房の『今のインドが分かる本』を読んで、知らなかったことを列挙してみます。


「インド人はみんなパソコンが使える」のウソ。
たしかにインドの花形産業の一つはソフトウェア開発ですが、パソコンの普及率はわずかに1%。(p.45)
しかし、1%といっても、一千万人だったりするから数としてはけっこうすごいんですが、平均を見れば日本(65%)とずいぶん違うようです。ただし、モンゴルで見た限りでは、途上国ではパソコンをネットカフェなどで使う人が多く、普及していなくても使える人はもっと多い可能性もあります。

「インド人はみんな英語が話せる」のウソ
インドでは英語が話せる人が3000万人以上いる(p.80)とのことですが、それって人口のたった3%ですよね。英語はインドの準公用語なので、ほとんどの人が話せるのだとばかり思っていました。識字率自体が65%しかない(p.82)ので、ようするに第一言語で字が書ける人でもこんなに少ないのだから、第二言語が話せるのはもっと少なくて当然ですね。

製造業が発展しないままサービス業が発展した
今の先進国はすべて農業から製造業、サービス産業へと発展したために、それぞれ第一次産業、第二次産業、第三次産業と呼ばれるわけで、中国なんかも第二次産業から第三次産業へと移行しつつある状況ですが、インドは第二次産業の時代を経過しないまま第三次産業へと発展しているということです。
第二次産業は広大な土地などが必要なので中国では政府が調達できても、民主国家のインドではなかなか難しいということと、第三次産業はカースト制度で縛られないのでどんな身分の人も参入できることが主な原因らしいです。

急成長するアニメ産業
アニメといってもCGのアニメのようですが、主にハリウッドからの外注で力をつけたようです。今では現地制作の作品も質の高いものがあって、「The legend of Buddha」という2004年の長編アニメは、なんとアカデミー賞の長編アニメ部門でノミネートされたということです。
ただ、素人の哀しさで、この作品のイメージがまったくわきません。やっぱりインドの作品なので仏陀が歌ったり踊ったりするミュージカルなんでしょうか。
世界のアニメ市場におけるインドのシェアは2009年には2.7%まで上昇する見込みだそうです。
「The legend of Buddha」については、こちらに解説がありました。
http://animeanime.jp/biz/archives/2004/11/post_80.html
http://www.chennaionline.com/film/Moviereviews/buddha.asp

ダイヤモンド産業もすごい
ダイヤモンド研磨工の九割はインドに集中しているそうです。ダイヤモンドって昔はインドしか取れなかったので「インド石」って呼ばれていたらしいですよ(p.99)。だから、これはどちらかというと伝統産業なんですね。ただし、今では加工する原石のほとんどが輸入だそうです。

インドのマクドナルドは牛肉を使っていない
まあ、ヒンドゥーじゃ牛が神聖な動物なので、考えてみればまったく自然なことではありますが、しかし牛肉の入っていないマックって想像できませんね。「マック・ベジバーガー」というベジタリアン用のメニューがあるそうですが、マックバーガーとかダブルバーガーとかも鶏肉か何かで作ったのがあるんでしょうか。何でも、「牛肉を使っている」といううわさでマックの店舗が焼き討ちされたこともあるらしいですよ。(p.143)

カシミール地域は印パだけでなく中国も支配している
カシミアで有名なカシミールって、よく「印パ国境の」と説明されることが多いと思うんですが、3回の印パ戦争を経て分割された領土は、インド45%、パキスタン35%に加えて、中国が20%を支配しているそうです。要するに中国に支援されたパキスタンとの片側代理戦争だったということなのでしょうか。

政治のクリーン度はモンゴルとほぼ同じ
という見出しを読んで、ああ、清廉なのね、と思ったそこのあなた、はい、間違いです。モンゴルが85位で、インドは88位。ちなみに中国は78位です。

以上、ネタ本はこちらでした。


その他、インド関連の書籍をご紹介しておきます。あらかじめお断りしておきますが、この中で読んだことがあるのは中谷美紀の旅行記だけです。

まず目に付くのが、数学関連。


それから、もちろん経済ですね。


旅行記もたくさんありました。
中谷美紀さんのは面白かったですよ。映画の仕事が嫌になって、いきなり一人でインドに行ったということです。


その他、精神世界とかヨガ関連も関心を引いているようです。


ということで、日本語で出版されている書籍情報を見る限り、日本人はインドの数学と経済と観光とヨガ、瞑想などの精神世界に関心を持っているようですね。
タグ:インド 書評
posted by 村上吉文 at 15:49 | Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
村上さん

面白くよましてもらいました。
意外だったのは ダイヤモンドの話。
そういえば タジマハールの象嵌も小さな貴石を
根気よく磨いてはめ込んだのでしょう。
政治のクリーン度がモンゴル並み、頷けます。
昨年インド株投資信託買ってこの一年で2倍になりましたよ。もう少し待って娘の学資にします。
Posted by inoue hisao at 2007年11月17日 11:44
こんにちは、先日横浜市民の意識調査資料を見ていて、一番関心のある国はという問いに、横浜ではすでにインドが中国を上回っていました。実はインドは中国以上に人口調査がしっかりしていないため、すでに人口は世界一であると言われております。しかも高齢化の進む中国に対し人口構成はピラミッド型に近く若い国なのです。いずれは中国を超え日本とは世界一の貿易相手国になると思います。
Posted by 金港人 at 2007年11月17日 14:40
井上さん、ご無沙汰しております。
このブログをご存じだったんですか。また東京方面いらっしゃるときは是非ご連絡ください。

金港人さん
中華街のある横浜でも中国以上の関心というのは驚きですね。インド人も多いのでしょうか。
Posted by 管理人 at 2007年11月18日 08:12
今、私と同じ研修にインドからの方がいらっしゃっていますよ!
「人口に占める日本語学習者の割合」を出してみましたので私のブログをご覧ください!ちなみにインドは日本語学習者は世界20位、人口に占める日本語学習者の割合順位は0.0011%で108位でした。でも、人口調査が10年に1度しか行われていないようなので人口は2001年のデータを使用しました。実際はもっと順位が低くなってしまうのでしょうね。日本語人気はこれからか?!
Posted by shibarie at 2007年11月18日 23:58
はじめまして。
今持っているグループレッスンはインド人ITエンジニアのみなさんです。
たしかに皆英語が話せるんですが、上手下手があってなかなか興味深いです。
聞いたら「大学に入った時はあまり英語がわからなかったから、たいへんだった」なんておっしゃいます。
日本に来るよりアメリカに行ったほうが楽だったのではとつっこんだら、「でも日本は安全で、日本人は親切ですから」と。
安全で親切な国を、この国は目指さないと。
Posted by yuko at 2007年11月24日 00:25
おひさしぶりです。インド系の人はあまり多くないのですが、今年は日印友好年でいろいろなイベントをやっていたせいだと思います。日印貿易が活性化すればインド系の人が増えると思いますが、それを見越してか最近インド料理の店が増えている気がします。
Posted by 金港人 at 2007年11月26日 06:17
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