2007年11月14日

youtube動画を読解の授業で使ってみた

動画に関連して「で、youtubeを実際にどう使うのか?」と聞かれることがあります。
ニュース動画については、以前、ご紹介したことがありますが、それ以外にもいろいろな使い方があると思うんですよね。日本事情に使えることは、剣道の例や、SUICAの例をご紹介しました。
先日は、youtubeを読解の授業で使ったので、それもご紹介しておきます。

上に表示されていない場合はこちらからご覧になれます。一分にも満たない短い映像ですので、是非ご覧ください。泣く人は泣くようで、その気持ちは分かります。

この動画を見せた後、クラスを二つのグループに分けます。そして、それぞれ別の資料を読みます。Aグループは資料A、Bグループは資料Bという感じです。

配付した資料はこれ。
意見文05 優しさとは.pdf
このファイルに「優しさとは01」「優しさとは02」という両方の資料が入っています。この動画に対して「これが本当の優しさなのか?」と疑問をぶつける内容と、「感動した!」と支持する内容で、つまり正反対のことが書いてあるわけです。

グループ内では読みながら自由に質問などをしてもよく、必要なら、特定の人が排除されないように配慮しながら、日本語以外の言語を使用することも許可しています。グループ内では、内容確認までを済ませます。

内容確認ができたところで、今度はAB、AB、AB、という構成の二人組を作ります。つまり、資料Aを読んだ人と、資料Bを読んだ人が一人ずつでペアを組むわけです。

総合日本語の授業ならここでディベートに行くのですが、ここは読解なので、そこまではしません。お互いの読んだ資料を口頭で紹介して、どちらに賛成するかの統一意見を出します。もちろん、意見が合わないときはディベートにようになってしまいますが、二人とも同意見のときにわざわざ自分の資料を支持する主張をすることまでは求めません。

というのも、ここでは資料の読解を「アウトプットを前提にしたインプット」にすることによって、読解の態度を変えることに目的を置いているだけだからです。ですから、どちらかというと結論が得やすい内容に意見文も調整しています。今回の場合も、やはりどのペアも「優しさとは01」を支持する結果となっていました。

結論が出たグループには、自分が読まなかった方の資料も配り、ペアの相手が言ったことを文字情報でも確認します。すべてのグループで結論が出ると、順番で短くどちらを支持するかを発表します。

そういえば、「優しさとは02」を読んだ学習者が「これを書いた人はバカです」とか言っていましたが、資料は二つとも私が書いていることを知って、「優しさとは01」を読んだ後に「これを書いた人は素晴らしいです」なんて言ってました。そこまでならよくあることですが、学習者の一人が「キジも鳴かずば撃たれまい」とことわざを出してきたのは正直ビックリしました。

さて、読解の授業で動画を扱う例をご紹介しましたが、こういう授業にも向き不向きがあると思います。たとえば、ボトムアップ式に細かく読む読解の授業で、しかも扱う対象が「説明文」だった場合など。そういうときは印刷された情報だけで理解するのが、やはり王道でしょう。

ただし、今回のような「意見文」の場合は、まず第一に「意見する相手」がないと意見文ができません。つまり、意見文の背景にある事実が分かっていないと、読解の授業なのに日本事情の授業になってしまったり、別の説明資料を用意してその読解に時間がかかってしまったりするわけです。意見文を読むはずが説明文を読む羽目になるという、ありがちな落とし穴ですよね。

その点、こういう動画を使うと、日本語が一切使われていないので、「意見の対象」に対する内容の理解にはまったく障害がありません。だからこそ、それに対する「意見そのもの」の読解だけに時間が使えるわけです。

そういう意味では、作文の授業でも使えそうですよね。読書感想文を書くには時間をかけて本を読まなければなりませんが、動画の感想文なら、今回の場合は視聴に一分もかからないんですから。

同じように、一分程度でストーリー性がある動画としては、こんなのもあります。

こちらは日本語ですが、登場人物の一人が聾唖者なので、内容理解に聞き取りの必要はほとんどない構成になっています。

それから、読解の授業なのだから文字情報を中心に使いたいという場合でも、youtubeにはいろいろあって、最近の有名なものではこんなのもありますよね。
「最後だと分かっていたなら」

これは、何度見ても本当に毎日を反省させられます。
文字起こしされたデータは、以下のブログにありますが、検索するともっとあるかもしれません。
http://plaza.rakuten.co.jp/saijotakeo0725/diary/200710280000/
youtubeの動画は字幕が画像と重なり合って読みにくいかもしれませんが、そういう場合はこちらの動画なら読みやすく処理されています。



最後に、読解とは全然関係ないんですが、佐藤慎司さんの学生さんが日本語で歌っている動画が面白すぎるので、ご紹介しておきます。
posted by 村上吉文 at 04:33 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
リンクありがとうございます。今,学生がポッドキャスト,ビデオキャストの最終版を作っています。完成次第配信を始めますので,ぜひぜひごらんください。
Posted by しんじ at 2007年11月28日 13:26
佐藤さん、コメントありがとうございます。
実はトラックバックを送ったのですが、なぜか送信失敗になっていました。
ビデオキャストの最終版、楽しみにしております。
Posted by 管理人 at 2007年12月01日 14:57
最後の動画見ながら一人パソコンの前でニヤニヤしてしまいました(笑)
曲もそうですが、映像がすばらしすぎです!!
シュールですね(  ̄ー ̄)
Posted by みっちー at 2008年03月15日 11:40
こんなのを学生が作るっていうところが、やっぱりITの普及している国ですよね。モンゴルがここまで来るには、まだちょっと時間がかかりそうだなあ。フィリピンあたりはいかがでしょうか。
Posted by 管理人 at 2008年03月15日 15:56
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