2007年11月06日

プログラミングの勉強と語学の勉強の類似性

弾小飼さんのブログで、ド素人のためのJavaScriptの解説が始まっていて、そこでpromptという命令を覚えたので、さっそく使ってみました。

プロンプトというのは、日本語教師的に思いっきり割り引いて書いてみると、要するに穴埋めです。空欄といってもいいですかね。ちゃんとした説明が聞きたい人は「JavaScript例文辞典」というサイトのこちらをご覧になるといいです。

日付を漢字で提示して、その読みを入力すると正誤判定してくれる試作品を作ってみました。「一日はいちにちとも読むじゃねえか」というツッコミはなしで。
日付の読みを入力すると正誤判定して正答率も返してくれるページ

こういう勉強をしてみてつくづく思うことは、二点。

まず、素人のための解説などを見ると、「プログラミングとはなんぞや」というような話が多いということ。これは、日本語教師の仕事にたとえてみると、「日本語とはなんぞや」「言語とはなんぞや」ということです。そして、先生につかずにネットを中心に自主学習に励もうとすると、こういう「とは何ぞや」だけ何度も繰り返して目にすることになり、何となく分かったつもりになってしまいます。

でも、それだけじゃダメなんですよね。JavaScriptで言えば、alert,confirm,promtといった命令を一つ一つ覚えていかないと、実際に動くコードはできません。

こういう命令を一つ一つ覚えるのは、日本語学習で言えば、漢字や語彙を一つ一つ覚えていくのに似ています。そして、それは「言語とは何ぞや」という話に比べて、知的な刺激があまり豊かではない作業だというのも、似ています。

そして、こういう勉強してみて感じた二点目なのですが、そういう知的な刺激の少ない作業をする際に必要なのが、教師にとっては実際的なメリットを提示することで、学習者にとっては、それを想像する力なのではないかということ。

今回の場合、たまたま「お、これってウェブ上で練習させたりするのに、すっげー便利そうじゃん」という感覚がピピピッと来たので、本当にすぐに手が動いて試作品を作ることができました。でも、忙しいのにそんなことをするのはそれなりに動機が必要で、ピピピッというのがなかったら、ちょっとできなかったのではないかと思います。

で、日本語教師として語彙や漢字を教えるときに、その一つ一つについて「これを覚えておくと銀行のATMでお金をおろすときに便利ですよ」などと、メリットを提示できればいいなあ、と思いました。特に予備教育では、「この勉強が受験以外に実際に役に立つ日が来るのか?」というのは常に問われ続けていて、そこにどう答えるかで、結果がずいぶん違ったものになるのではないかと思います。(そういう余裕がないのも現実なのですが)

なお、こんなことをつらつらと書いてしまったのは、以前、こんなページを見たことがあるからです。ここでは、因数分解が何の役に立つのか、という問いに対して、以下のような回答が寄せられていました。

新しい部屋に引っ越しました。

押入れの高さが90センチで、ここにユニット型の箱を入れたい。

ユニットは3種類で、それぞれ10、15、20センチです。

ぴったり入れるにはどういう組み合わせがあるでしょうか?
http://q.hatena.ne.jp/1155690321#a590484


こういう日常的な場面での問題を解決するのに、因数分解が役に立つという提示ですね。私は数学が嫌いというほどではありませんでしたが、少なくともこういう取り組みをしている先生に習ったことがあったら、もう少しマジメに勉強していたのではないかと思ったりするわけです。

で、我が身を振り返っても、日本語学習者はもちろん語学オタクばかりではないわけで、そういう人たちにマジメに取り組んでもらうには、いちいち、こういうメリットを提示していけたらいいなあ、と思うのです。それが難しいんですけどね。

追記:弾さんはセックスとプログラミングの類似性を書いていましたが、私が思うに「どちらもコミュニケーションのツールである」ということも挙げられるのではないでしょうか。相手が異性であるか機械であるかという違いはあるとしても。
posted by 村上吉文 at 04:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
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