2025年02月12日

#エンタメ多読 の作り方

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

さて、#エンタメ多読 というタグでこれまで8つの多読教材をツイッターなどで紹介してきました。しかし、今回の作品?は継続的な対話を行わずに、一発で生成しました。そのプロンプトを紹介します。プロンプトは以下のとおりです。

以下引用

【いちばん簡単なプロンプト】
面白さ最優先の5000文字のエンターテイメント短編小説を書いてください。
一度読み始めたら、読み終わるまで本を置けないぐらい面白い物語にしてください。
主人公は日本語学習者にしてください。
舞台は日本語教育機関にしてください。
とにかく面白い物語にしてください。
一行目から読者をひきつける普通ではない状況を描写してください。
クライマックスはできるだけ盛り上げてください。
主人公たち日本語学習者の話す言葉はカタカナではなく、普通の漢字かな交じり文にしてください。
文体は一人称の口語調にしてください。
主人公は、今日の日付で決めてください。日付の一の桁を調べて、以下のリストの中のその数字に該当する国を主人公の国籍にしてください。
1.インドネシア
2.中国
3.韓国
4.オーストラリア
5.台湾
6.タイ
7.ベトナム
8.フィリピン
9.マレーシア
0.アメリカ
物語には、主人公の文化も反映させて、その国の人らしさを入れてください。

引用ここまで

最後の方の国籍のところについて説明します。

これは非常に大きな問題だと思うのですが、このように国籍を指定しないと、学習者は必ずアメリカ人になってしまうのです。世界の機関学習者の中でアメリカで日本語を学ぶ人は世界6位ぐらいで、それほど多くありません。そして、アメリカ人以外にしてと言うと、今度はオーストラリア人になってしまうのです。これは現在のAIが英語圏のデータを多く取り込んでくることからくるバイアスなのでしょう。それで、機関学習者のランキングの上位10カ国からランダムに選ばれるようにしてあります。

しかし、海外の日本語教育機関で教える先生方は、やっぱり自分の国の学習者のために多読教材を作りたいですよね。その場合は以下のプロンプトをご利用ください。もちろん「舞台は」のあとには、お住まいの地域名を入れてください。

以下引用

【ご当地ネタ用のプロンプト】
面白さ最優先の5000文字のエンターテイメント短編小説を書いてください。
一度読み始めたら、読み終わるまで本を置けないぐらい面白い物語にしてください。
一行目から読者をひきつける普通ではない状況を描写してください。
主人公は日本語学習者にしてください。
舞台は【】にしてください。
ご当地ネタも必ず入れてください。
とにかく面白い物語にしてください。
クライマックスはできるだけ盛り上げてください。
文体は一人称の口語調にしてください。
主人公たち日本語学習者の話す言葉は、カタカナではなく、普通の漢字かな交じり文にしてください。


引用ここまで

もうちょっと自分の意志に沿った作品を作りたいと思う人は、段階を追って、少しずつ作っていくと良いと思います。僕の場合は以下のような順を追っています。

以下引用

【時間に余裕のある時01】
面白さ最優先の5000文字のエンターテイメント短編小説を書いてください。
一度読み始めたら、読み終わるまで本を置けないぐらい面白い物語にしてください。
主人公は日本語学習者にしてください。
舞台は【】にしてください。
ご当地ネタも必ず入れてください。
とにかく面白い物語にしてください。
クライマックスはできるだけ盛り上げてください。
この小説を書くために、まずはプロットを10案ください。

【時間に余裕のある時02】
それでは〜番の案で章立てを作ってください。章立て案を三つを作ってください。
一行目から読者をひきつける普通ではない状況を描写してください。

【時間に余裕のある時03】
〜番の案でお願いします。まずは第一章(あるいはプロローグ)の下書きを書いてください。
文体は一人称の口語調にしてください。
主人公たち日本語学習者の話す言葉は、カタカナではなく、普通の漢字かな交じり文にしてください。
(修正すべきこと、分かりにくいことがあったら、指摘して修正します)

【時間に余裕のある時04】
次の章をお願いします。
(最終章まで繰り返す)

【時間に余裕のある時05】
ありがとうございました。今日の話し合いを振り返って、私の視点からの編集後記を私の代わりに書いてください。

引用ここまで


言うまでもありませんが、最初の「プロット」と次の「章立て」のところで、納得のいかない部分は徹底的に直しておいてください。
ここがいい加減だと、物語ができてから修正する羽目になり、時間が大幅に無駄になります。
あと、最後の文章化の段階でも、「もっと派手な演出にして」「もっと劇的に」「もっと感動的に」などとどんどん注文するといいと思います。
でも実はそういう作業って、「面白い作品を作っていく」というのではなくて、自分は「自分の読みたい物語を言語化していく」っていうことでもあると思うんですよね。だから、人によっては「これじゃない」と思う事があるかもしれませんが、僕は個人的にはこういう作業がとても面白いし、投稿してもいいかなと思える段階まで来たときには、AIに「ありがとう、こういう物語が読みたかった」と感謝したくなることもあります(^^)

そして冒険は続く。

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posted by 村上吉文 at 22:54 | TrackBack(0) | 人工知能と日本語教師 | このエントリーをはてなブックマークに追加

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