2023年09月06日
言語学習コンサルとしてのChatGPTに伝えるべき個人情報
冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?
さて、今日お話ししたいのは、言語学習コンサルとしてのChatGPTに伝えるべき個人情報についてです。ここでいう「コンサル」はコンサルタントのことを指します。これは専門家やプロフェッショナルとして様々な相談に応じ、助言や指示を提供する人々のことを指します。このテーマを取り上げた理由は、ChatGPTの「カスタム指示」をまだ利用したことがない方が多いからです。実際、2、3日前にも同じような感じを受けたことがあります。
実は、このカスタム指示は初めは有料版でしか利用できなかったのですが、約1ヶ月前から無料版でも利用できるようになりました。このカスタム指示を使うと、ユーザーの情報をChatGPTに知らせることができ、その情報に基づいた反応や応答を得ることができます。
具体的には、ChatGPTを開き、パソコンなら画面の左下に表示されている自分の名前の隣にあるケバブメニュー(3つの点)をクリックすると、さまざまな設定が表示されます。その中に「カスタム指示」または英語では「Custom Instructions」という項目があります。それをクリックすると、2つの入力欄が表示されます。上部の欄には「より良い回答を提供するためにChatGPTに何を知ってもらいたいですか」と書かれており、こちらに自分の情報を入力します。下部の欄には「ChatGPTにはどのように対応してほしいですか」と書かれており、こちらには希望する対応方法を入力します。
今日は、上部の欄に入力する情報について中心にお話ししますが、一般的な使い方ではなく、特に言語学習のコンサルタントとしての設定です。言葉の学習に関する質問に、どう答えてくれるかという設定です。この設定がなぜ必要かというと、基本的にChatGPTは一般的な内容しか答えてくれないからです。一般的な内容とは、誰にでも当てはまる内容を指します。しかし、個別のケースに関しては、より詳しい情報をChatGPTに提供する必要があります。
このため、カスタム指示の上の欄に、自分の情報をたくさん入力しておくと良いです。ただ、文字数制限があり、最大1500文字までしか入力できません。したがって、文章よりもキーワードや単語を多く入力する方法をおすすめします。しかし、プライベートな個人情報は必要ないと思います。例えば、名前やメールアドレス、銀行口座番号、電話番号などの情報は不要です。言語学習のコンサルタントとしてのアドバイスの質は、ユーザーの名前や他の個人情報を知っているか否かに影響されることはありません。
必要な情報としては、ユーザーの言語学習に関する情報を多く提供することが考えられます。
最初の例として、どの言語を学んでいるのか、または学びたいのかという情報は非常に重要です。
2番目に重要なのは現在の語学レベルです。具体的には、自分の言語能力が初級、中級、上級など、どのレベルに位置するのかということを示します。現在、多くの人はヨーロッパ共通参照枠(CEFR: Common European Framework of Reference)を基準として利用します。実際、CEFRを用いるとChatGPTにもレベルを理解してもらいやすいです。一方、JLPTのレベルに関しては、CEFRと比べるとChatGPTは詳しく把握していないかもしれません。
そして、3番目に考慮すべきは学習歴です。これは、どれだけの期間言語を勉強してきたのかや、どのような方法で学習してきたのかを意味します。
次に、4番目の項目として考慮すべきは、毎日や毎週どれくらいの時間を勉強に割くことができるのかという点です。
5番目には、既に何らかの学習を開始している場合、使用している教材やリソース、どのような教科書を利用しているかなどの情報が必要です。例えば、僕の場合、Netflixでヒンディー語の映画を視聴する際、日本語とヒンディー語の両方の字幕を表示する拡張機能を活用しています。
6番目のポイントとしては、学習形式も入力します。具体的には、個人で学習しているのか、クラス形式での学習なのか、またはオンラインでの学習なのか、という情報です。
次に、7番目の項目は、学習中に直面している問題や困難についてです。例として、僕がヒンディー語の学習で最も困難に感じているのは、モチベーションの維持や学習時間の確保です。
8番目の項目では、その言語を学習する主要な目的について設定します。言語を学習する動機や背景、例えば旅行、居住、仕事、国際結婚、子供とのコミュニケーションなどの目的が考慮されます。
9番目には、言語スキルの自己評価が必要です。具体的には、聞く、話す、読む、書くという4つのスキルをどの程度自己評価しているかという情報です。
10番目の項目としては、学習の動機について詳しく入力します。学習動機は、単に楽しみとして学習している、あるいは具体的な目標があるなど、様々な背景が考えられます。
また、11番目に具体的な学習目標や達成期限も重要です。例えば、JLPTの合格を目指している場合、その合格を目指す試験の日程などが必要となります。
12番目の項目では、言語の環境やその他の学習者、学習グループとの関係性についての情報が必要です。学習環境やネットワークは、動機づけや学習の継続において非常に重要な要素となります。例えば、同じ目的で学習するグループとの連携は、学習の動機を高める要因となるでしょう。
さらに、他の学習者やグループとの関係性も重要です。これは特に動機づけに関連がありますが、同じ目的で勉強している人たちとのネットワークを保持している場合、動機を維持するための活動が少なくても済むかもしれません。動機を維持しやすくなるため、効果的です。
14番目のポイントとして、これまでどのような勉強法が効果的だったか、または自分が好きだったか、ということも重要です。なぜなら、効果的であると分かっている方法でも、自分には合わないものが多くあるからです。これが自身に効果的だった方法というわけです。
そして、15番目にはビリーフ、すなわち言語学習に関する自身の信念や考え方も大切です。これは特に教師との関係などに強く影響します。例えば、教師を常に尊敬すべき存在と見なし、その言葉を100%信じるのか、あるいは自分を中心に学習し、教師をサポーターやガイドのように見るのかといったことです。このような信念も非常に重要です。
16番目のポイントは学習時の緊張や不安の有無です。特に学習不安というものが強い人は、どれだけインプットしても、それが習得につながりにくいです(いわゆる情意フィルターの一つですね)。言い換えれば、言葉の習得が上手くいかないため、まず最初に不安を減少させる努力が必要です。
また、お金の問題もあります。これは少々不謹慎かもしれませんが、使用可能な資金はどのくらいか、ということも重要です。近年は無料の良質なアプリが多くありますが、資金があれば、生身の人間と一対一で長時間勉強することは非常に効果的です。お金を使って早期に習得したいのか、それとも無料のリソースを主に利用したいのかという経済的側面も考慮するべきです。
18番目の点として、もしJLPTなどの試験を受けていたら、その点数も持っていると、コンサルとして参考になると思います。
そして、19番目に、現在の母語や学習言語、目標言語以外に習得した経験がある言語や海外滞在経験なども、ChatGPTに伝えることで、より適切なアドバイスを受けることができると考えます。
今日は、19のポイントについて述べましたが、これらを知っている人と知らない人とでは、アドバイスの質が大きく変わることを理解していただければと思います。特にリスナーの皆さんの中には日本語教師の方も多いと思いますが、初対面の学習者が何か相談してきたとき、今日話した学習者に関する点を自分が把握しているかどうかで、アドバイスの質が大きく変わるでしょう。ChatGPTに関しても同様です。時々、提供した情報をリマインドする必要があるかもしれませんが、基本的には、これらの情報を伝えることで、より良いアドバイスや教材を受け取ることができると感じます。
そこで、リスナーの皆さんに質問です。今日の話を聞いて、ChatGPTを言語コンサルタントとして使用したいと考える方はハートマークを、まだ少しハードルが高いと感じる方は涙のマークを押してください。すでに何人かの方からハートマークをいただきました、ありがとうございます。
今日も「むらスペ」に参加していただき、心から感謝いたします。今日のテーマ「言語学習コンサルとしてのChatGPTに伝えるべき個人情報」に関する感想やコメントがあれば、#むらスペ のハッシュタグと共にシェアしてください。それでは、皆さん良い一日をお過ごしください。
そして冒険は続く。
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