2023年08月16日
『AI時代の冒険家メソッド 大規模言語モデルを活用した自律的な第二言語習得』出版のお知らせ
冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?
今日お話ししたいのは、「AI時代の冒険家メソッド」の出版のお知らせということです。本当はもっと早く話したかったのですが、いろいろ個人的な事情もあったりして、遅くなってしまいました。
Twitterなどではもう皆さんにご報告しているので、すでにお読みいただいた方もいらっしゃるようで大変ありがたく思っています。内容としては基本的に、今僕がここで話しているこの「むらスペ」の内容を文字化したものですが、「村上は忙しいのによくそんな時間があるな」と言われそうなので、ちょっと説明しておきます。
この本の内容は、基本的には、僕がここで話しているだけのものなんです。この本の前半の方は「ハッピースクライブ」というウェブサイトのAI文字起こしサービスを使って、一次文字起こしをしています。そうすると、句読点なども入り、僕のフィラー、例えば「あのー」や「えー」といった部分も全部削除され、結構きれいな感じの話し言葉のスクリプトとして出てくるんですね。ですが、やはりそのままでは本の形の書き言葉としては不適切な部分も結構あるため、ChatGPTを使って書き言葉に変えてもらいました。
後半の方は「リッスン」という新しいウェブサイトで、ポッドキャストを文字化して皆さんと共有するサービスを使いました。これにより、本の日本語としてふさわしい書き言葉に変えてもらいました。(ちなみに、ChatGPTに直してもらう前の今日の文字起こしはこちらでご覧になれます。https://listen.style/p/muracas/qk1nmcin )
そうしてできたのがこの本です。
電子版は7月25日に発売となり、印刷版の方は、Amazonの商品ページでは7月31日に出版されたことになっていますが、実際にはすぐに承認が受けられず、Amazonからの正式な承認が降りて発売できるようになったのは8月10日でした。
内容としては、基本的には、ここの「むらスペ」でいつも話していることなのですが、それを再構成しています。章立てとしては、第1章から第6章まであります。
第1章が「ChatGPTとは何か」ということで、一般論です。例えばChatGPTが格差を拡大するのか、なぜ語学教師が大規模言語モデルに無関心ではいられないのかなど、そういったことが書いてあります。
第2章には語学教師や学習者に限定しない、非常に一般的な使い方が書いてあります。
第3章と第4章がこの本のメインで、第3章は語学教師の皆さんに向けて、ChatGPTを活用した語学教育の手法というタイトルで書いています。
第4章のタイトルは、「大規模言語モデルを活用した第2言語の独学」になっています。これもちょっと第3章と被るところはいくつかあるんですが、かなり具体的なChatGPTを使った勉強の方法が書いてあります。
第5章はちょっと短いんですが、課題と展望ということが書いてあって、第6章は人工知能に関する読書案内として、僕がこの本を書く前にいろいろと読んだ本が約30冊近くあったと思いますが、そのぐらいの本の紹介をしています。
今振り返ってみると、この本の「#むらスペ」で話し始めてから、実際に出版されるまでの本当にたった数ヶ月という非常に短い期間でしたが、これは僕にとって本当にすごく長い時間でした。もう長い旅だったかなという感じがしますね。なので、この長い旅に付き合ってくださった皆さんに、改めて感謝したいと思っています。
やっぱり、このやる気に火をつけてくれたのが、Twitterなどでいつもお世話になっているらいけんさんですね。らいけんさんが非常に情熱的にブログなどで情報発信されていたので、刺激を受けました。らいけんさんの情報発信がなかったら、僕もこの冒険家メソッドの情報版として、この本を書こうという気持ちにはならなかったんじゃないかと思います。
さて、今日は録音の形で共有していますが、この本の原稿の元になった音声配信のほとんどはライブでやっていたんです。録音ではなく、ライブで聞いてくださった皆さんの反応が、僕にとってこの「むらスペ」を続けて、それが最終的にこの本になる長い旅の支えになってくれました。もちろん録音を聞いてくださって、それにいろいろ反応してくれた方もありがたいのですが、特にライブで聞いてくださった方には熱くお礼を申し上げたいと思います。
この本は、大規模言語モデルが語学教育の世界に入ってきたかなり初期の時代に書かれたものです。すぐに時代遅れになってしまうかもしれないとは思うのですが、例えばコードインタープリターやカスタム指示などがどんどん出てきて、その度に書き直さなければいけないところや、一つの節をまるまる削除しなければいけなかったようなこともありました。1年ぐらい経つと、ちょっと時代遅れになってしまうかもしれませんが、それでも大規模言語モデルを利用した第二言語習得の世界はまだまだ歴史が始まったばかりです。この歴史に皆さんが付き合ってくださること、そして皆さんがこの大規模言語モデルを使った第二言語習得の冒険の第一歩になってくれることを心から願っております。
そして冒険は続く。
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【参考資料】
この記事の音声版
https://listen.style/p/muracas/qk1nmcin
【電子版】AI時代の冒険家メソッド: 大規模言語モデルを活用した自律的な第二言語習得
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【印刷版】AI時代の冒険家メソッド: 大規模言語モデルを活用した自律的な第二言語習得
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