2023年06月14日
ChatGPTの回答を改善できるときと、できないとき
(これはChatGPT未経験者向けの内容です)
冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?
さて、今日、皆さんにお伝えしたいことは ChatGPT には、うまく使えばなんとかなる時と、どうしようもない時があるということです。なぜこの話題にしたかというと、中には「ChatGPTなんてポンコツで使えない」と言ってる人たちもいらっしゃるからです。
でも、実は、それはChatGPT自体の限界というわけじゃないこともあるんですよね。プロンプトをうまく工夫すれば、より良い答えを引き出せることがありますから。だから、「ちょっとプロンプトを変えるだけでもっといい回答が得られるのになぁ」と残念に思うことがしばしばあるんですね。僕自身がそういう場面を目にすることもけっこうあるんです。
でも、まず僕が最初に確認しておかなければならないことは、ChatGPTにはまだできないことも多いということです。人間みたいに雰囲気を察知する能力はないし、間違ったことを言うこともあります。
でも、それでもプロンプトを工夫することで問題が解決することもあります。(ちなみにプロンプトというのはChatGPTに対して指示を出したり、質問をしたりする文章のことです。そして、プロンプトの書き方を工夫することで、色々な問題を解決することができます。)
例えば、僕みたいな語学教師がよく引き合いに出すのは、ChatGPTと音声で会話するときの話です。インド人の日本語学習者が「日本語でロールプレイをしたい」と英語でプロンプトを書いたら、ChatGPTはおせっかいにも日本語の後に英語の翻訳を付けてくれることがあります。もちろん、これはテキストでチャットするときは問題ないと思うんです。特に自信がない初級レベルなら、全然OKだと思います。ChatGPTが日本語で何か書いて、その後に英語の翻訳をつけてくれたら、それはそれでありがたいと思うし。
しかし、一方で日本語の会話練習をする時に、わざわざ英訳を加えるのはかなり不自然ですよね。実際、僕たち日本人が会話した後に、その内容を自分で英語に直すなんて普通しないでしょう。だったら最初から英語で話す方がはるかに効率的なわけですから。
それから、逆に、英語訳が欲しい時にそれが提供されないこともあります。たとえば、新たな単語リストを作成する時とかですね。そんな時には、後から振り返りやすいように、勉強したい日本語の単語の後ろに英語やヒンディー語での訳を付けてもらいたいこともあるでしょう。しかし、そういった要望を具体的に伝えない限り、日本語だけのリストだけが返ってくる、なんてことも珍しくないのです。
そういう場合に必要なのは、自分の要求をきちんと明確に書くことですね。例えば、ChatGPTと音声の会話練習をするのであれば、「英語訳は不要です」と明言した方が良いでしょう。また、単語リストを作る時などには、必要に応じて「英語訳をつけてください」や「例文も一つつけてください」といった具体的な指示を出すといいと思います。
でも、その一方で、たとえ明示したとしても、それが必ずしも実行されるわけではないことも理解しておく必要があります。実際に、明記したのにそれが実現しないこともあるのです。その際には、再生成(Regenerate)ボタンというのを使うことができます。このボタンを何度でも押せば、ChatGPTにできる内容なら、プロンプトに書いた通りの結果が出てきます。
それと、試行錯誤することもまた重要な解決策です。そうすることで、これは自分の書き方の問題なのか、あるいはChatGPTの現状の限界からくる問題なのかが分かってくるからです。
さらに、他の人がうまく使いこなしているプロンプトを公開しているブログなどがあります。その情報をコピペして使うのも一つの方法ですね。
例えば、京都大学の柳瀬陽介さんもそのような情報を公開している人の一人です。「誰でも使っていい」というスタンスで情報を共有してくださっています。だから、そういった情報をみんなで活用するというのはとても有益だと思います。それを通じて、「こういう風に書けば動くのか」や「こんな風に書かないとダメなのか」など、色々と学んでいけるのではないでしょうか。
なので、このように書くことを学んだり、試したりして、最終的に自分が求める結果を出すための方法を見つけ出していくのが重要です。それが時にはプロンプトを明確に書くことであったり、再生成ボタンを使うことであったり、他の人のプロンプトを参考にすることであったりします。結局のところ、どの方法も試してみる価値があると僕は思います。
さて、今日の話は、結局のところ、チャットGPTの回答を改善できる時と、そうでない時があるということでした。
ユーザーがプロンプトを書く能力に問題がある場合は、僕たちがプロンプトを書き直して再度試すことで、ChatGPTの回答を良くすることが可能です。しかし、ChatGPTには、どうにもならない機能の限界も存在します。だから、どんなに頑張っても求めている結果が得られない時も、残念ながらあるわけです。そして、ChatGPTに慣れないうちは、望ましい結果が得られない場合に、自分のプロンプトが悪いのか、それともChatGPTの能力によるものなのかはわかりにくいようなのです。
そして、その違いを見分けるぐらいの技能は、語学教師である僕たちも、少し頑張って経験してみるべきだと、僕は思っています。前にも書きましたが、ChatGPTや Google Bard は大規模言語モデルという種類の「言語」の生成系人工知能で、僕たちの仕事に深く関わっているからです。
そして冒険は続く。
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【参考資料】
この記事の音声版
https://listen.style/p/muracas/neawdo7o
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