2007年07月25日

留学生の作文を社会的な財産にしよう!

中国の若者について、留学生が日本語で書いたブログエントリーがあります。
「ギンキの日記:20歳の頃インタビュー」
http://blog.livedoor.jp/enhee1017/archives/50402040.html

これを読んでビックリしてしまうのは、「それって日本のことじゃないの?」というぐらい、荒れた若者が似ている点です。例えばこんな感じ。
金さんは17歳のころから学校を辞めて20歳になっても仕事をしないで、友達と遊びばかりだった。家から出ると何日間家に帰らなくて、友達と酒を飲んだり、ゲームセンターに行ったり、カラオケに行ったり、喧嘩をして警察に行かれたこともあったので、家族に心配させた。そのときは頭の中には、一番重要なのが友達だった。家族は敵と同じものだった。友達とそうやって遊ぶのが楽しかった。家族が何を言っても頭に入らなかった。

そうなってしまった原因が、お金を稼ぐことばかり考えて育児を他人任せにする両親だったりことも、何だか日本の週刊誌なんかでよく見る内容ですよね。

中国に関する報道では、株価とか犯罪とか危険な食べ物とか、そういう「日本とは違う点」が強調されがちです。まあ、日本と同じことはニュースにならないんだから仕方がありませんが、ブログという個人的な視点から見えてくる中国の姿は、もっと身近ですよね。

そして、もう一つ留意しておきたいことは、これを書いたギンキさん本人も中国からの留学生であるということです。(私の学生です)

この内容を書けたのは、もしかしたらギンキさんが主人公の金さんと同国人だったからかもしれません。だとしたら、日本語で彼ら、彼女らがブログを書き続けるということは、自分たちのみならず、日本にとっても大きな意味のあることだと思います。

ギンキさんの記事によると、金さんはその後立ち直って、今では夢を持って日本で頑張っているそうです。そして、今年二十歳になるギンキさんはこの記事を以下のように締めくくっています。
人は環境によって変わる。私も日本で留学しながら、生活に対しての意識が変わった。人はさまざまな山を越えながら成長していくのだ。もうすぐ、私も20歳になる。今からいろいろな壁にぶつかるかもしれないが、私は夢を持って頑張りたいと思う。

文法的な間違いはいくつか見受けられますが、文章の構成も見事で、しょうじき名文だと思います。彼女が私の学生になってからはまだほんの数ヶ月ですから、彼女の日本語力の獲得に私はほとんど貢献していません。しかし、それでも、何というかこういうエントリーを書いてくれたことが誇りに思えるんですよね。ちょっとだけ涙が出そうになりました。

日本語教師をやっていてよかったなあ、と思うことの一つは、こうして彼らの内面的な部分に触れることができる点です。まあ、作文の授業になってしまうと採点なんかで忙しくて大変なんですけどね。

ただ、それを教師が一人で読んでおしまいというのは、あまりにももったいないと思います。どうせ書くのだったら、こうしてブログにしてもらえれば、多くの人に読んでもらえることになって、社会的な財産になると思うんですけどね。ブログの開設なんて、やってみれば簡単なんですから。

「ギンキの日記」
http://blog.livedoor.jp/enhee1017/
posted by 村上吉文 at 07:16 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
 先生が書いた文章読みました。実はゼミの最終レポートでインタビューしたものです。しかし、たくさんの人に呼んでもらいたいからブログに投稿しました。よろしくお願いします。
Posted by ギンキ at 2007年07月25日 12:24
ギンキさん、こんにちは。
レポートでもいいんですよ、ブログなんですから。
そう、読んでもらうことに意味があるんだと思います。そして、読んだ人の多くが「読んでよかった」と思ったのではないかと思います。

Posted by 管理人 at 2007年07月28日 07:47
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