2020年08月26日

子猫の動画を見るのは仕事の一部

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


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冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

さて、Kindleの日替わりセールで『Think Civility「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』 を399円ぐらいで買ってみたら、これは先日の

むらログ: ごきげんなお仕事 http://mongolia.seesaa.net/article/475914022.html

を実証している内容だったので、今日はこの本について書いてみたいと思います。上述の「ごきげんなお仕事」はリンクをクリックしてもらえばすぐにわかりますが、現代の責任ある立場の人の仕事として機嫌よく振る舞う必要があるということと、そうしているうちに内心は不機嫌でもだんだん機嫌が良くなってくるということを書きました。

今回の『Think Civility「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』は、特に前半で機嫌の悪い人がいかに会社などの組織にとって経済的なダメージを与えているかを数値で証明したものです。この本の著者自身の調査によると、無礼な人がいるとその組織には以下のようなネガティブな影響があるとのことです。
・48 パーセントの人が、仕事にかける労力を意図的に減らす。
・47 パーセントの人が、仕事にかける時間を意図的に減らす。
・38 パーセントの人が、仕事の質を意図的に下げる。


これ以外にもこの本には「これでもか」というほど、こうした無礼な人のネガティブな影響が客観的な数字で記述されています。意図的ではなくても認知能力が下がってしまったりもしますし、単に無礼な言葉を目にしただけで記憶力が87%も低下してしまうという研究結果なども紹介されています。そして Google などの先進的な企業はこうした問題の深刻さを認識し、問題を防ぐための様々なプログラムを実施しているとのことです。

さて、この本では読者向けに基本的な礼節を守るための具体的な方法を3つ紹介しています。
1.笑顔
2.相手の存在を認め、尊重する
3.人の話に耳を傾ける

そして、ワンランク上の礼節として、以下の五つの方法も紹介されています。
1.与える人になる
2.成果を共有する
3.褒め上手な人になる
4.フィードバック上手になる
5.意義を共有する

それぞれの詳しい内容は本書に譲るとして、ここでは基本的な礼節の1番目に出てくる「笑顔」についてだけ少しだけ紹介してみたいと思います。もちろん礼節の一つとして笑顔を絶やさないということが述べられているわけですが、そうするための方法のひとつとしてこの本では「インサイドアウト」という方法が紹介されています。

これは内心プレッシャーを感じているのに顔だけ無理に笑顔を作ろうという方法ではなく、楽しかったことなどを思い出して、そこから自然に笑顔が漏れるようにするといいということです。

それで思い出したのですが、実は僕も父が末期がんであることが分かってから、Twitter のこんなハッシュタグをブックマークしていました。ご覧の通り、寝ぼけた子猫とか、そういう他愛もない数秒の動画ばかりです。

#心が乱れた時に見るgif - Twitter Search / Twitter https://twitter.com/hashtag/%E5%BF%83%E3%81%8C%E4%B9%B1%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%99%82%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%82%8Bgif?f=tweets&vertical=default&src=hash

家族の死期が近いというのは、この本に出てくる無礼な人に接する状況とは違いますが、それでもストレスから業務に対して強くネガティブな影響が出やすいという意味では同じでしょう。実際に僕は、あれこれ考えてしまって仕事に手がつかないという時に、上記のくだらない Twitter の動画を見ると、問題自体は解決できなくても、少なくとも仕事に手をつけることはできるようになっていました。僕は父の死が数時間後に迫っている当日にも別室でオンライン授業をしていたのですが、キャンセルせずに笑顔で授業ができたのも、こうしたことがつながっていたのではないかと思います。

そしてそれは業務上他の人に笑顔で接しなければいけない時にも、間違いなく効果的なのではないかと思います。僕自身は上記の「#心が乱れた時に見るgif」を仕事中に見ていたりしたことは今まで誰にも話したことがなく、今ここで初めて皆さんに共有するのですが、その理由はやはり、それがサボりであると誤解されやすかったからです。というより僕自身がその時は「やってはいけないことをやっている」と思っていました。

しかし、ブラックな職場でパワハラ上司がいたり、大きなプレッシャーがかかっていて、仕事に手がつかないような時には、このようなことは特に禁止するべきではないと、この本を読んだ今は考えています。そしてもし仮に勤務先の指導助手ぐらいの人で、ストレスなどでどうしても笑顔になれない人がいて、それで業務に支障が出ていると感じたら、どうすべきでしょうか。僕自身はこのようなGif動画を使って、上記の「インサイドアウト」で笑顔になれるということを提案してみたりするかもしれません。

こうした考え方は今でも「サボりだ」と批判されるリスクはあるでしょう。しかし、この本で繰り返し述べられているように、ストレスは業務に甚大なダメージを与えます。少なくとも業務に支障が出ている場合は、まず第1に心を整える必要があるでしょう。サボりだと批判されることを恐れて心を整えることができないままにするよりも、gif動画を見るなり、運動するなり、瞑想するなりして、まずは仕事に手をつけられるようにすることが先決なのではないかと思います。

最後にこの本の気になる点です。前半の無礼な人たちの経済的なダメージについては非常に参考になりましたが、後半のその対策の部分はあまり独創的ではなかったように感じています。特に、無礼な人をいかに排除するかというようなことに多くのページを割いていて、現代の包摂的な考え方とはかなり距離があるように思いました。無礼な人というのは社会的な障害を抱えている場合も少なくありませんから、その人達と社会がどのように共存すべきなのかを、真剣に考えなければならない時代なのではないかと思います。(ということが今読んでいる『痴漢外来 ──性犯罪と闘う科学 』にも書いてあります)

そして冒険は続く。

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【参考資料】
むらログ: ごきげんなお仕事
http://mongolia.seesaa.net/article/475914022.html

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posted by 村上吉文 at 06:47 | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加