2020年08月07日

成功は“ランダム”にやってくる!

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


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冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

数日前にこの大変刺激的な本を日替わりセールで499円で購入しましたので、ご紹介したいと思います。

僕のブログを前からお読みの方は『仕事は楽しいかね』という本を覚えている方もいらっしゃるかもしれません。端的に言ってしまうと、『仕事は楽しいかね』では、「備えあれば憂いなし」の価値観から「下手な鉄砲数うちゃ当たる」の価値観への移行が必要であるということが繰り返し述べられています。現代社会は非常に複雑で変化が早いので、周到に調査して綿密な計画を立てている間に状況が変わってしまい、結局成功なんかできないというわけですね。このブログでは以下の記事で紹介していますので、まだ読んでいない方はぜひご覧ください。

むらログ: 【彼らは冒険者だったんだ】
http://mongolia.seesaa.net/article/449316472.html

今回の『成功は“ランダム”にやってくる!』でも、やはり同じように周到に準備して綿密な計画を立てていると成功できないということが書かれています。

位置: 260
現実の世界で物事が計画通りに成功する確率は、私たちが思うよりはるかに低く、予想外の瞬間が訪れて状況をひっくり返されるケースはいくらでもある。


こうした現実認識の上で、本書のテーマは以下のように述べられています。

本書は、非常にシンプルで衝撃的な、二つの考え方をテーマにしている。  一つは、成功は私たちが考えているよりはるかにランダムに起きるということ。もう一つは、個人や組織がランダムに起きる成功をつかみ、うまく利用するためにできる行動はいろいろあるということだ。


この部分だけ読むと『仕事は楽しいかね』とほぼ同じような本に見えるかもしれませんが、実は「下手な鉄砲数うちゃ当たる」よりもずっと体系的にその対策が書かれています。

あ、まず、その前に周到に準備して成功する分野とそうではない分野があるということも書かれています。例えばテニスのようにルールが決まっていて、それが今後も簡単には変わらないということが見込まれる場合は、小さい時から時間をかけて練習した人が勝つということが証明されているようです。

考えてみれば言葉も、言葉の意味や文法がそんなにすぐに変化するわけではないので、小さいうちから時間をかけてやることが成功につながるわけですね。

その一方で現在の世の中の大半は、以下のように認識されています。
位置: 1,230
今日の世界はすべてがあまりにも早く変化するため、ランダム性はただのバグではなく、人生やキャリアにおける重要な特徴になっている。


本書ではランダム性が変化をもたらす瞬間を「クリックモーメント」と呼んでいますが、このクリックモーメントを起こすにはいくつかの方法があると述べられています。

1.ボールから目をそらせ
2.交差的に考える
3.好奇心に従う
4.予測可能な道を避ける

最初の「ボールから目をそらせ」というのは、多分野球からのメタファーだと思うのですが、飛んでくる球以外の部分を見ている必要があるということです。クリックモーメント起こす変化は、ランダムに訪れるので、一見関係ないと思っているところにも何かのきっかけが転がっていることが多いからです。

2番目の「交差的に考える」というのは、複数の価値観が関わり合うところからクリックモーメントが起きるということです。例えば、女性があまり肌を露出しないで水遊びなどができる「ブルキニ」は西側世界にやってきたイスラム教徒の女性が、移住先のビキニを着ている女性達を見て考案したそうですが、この場合は肌を隠す文化と、女性が海岸などで遊ぶ文化の二つが織り込まれているわけですね。

実はこの「交差的に考える」という部分が一番詳しく書かれていて、上記のブルキニの例は「意図的に自分とは異なる分野文化産業を探索する」という方法ですが、それ以外に
・多様性のあるチームを作る
・接点の多い環境を作る
・他の部署の会議や会合に出席する
・意外なものを探す
という四つの方法も詳しく説明されています。

3番目の「好奇心に従う」というのはもう文字通りなので具体的な例の説明の必要はないと思いますが、著者はクリックモーメントを好奇心が生み出しやすい理由として「何か面白いことが起こっていると直感があなたに告げる時の手段が好奇心だから」と書いています。

「年をとるに従って好奇心に従うことが難しくなる」という研究結果も紹介されていますから、年功序列的な組織ではクリックモーメントを起こすのは難しいかもしれませんね。

4番目の「予測可能な道を避ける」というのが著者によると一番難しい方法だそうです。この本の中にも色々な例が紹介されていますが、僕自身が知っている例としては、教科書を使うことを辞めると勉強方法に関するアイデアがたくさん浮かんでくるという体験があります。また、ホームスクーリングをしている家庭にとっても、学校に通うと言う方法を避けるだけで、子どもの学びの方法はいくらでもあることに気がつくことがよくあります。

そしてこうしたクリックモーメントに出会った後に私たちがしなければいけないことは、「目的のある賭けをする」ことで、そのためには「複雑エネルギーを利用する方法」を知っておかなければいけません。というのも、クリックモーメントに気がついてもそのチャンスを生かせないで終わってしまう例も多いからです。

しかしこの二つについては、説明すると長くなってしまいますので、本書に譲りたいと思います。

最後にどんな人にこの本がおすすめかを書いておきたいと思います。

まず、最初に書いた「仕事は楽しいかね」に関するこのブログの記事を読んでみてください。それでわくわくしない人にはお勧めしません。たぶん価値観が最初から違いすぎていて、何が何だか分からないまま読み終わってしまうでしょう。(それでも、この本はお勧めしませんが、その前に「仕事は楽しいかね」を読んでみることはお勧めしたいと思います。)

それから「仕事は楽しいかね」は面白かったけどちょっと難しかったという人にも、もしかしたらあまり向いていないかもしれません。でも頑張って読んでみることはお勧めしたいと思います。「仕事は楽しいかね」は嵐の夜の空港での二人の対話なので非常に読みやすいですが、今回の本はもう少し教科書っぽい感じです。と言っても学術書ではありません。僕の「冒険家メソッド」が読める人なら十分に読了できると思います。

この本をおすすめしたい人は、「仕事は楽しいかね」の僕のブログ記事を読んでワクワクする人です。いつもマニュアルに従ってマニュアル通りに仕事をしていることについて違和感を感じる人です。

そして何より、「仕事は楽しいかね」を読んで「全くその通りだ!」と膝を打ちつつも、でもどうやってそれを始めればいいのかわからないという人です。実はこの『成功は“ランダム”にやってくる!』の中に「仕事は楽しいかね」が引用されている部分はひとつもないのですが、この本はまさに、そうした人のために書かれているように僕には思えます。

僕は Amazon のKindle日替わりセールでこの本を499円で買いましたが、上記の条件に該当する人でしたら間違いなく1,346円の定価で買ってもお釣りがくるぐらいの価値があるでしょう。

ちなみに英語版は定価でも950円ですので、英語の勉強もしたいし1346円も払いたくないという人にはお勧めです。

この本は僕にとってもすごく面白い本でした。普段はいろいろな本を並行して読んでいるんですが、この本は読み始めてから読み終わるまで他の本に目をやることが全くないまま読了してしまいました。こういう本が定価の半額以下で買えてしまうんですから、Kindleって罪深いですよね(^^)

そして冒険は続く。

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【参考資料】
『成功は“ランダム”にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方 Kindle版』
https://amzn.to/2Pvje0D

The Click Moment: Seizing Opportunity in an Unpredictable World (English Edition) Kindle版
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むらログ: 【彼らは冒険者だったんだ】
http://mongolia.seesaa.net/article/449316472.html
(類書「仕事は楽しいかね」について僕が紹介している記事です)

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2014年以降のこのブログの内容はKindle本にもまとめられています。2020年中にこちらの本をご購入になると、その収益は全額が「海外にルーツを持つ子どもと若者のための日本語教育・学習支援事業」を実施しているNPO法人YSCグローバル・スクールに寄贈されます。ココ出版の『冒険家メソッド』は初版の本体価格の5%が同センターに寄贈されます。
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posted by 村上吉文 at 07:13 | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加