2020年01月28日

感染爆発による学級閉鎖にそなえよう

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス




冒険家の皆さん、今日もアンブレラ社の病原菌でゾンビ化された住民に見つからないよう、抜き足差し足忍び足で歩いていますか。

さて、昨日、武漢のコロナウィルスの感染者と思われる事例がカナダでも見つかりました(参照)。これでパンデミックと言われる世界的な感染の爆発がカナダでも現実味を持って受け止められてきています。

現在のところ死亡率は3%と言う事ですから、皆さんの学習者の33人が羅漢してしまったら、統計的にそのうち1人は死んでしまうという計算になります。

これは武漢のケースではありませんが、一般的な新型コロナウィルスでは全世界で6500万人の死者が出るという試算もあります。
Simulation of coronavirus pandemic months ago predicted millions dead - Business Insider https://www.businessinsider.com/scientist-simulated-coronavirus-pandemic-deaths-2020-1

さて、こうしたリスクが高まってきている今、僕たち教師にできることは、うがいや手洗いを学習者が皆さんに勧めることでしょうか。僕はまったく違うと思います。僕たちがしなければいけないことは、クラスに集まるのはやめて、オンラインで授業が受けられるようにすることです。これは感染のリスクを減らし、学習者の命を守ることに直結します。

日本は物事を決めるときに、関係者の総意を大切にしますから、パンデミックのような世界的に例のない緊急事態に対応するには難しいでしょう。政府が文部省に指針を出して文部省が教育委員会に呼びかけ、教育委員会が各学校に指示を出す間に、必ず「そんなことをしたらただでさえ忙しい教員の負担がさらに増えてしまう」などのような反対意見が出てきて、総意を形成することができず、多くの犠牲者が出てしまうことを防げない可能性があります。

こうした事態を防ぐには、これまでの災害時と同じように、現場の僕たちが対応する必要があります。この場合は、うがいや手洗いの徹底ではなく、あらかじめ学校に通う以外の選択肢を作っておくことです。もし本当に世界的な感染爆発が起きた場合は、こうした選択肢があることは、確実に皆さんの学習者の命を救います。

もし今の時点で、グループチャットのような学習者同士で意思疎通のできるオンラインコミュニティーがクラス運営ツールとして用意されていない場合は、あらかじめ作っておいた方がいいです。僕自身も、エジプトで革命とクーデターを体験し、このようなオンラインコミュニティーのありがたみを痛感しました。一人ひとりの電話番号やメールアドレスなどを知っていても、緊急事態が進行する最中では、皆さんに連絡することは簡単にできません。オンラインのコミュニティーがあれば、学習者の誰か1人に連絡することさえできれば、その学習者がコミュニティーで共有してくれます。

もしオンライン上でのいじめや学習者同士の喧嘩など、何か面倒くさいことが予測される場合は、「緊急事態が起きるまでは使用しないでください」とするのも良いでしょう。あるいは、「緊急事態を除いて、学校からの一方的な通知に使います。皆さんは投稿しないでください」などとすることもできます。

それでもいいので、こうした準備は今の時点でやっておいた方がいいです。緊急事態ではこうしたツールの存在が文字通り生死を分けますし、何といっても一人一人電話するよりはずっと楽です。

学校の規則などでこうしたコミュニティーを前もって作ることができない場合は、何でもいいので公開できる場所に情報共有すると決めて、それをあらかじめ学習者に共有しておくだけでもその後の対応が楽になります。

これも本格的には、 Google サイトなどできちんとした Web サイトを作ることですが、緊急の場合はそこまでやる必要はないでしょう。いちばん簡単なのはGoogleドキュメントで「緊急事態にはここに情報をあげます」などとだけ書いて、ファイルの「メニュー」から「ウェブに公開」を選んで、次の画面で表示されるURLを共有することです。学習者のメールアドレスを知らない場合は、オンラインで共有することができませんから、プリントして今のうちに学習者に渡しておくといいでしょう。ただし、長い URL はプリントして渡すと、タイプミスが出てきて実用的ではないので、 URL を短くするサービスを使う必要があります。

具体的なやり方は以下の通りです。

1.Chrome(インターネットブラウザの一つ)のアドレスバーに「doc.new」と入力します。これで新しい Google ドキュメントのファイルを作ることができます。(インターネットエクスプローラーなどのブラウザでは動かないかもしれませんので、Chromeをおすすめします)

2.そこに例えば以下のように書きます。
「学級閉鎖になったらここで連絡します。毎日朝10時と午後4時に更新します。連絡がない時も特に連絡がないことだけは描きます。毎日必ず朝10時と夜午後4時に確認してください。」

3.このページを Web ページとして公開します。やり方はメニューの「ファイル」から「Web に公開」 を選んで、その次に表示される画面の URL をコピーします。

4.それを URL 短縮サービスの「bit.ly」のページに行って短くします。このページで先ほどの長い URL をペーストして、新しくできた短い URL をコピーします。

5.今度はこれをプリントするファイルを作ります。先ほどと同じように Chrome などのインターネットブラウザのアドレスバーに「doc.new」と入力して新しい Google ドキュメントのファイルを開きます。

6.そこに先ほどの短い URL をペーストします。これだけだと分からないかもしれないので「学級閉鎖になったらここでお知らせをします。毎日午前10時と午後4時にこのページを確認してください」などと書いておくと良いでしょう。

7.最低限やっておかなければいけないことはこれをプリントするだけですが、もしもうひと手間だけかける余裕があれば、ここに QR コードも入れておくとモバイルユーザーにとっては親切でしょう。僕がよく使う QR コード作成サービスは「goqr.me」というものです。短いですからとても簡単に覚えられますよね。このページを開いて、 先ほどの短い URL をペーストします。 ペーストしただけだと画像が作成されないので、この URL をペーストする入力欄以外のところをクリックしてみてください。そうすると「loading」という表示の後で、入力欄の右側にある QR コードが更新されます。これが必要な QR コードなので、QR コードの上を右クリックして画像をコピーします。

8.そして先ほど作っていた、プリント用の Google ドキュメントの短い URL の下にその画像を貼り付けます。右クリックで「貼り付け」を選びます。

9.最後にこれをプリントします。 Google ドキュメントの左上の方にプリンターのアイコンがありますから、それをクリックしてプリントしてください。もし Google ドキュメントからプリンターが表示されない場合は、 一旦 PDF や MS Word の形でダウンロードしてからプリントしてください。ダウンロードするにはメニューの「ファイル」から「ダウンロード」を選ぶだけです。

この手順は動画にとって以下で公開しています。
「学級閉鎖になる前にこれだけは、やっておきましょう。」
https://www.youtube.com/watch?v=RECSyZle2po

短縮 URL さえ使えば、QR コードを入れなくても十分に役には立つので、実際には6番から9番に飛んでしまっても全く問題ありません。実際にやってみれば、プリントができるまで5分もかからないでしょう。 この5分間の時間を割くだけで、もしかしたら皆さんの学習者の誰かの命が救われることになるかもしれません。もしもそんな事態にならなければ一番いいのですが、リスクが高くなってきたら是非5分だけでいいのでオンラインで連絡できる体制を作っていただければと思います。

【あとは学級閉鎖のあとでも大丈夫】
最初に申し上げた通り、本来でしたらこちらから一方的に情報を発信するだけではなく、双方向のコミュニケーションができる環境を整えておくべきなのですが、保守的な職場の場合はリスクが迫っていてもそのように動けない場合があるでしょう。そうした環境でも、とりあえずこのようなインターネット上の場所さえ決めておけば、学級閉鎖になった後でもそこからメーリングリストなり、グループチャットなりの情報を発信することができます。学習者の環境が分かっていないとそれを決めるのはなかなか難しいので、学習者の環境を調べるための Google フォームを作って、その URL をこの公開された Google ドキュメントのページで見てもらうところから始めてもいいかもしれません。

ただ、現在はまだ電話による緊急連絡網などが準備されているところもあると聞いていますが、これは伝言ゲームなので情報が正確に伝わりませんし、時間もかかります。また、 URL などの電子情報を音声で共有するのにも限界があります。

このようにオンライン上の情報伝達の手段さえあれば、実際に感染者が身の回りに出始めた時に、「学級閉鎖にするかどうか」と悩む必要を減らすことができます。そしてそこからズームなどの他のツールを使ってオンラインで教室活動をそのまま継続することができるようになります。

今日は時間がないのでここまでにしますが、次回はズームを使ったことがない先生方が授業の代わりにズームを使うために必要最低限なことは何かを書いてみたいと思います、

そして冒険は続く。

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【参考資料】
「新型コロナウイルスは人類史上最凶、致死率15%」は誤り。ネットで拡散、実際は…
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/unknown-cause-china-2

Simulation of coronavirus pandemic months ago predicted millions dead - Business Insider
https://www.businessinsider.com/scientist-simulated-coronavirus-pandemic-deaths-2020-1

むらログ: 日本語教師は「感染列島」を見るべし! (2009年2月2日)
http://mongolia.seesaa.net/article/113546198.html

むらログ: 新型インフルエンザと2000年問題 (2009年4月8日)http://mongolia.seesaa.net/article/118211576.html

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posted by 村上吉文 at 14:19 | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加