2019年11月18日

「教師研修はオンラインでの学び方一択で」は「ライブ配信せよ」と表裏一体

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス




冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

さて、2018年03月22日のこのブログの記事で、 教師研修はオンラインでの学び方だけにしないかという提案をしました。 僕のブログをいつも読んでいる方にはあまり誤解はないだろうと思うのですが、この記事だけ読むと、他の教師研修をしている方の意義を否定しているように見えるかもしれないので、補足しておきます。

まず、基本的に僕は、多くの教師研修は非常に価値のあるものだと思っています。しかし、価値のあるものだからこそ、それをライブ配信していただきたいといつも思っています。そして実際にこのブログでも何度もそのように書いてきました。その中のほんのいくつかだけを参考資料の欄にあげていますので、ご興味のある方はご覧ください。

もちろん、中にはライブ配信すると価値が下がってしまうような内容のものもあります。先日僕がバンクーバーで行った研修でも、仮想現実の教育効果を理解していただくために、実際に VR のヘッドマウントディスプレイをかぶっていただくことを最優先にしました。VR の没入感は、いくら言語化して説明しても本質的な部分を理解していただくには限界があるからです。

しかし、同じ研修のコンテンツの中でも、 VR の教育効果に関する研究の紹介などは、 かなり言語化して説明することができるので、オンラインでもお伝えすることができますし、音声ではなく文字で読んでいただくこともできます。ですので、実際の研修の現場ではこのように言語化してお伝えできることよりも、実際に VR ヘッドマウントディスプレイをかぶって没入感を体験していただくことを優先したわけです。

ただ、このように言語化して伝えにくい教師研修の内容は、実はほとんどないのではないかと思っています。ラポールの形成なども、リアルタイムで声が聞けて顔も見える場合は、オンラインとオフラインでほとんど差はないように僕は認識しています。もちろんスキンシップが必要な初等教育の現場や、あるいは恋人や家族同士のコミュニケーションには十分ではありませんが、実際の教師研修では参加者同士がハグしあったりすることはほとんどありませんよね。

そして教師研修の内容も、言語化して伝えることができるものがほとんどなのではないのかと思います。実際に僕も多くのオンライン研修を行っていますが、オンラインでどうしても伝えられないと思ったのは、「オンラインでの学びに参加したことがない人のためのオンラインでの学び方」と、「実際にヘッドマウントディスプレイをかぶってみないと体験できない没入感」の二つだけです。ゲスト講師を招くオンライン講演会もかなり幅広い内容を扱っていると思いますが、言語化してもオンラインで伝えられないような内容はこれまでありませんでした。

基本的に講師が参加者の前に立って話すタイプの教師研修は、そのすべてはオンライン化できると思っていいと思います。また、参加者が複数のグループに分かれて島を作るようなタイプの研修やワークショップも、物理的に一つの成果物を複数の参加者で作るようなもの以外は、Zoom の BreakOut Session などを使えば、全てオンライン化できると思います。 今ここで「物理的に一つの成果物を複数の参加者で作るようなもの以外は」と書きましたが、例えば大きな模造紙にみんなでアイデアを書き込むとか、それぞれの書いた付箋を大きな模造紙に貼り付けたりするタイプのワークショップも、Zoom のホワイトボードや、Padlet や Lino などを使えば全く同じことができます。利用するサービスにもよりますが、タッチパネルがあれば、手書きで書き込むことすらできます。

このようにオンラインでの学びの利点を強調すると、必ず「オンラインで学べない人に不公平ではないか」という批判を受けます。しかし、それがまさに「オフラインで行う教師研修の内容はオンラインでの学び方だけにしよう」と僕が申し上げる理由なのです。

さて、ちょっと話がそれてしまいましたが、これまでも今も、オフラインで行われている教師研修の中には非常に素晴らしいものがあると思います。その価値を否定するつもりは一点を除いてありません。 そしてその一点というのは何度も繰り返していますように、それがオフラインであるということです。 素晴らしい教師研修であればこそ、それにアクセスできない地域の人達にも解放してあげてほしいのです。内容がオリジナルなものであればあるほど、それを必要としている人は 世界中にいるでしょう。

そして冒険は続く。

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【参考資料】
むらログ: 教師研修はもう「オンラインでの学び方」だけにしません? (2018年03月22日)
http://mongolia.seesaa.net/article/458229209.html

むらログ: リアルタイム動画配信による学びの日 (2012年12月9日)
http://mongolia.seesaa.net/article/305993678.html

むらログ: 映像配信できる「技術の素人」とは (2013年10月15日)
http://mongolia.seesaa.net/article/377568669.html

むらログ: 無料で簡単にオンラインコースが開ける時代が来た! (2017年10月18日)
http://mongolia.seesaa.net/article/454266753.html

むらログ: ライブ中継されない理由とその危険性について (2018年5月30日)
http://mongolia.seesaa.net/article/459682524.html



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posted by 村上吉文 at 22:03 | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加