2019年11月11日

教育機関もKindleを利用することを検討してみませんか

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス




冒険家の皆さん、今日も七王国に仕えるメイスターになるために、知識の城「シタデル」へと旅していますか?

さて、先日カンボジアの佐久間司朗さんが「日本語教育機関で、学習環境を整えるために予算があったら何を買うべきか」という質問をツイッターで投稿されていて、僕が学習者が使うためのキンドルをおすすめしたところ、別の方からクレジットカードを登録しなくても使えるのかという質問をいただきました。前にも同じことを質問されたことがあるので、今日はこの件について触れておきたいと思います。

ただその前に、どうして日本語教育機関がKindleを購入するといいと僕が考えているのかを書いてみたいと思います。

【6台まで同時に使える】
まず、Kindleだと1冊の本を買うだけで、6台の端末で読むことができます。つまり6人が別々に読むことができるわけですね。これは実質的に紙の本の6分の1の値段で購入できるということになります。
単純に計算してみると、10,000円分の紙の本を6人分買うと、60,000円かかりますよね。しかし、1番安いKindleの端末は7980円ですから、6台買っても47,880円で、それぞれに10,000円分の本をダウンロードしても、合計57,880円にしかなりませんから、そちらのほうが安くなります。実質的にKindleの端末を無料で手に入れるのと同じことになるのです。図書購入費が30,000円とか40,000円しかない場合はお勧めしませんが、60,000円以上あれば、加速度的に図書購入費が安くなっていきます。
また、Kindle版は紙の本に比べて値段が1割程度安いことが多く、それだけでも購入費の抑制につながります。場合によってはそれ以上安いことも珍しくありませんし、その一方でKindle版の方が高い例は僕は1度も見たことがありません。

【辞書などの学習環境として優れている】
次に、Kindleは学習環境として非常に優れているという点を挙げておきたいと思います。
中でも秀逸なのは辞書です。知らない単語を1秒ほど押すだけで、辞書で引くことができます。このスピードは、紙の辞書はもちろん、電子辞書やスマホの辞書アプリなどに比べてもはるかに速いです。ただし、学習者の言語によっては、対応できない場合もあるかもしれません。
もう一つは単語帳の機能です。辞書をひいたら、その単語が自動的に単語帳に登録されます。みんなで端末を交換し合う場合は難しいかもしれませんが、学習者一人ひとりに特定の端末を提供できる場合は、自分だけの単語帳を作ることができますから、復習にとても役立つでしょう。

【無料のコンテンツがたくさんある】
アマゾンに限りませんが、著作権の切れた文学作品などがインターネット上で無料で読むことができます。青空文庫などが有名ですよね。そしてもちろんこれらの本はアマゾンでも収録されていて、Kindleで読むことができます。夏目漱石や、太宰治や、宮沢賢治など、どれも読み放題です。これらのコンテンツはもちろん初級ではまだ難しいですが、国際交流基金関西日本語センターなどが多読用の無料コンテンツをオンラインで公開していますから、これらもKindleで読めるようになるかもしれませんね。
初級のクラスしかない教育機関はちょっと違うかもしれませんが、中級以上もあるのなら、この膨大な無料コンテンツが読めるというメリットだけでも、Kindleを購入する理由として充分なのではないかと思います。

【輸送費がかからない】
日本国内の教育機関の場合は該当しませんが、海外では紙の本を購入したときに必ず膨大な輸送費がかかってしまいます。Kindleにすれば、もちろんこの金額は全くかかりません。

【保管場所が必要ない】
先ほど上でご紹介した1番安いKindle端末は、重さが162グラム、厚みは9.1ミリしかありません。それでいて4 GBの本をダウンロードすることができるのです。4 GBが何冊になるのかというと、それは文字が中心の場合と、漫画のように画像がたくさん使われている場合で全く違うのですが、小説の場合は、以下のウェブサイトでの計算では1冊あたり、945 KBだったそうです。https://dokusyomiti.com/ebook-storage/
まぁ大体1 MBよりも少し少ないぐらいですね。という事は、1番安いKindle端末でも、小説なら4000冊をダウンロードすることができるという計算になります。もしKindle端末を6台購入している場合は、合計24,000冊の本がダウンロードできることになりますね。これだけの紙の本を収容するには、専用の図書室が必要になります。しかし、162グラムのKindle端末が6台あるだけでしたら、職員室の引き出しの中にしまっておくだけでも充分でしょう。

【クレジットカードは必要か】
さて、前置きが長くなってしまいましたが、Kindleはクレジットカードがなくても使うことができるかという問題です。

結論から言うとクレジットカードがなくても十分に使うことができます。その場合どのように有料のコンテンツを購入すればいいかというと、僕の場合は Amazon のギフト券をお勧めしたいと思います。

Amazon のギフト券はAmazon のアカウントさえあれば使用することができます。そしてもちろんクレジットカードの登録をしなくてもこのギフト券を使えば有料のコンテンツも購入することができます。

やり方としては、教師なり会計担当者なりが、学習者用のKindleで使うアカウントとは別のアカウントで、クレジットカードなどを利用してギフト券を購入します。ギフト券の金額は1円単位まで設定できるので、購入する教材と同じ金額にして、購入した後には学習者用のKindleで使うアカウントにはお金が残っていないようにしておくと良いでしょう。

ギフト券にはいろいろなタイプのものがありますが、海外の日本語教育現場で扱うにはEメールで送れるタイプのものが便利なのではないかと思います。Eメールで送る相手のメールアドレスは特にそのギフト券を使うアマゾンのアカウントと紐付けられている必要はありませんから、自分のメールアドレスでも構わないでしょう。

Eメールでギフト券を送ることができたら、今度は学習者が使うKindle用のアカウントにログインします。そして先ほど送ったEメールのギフト券を開き、「アカウントに登録する」というリンクを開きます。アマゾンにログインしていない場合はここでログインする必要があります。このリンクを開くと、次にこのギフト券がアマゾン上で表示されるのですが、その中に「アカウントに適用」というリンクがあります。このリンクを開くと、それで学習者が使う端末用のアカウントにお金が入ります。その状態で放っておくと、そのお金が他の目的で使われてしまう可能性があるので、すぐに目的の教材を購入すると良いでしょう。

Kindleには電子書籍化されていない本を読むことができないというデメリットはありますが、もちろんそういう本は紙で読めばいいと思います。Kindleを使ったら紙の本を読んではいけないということは全くないのですから、それはKindleを購入しない理由にはなりません。

その一方で、著作権が切れたコンテンツなどを始めとして、Kindleがなければ無料で読めないようなコンテンツも大量にあるのです。そして、上にも書いたように有料のコンテンツでも端末を複数買えばずっと安く購入できるようになりますし、辞書や単語帳などのような学習環境としても紙の本を遥かに上回っています。おそらくほとんどの教育機関で、学習者が使うためのKindle端末を購入した前例は無いのではないかと思っていますが、そろそろ検討してもいい頃ではないでしょうか。

そして冒険は続く。

【ブログ更新情報のメールでのお知らせ】
「むらログ」更新情報のメール通知を希望される方は、こちらでご入力ください。
https://forms.gle/4pjSC8DmmW8BEbUv8

【参考資料】
アマゾンギフト券 Eメールタイプ
https://amzn.to/2NWUXzw



米国初の紙の本がない大学図書館ができて3年、その盛況さ(記事紹介) | (2013年の記事です)
http://current.ndl.go.jp/node/23168

ついに、紙の本を1冊も置いていない図書館がオープン : ギズモード・ジャパン
http://www.gizmodo.jp/2013/01/1_117.html

【Kindle】同時使用出来るのは6台まで 使っていない端末の解除方法まとめ | Tipstour https://tipstour.net/other/9301

同じKindle本を複数の端末で読むための方法 ≫ Epubor-Sony、Kobo、Kindle電子書籍のDRM解除とフォーマット変換 https://jp.epubor.com/guide/%E5%90%8C%E3%81%98kindle%E6%9C%AC%E3%82%92%E8%A4%87%E6%95%B0%E3%81%AE%E7%AB%AF%E6%9C%AB%E3%81%A7%E8%AA%AD%E3%82%80%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95/

一番安いKindleを買って満足できる?電子書籍を気軽に楽しむなら最良の選択肢。
https://www.sin-space.com/entry/2016/08/16/131605

むらログ: ソニーの電子書籍リーダーを買ってみた。(2013年5月5日) http://mongolia.seesaa.net/article/359009803.html

むらログ: みなさんもKindleで出版してみませんか?(2015年1月13日) http://mongolia.seesaa.net/article/412250862.html

むらログ: 語学学習ツールとしてのAmazonキンドル (2015年4月11日)http://mongolia.seesaa.net/article/417149438.html

むらログ: せめて専門書だけは電子書籍で買いませんか?(2018年5月21日) http://mongolia.seesaa.net/article/459505076.html


【コメントはソーシャル・メディア上の記事別ページヘどうぞ!】
https://twitter.com/Midogonpapa/status/1193586285736185856
https://www.facebook.com/murakami.yoshifumi/posts/10219950864503980
https://note.mu/adventurer/n/n63f007e0c573
https://www.linkedin.com/feed/update/urn:li:activity:6599352341051375616/
https://b.hatena.ne.jp/entry/mongolia.seesaa.net/article/471453238.html
https://murakamiyoshifumi.tumblr.com/post/188953023478/


【『冒険家メソッド』と電子書籍「むらログ」シリーズを購入して海外にルーツを持つ子どもたちを支援しよう!】
2014年以降のこのブログの内容はKindle本にもまとめられています。2019年中にこちらの本をご購入になると、その収益は全額が「海外にルーツを持つ子どもと若者のための日本語教育・学習支援事業」を実施しているNPO法人YSCグローバル・スクールに寄贈されます。ココ出版の『冒険家メソッド』は初版の本体価格の5%が同センターに寄贈されます。
https://amzn.to/2RiNThw
posted by 村上吉文 at 02:25 | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加