2019年05月20日

病人のための言語習得方法、CBLL

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


冒険家の皆さん、今日もヴァリリア鋼で鋳造した剣でラニスター家の追手と戦っていますか?

さて、前回のブログを投稿してからもう2週間以上経ってしまいました。4月は16回も投稿したのに、5月の前半は1度も投稿できず、ご心配くださった方もいらしたようです。大変ありがとうございます。実は出張等があって忙しかったのと、出張から帰ってきてちょっと体調を崩してしまって、ブログの投稿ができていませんでした。

しかしその間にも非常に多くの学びがありました。1つは、前回のブログの続きでもあるのですが、CBLL(Content-Based Language Learning)についてです。前回はテレビドラマなどのコンテンツを使って第二言語を習得する際に、そのコンテンツにはまってしまうと、どれだけ忙しくてもそのための時間を捻出してしまうので、健康を損なう可能性があると言うことをちらっと申し上げました。

でも実はこれって全く逆も言えるんですよね。先週のように体調を崩している時でも、コンテンツにはまっていると、第二言語の勉強ができるのです。僕の場合も、熱が38度ぐらいあって頭痛もあったのですが、何もしないで寝てようとすると、却って頭の痛みに意識が集中してしまって辛いんですよね。それで、勉強のためというよりは気を紛らわせるためにゲームオブスローンズの続きを見ていたんですが、前にも書いた通りこれは非常に受動的な勉強方法なので、熱があって体がだるくてもいくらでもできてしまうのです。頭が痛くても、その世界にはまっている間には頭痛以外のことを考えることができるので、病気も苦になりません。こんな学習方法って他にあるでしょうか? 少しでも積極性が必要とされる学習方法の場合は、頭が痛い時や体がだるい時などにはなかなかできないものですよね。

そしてもう一つ気がついたことは、いつのまにかこのドラマで使われる英語についての苦手意識がなくなっていたことです。前回のブログにも書きましたが、このドラマは中世のヨーロッパが舞台になっていて、英語自体も現代の標準語とはだいぶ違います。おそらく感覚的には日本の時代劇で使われている日本語と同じようなものなのでしょう。それで僕のようにソーシャルメディアなどを中心にして英語を勉強してきた人間にとっては、 あまり聞きなれない表現が多くて、そのたびにクエスチョンマークが頭の中で点灯して、ストーリーから一時的に意識が離れてしまっていたりしたのですが、 気が付いてみると今ではそんな引っかかりは全くなく、普通に「こいつは殺されてしまうんだろうか」などとドラマを楽しんでいる僕がいます。古めかしい英語を聞いているという意識はもう全くありません。

これにはおそらくいくつかの理由があって、登場人物の性格などがもうよく分かっているので、文脈などから類推できる部分がシーズン1の頃に比べてはるかに多くなったということなどもあるとは思うのですが、やはり僕が普段の職場では使わない「My lord」「Your grace」「Protector of the Realm」「The Unburnt」「Grand Maester」「Master of coins」 などと言った英語表現が、邪魔にならない程度にインテークができたからという理由もあるのではないかと思います。つまり端的にいうと、僕の英語習得がそれだけ進んだということでもあります。今、シーズン5の最初のエピソードを見たところなので、多分40時間ほどをこのドラマの視聴に費やしたと思いますが、その程度でもそれなりに実感できるぐらいの効果があるわけですね。

実を言うと僕の英語の一番の問題はプレゼンのヘタさなので、その部分に関してははっきり言ってこの40時間はほとんど効果がないと思うのですが、やはりプレゼンの練習などは熱を出して頭が痛い時なんかには絶対にできませんよね。 しかしこのようにだらだらとコンテンツを消費するだけなら、体調の悪い時にでもできるのです。というより前に書いたように頭が痛い時にはだらだらとコンテンツを消費する方がはるかに楽だったりするのです。そしてそれが自分の母語で作られたゴシップ番組だったりしたら本当に時間の無駄だと思いますが、自分が習得したいと思っている言語でのコンテンツなら、体調の悪い時の時間の過ごし方としては非常に良いのではないかと思っています。 たぶん古い勉強観を持っていて、勉強というのは辛いものだとか、勉強というのは机に座ってやらなければいけないものだとか、そういうことを信じている人には最初は受け入れられないとは思いますが、第二言語習得の研究では理解できる大量のインプットが必要だと言われています。そしてそれは机に向かって座って辛い思いをしなければ実現できないわけではないということも僕自身の実践において留意していきたいと思っています。

今になって気が付いたんですが、これって令和になってはじめての「むらログ」の記事ですね。

そして冒険は続く。

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【参考資料】
むらログ: 忙しい人の英語学習にはテレビドラマでCBLLがおすすめ
http://mongolia.seesaa.net/article/465446446.html

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タグ:CBLL CBI
posted by 村上吉文 at 01:21 | 英語学習 | このエントリーをはてなブックマークに追加