2018年10月29日

日本語教師チャットで気づいた国内と海外の日本語教師の役割の違い

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


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冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

さて、カナダの時間では昨日の朝、第14回日本語教師チャットを行いました。皆さんの投稿を見て非常に勉強になったのと同時に、海外と国内で日本語教師の役割の違いが改めて浮き彫りになってきたので今日はその件について書きたいと思います。

今回の「学生へのカウンセリング」というトピックは、ツイッターでも書いていますとおり、友@日本語教師さんからご提案をいただきました。いつもの通りそれを含んだ四択に皆さんに投票してもらい、今回は他の候補を破って「学生へのカウンセリング」が第14回目の日本語教師チャットのトピックとして選ばれました。

でも実は、僕自身はあまり今回のトピックに関してはピンとくるものはなかったんですよね。ずいぶん前にごく簡単な入門書のようなものを読んだことはありましたが、教育心理学の分野としてはカウンセリング関係よりも、動機付けに関するもののほうがずっと面白く、僕の現場にも関係があると思っていました。

というのも、やはり日本語学習者の2/3ほどを締める海外の学習者にとっては、教室の中の 教員以外にも頼るべき人はたくさんいて、わざわざ公的なところにそんな悩みを持ち込んだりすることがあまりないからです。むしろ日本から海外に来ている日本語教師の方が現地ではマイノリティでネットワークなどもないことから、教室内で買い物の仕方から話題にして教えてもらうようなこともあります。そして実際にコミュニカティブアプローチなどの考え方では、そうした意味のある情報の伝達が教育的価値があるわけですから、むしろ積極的に自分の困っていることを教室で学習者に共有してその解決方法などを教えてもらうというストラテジーを意図的に取る先生方も多くいらっしゃることでしょう。

一方で、日本国内の日本語学習者、特に法務省告示の日本語学校で勉強している留学生たちは基本的に単身で日本にやってきて日本語学校以外にあまりネットワークを持っていないことがほとんどです。そのため、お金や人間関係などに関する悩みを先生に相談することも少なくないでしょう。つまり国内の日本語教師にとって、今回の「学生へのカウンセリング」というのは、まさに避けて通れない大きなトビックだったのではないかと思います。

海外の日本語教師は、基本的に日本語や日本の常識が通じない地域なので、自分の生活に関する大変さはあるかもしれませんが、仕事ではむしろ学習者の生活にはあまり関与せずあくまでも自分の専門性に特化した関わりを持つと言えるかもしれませんね。その一方で、日本国内の日本語教師はもともと社会に受け入れられている存在ではあるものの、その是非はともかく学習者の生活全体に関わる「お母さん」のような役割が求められているのかもしれませんね。

さて、今回は僕自身もそれほど詳しくない分野がトピックになったのですが、 チャットにも参加されていたMIKIさんが、他の参加者の皆さんによって紹介されていたおすすめのカウンセリングに関するリソースをまとめてくださっています。参考資料の部分をご参照ください。

こちらが日本語教師チャットのログになります。ハッシュタグのある投稿は検索した限りすべて収録していますが、ときどきなぜか検索結果に出てこないものもあったりするので、取りこぼしがあったら教えてください。 また、記載されたくない方もお早めにお知らせくださいませ。

来月のトピックに関してはすでに一つご提案いただいていますが、 Twitter の投票機能では4択までできるのであと三つは受け付けることができます。お気軽にコメントや DM でご提案ください。

そして冒険は続く。

【参考資料】

第14回 #日本語教師チャット「学生へのカウンセリング」 - Togetter
https://togetter.com/li/1282257

日本語教師のみんながおすすめ!カウンセリング本 | MIKI sensei のにほんごサプリ
http://nihongosapuri.com/workwithjapanese/recomendbook


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posted by 村上吉文 at 07:40 | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加