2018年06月16日

ネット中毒で集中できないなら

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


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冒険家の皆さん、今日もラマダン明けのお祝いに葡萄酒を持ってきてしまって焦っていますか?

さて、ソーシャルメディアを学びに使うためのセミナーなどを開いているとよく聞かれる質問というか心配なんですが、「ソーシャルメディア中毒になってしまって、時間をかけ過ぎてしまう」とか、あるいは「勉強中や仕事中についソーシャルメディアのアプリやサイトを開いてしまって、やるべきことに集中できなくなるのではないか」という声があります。

これについては主に二つの対応方法があると思います。

一つは瞑想などによって集中力をつけることです。長期的にはこれが最も根本的な解決になると思います。しかし、それが難しいからこそ問題なのであって、目の前の問題を解決するにはあまり効果的ではありません。というか、僕自身もできていません(^^)

もう一つは、強制的にそうしたサイトへのアクセスを遮断してしまうことです。 これは意志の力を必要としませんが、その代わりにアプリなどをインストールする必要があります。

「strict workflow」
僕は主にパソコンからChromeブラウザを使ってネットにアクセスしているので、そうした環境では Chrome の拡張機能を入れるのが効果的です。特定のネットを遮断するための拡張機能はいくつかあって、僕は最近まで「strict workflow」というのを使っていました。

これはポモドーロ・テクニックという時間管理の方法をベースにした拡張機能です。基本的に25分間仕事に集中して、5分間休憩をとります。この拡張機能をオンにすると、ブラックリストに登録してあるウェブサイトに25分間アクセスできなくなります。ちなみにブラックリストというのはその25分間の間にアクセスが禁止されるウェブサイトのリストのことです。

例えば仕事用のメールにこうしたウェブサイトへのリンクがあってそれを開けてしまったりすると、その25分の間だったら本来その Web サイトで表示されているはずの内容ではなく、代わりにトマトのイラストが表示されるのです。ポモドーロ・テクニックのポモドーロというのはイタリア語でトマトという意味らしいので、そこから来ているのでしょう。

25分経つと特に音などは鳴らないのですが、この拡張機能のアイコンが赤いトマトから緑色のトマトに変わります。緑色のトマトをクリックすると、それから5分間はブラックリストに載っている Web サイトにもアクセスできるようになります。5分経つと非常ベルのようなアラームが鳴って、「仕事に戻ろう」というようなポップアップも表示されます。しかし、この時に strict workflow をオンにするかどうかはユーザーの判断次第です。つまり自動的にオンになってまた25分間ソーシャルメディアなどにアクセスできなくなるというわけではありません。

2017年のこのブログの年初の挨拶で、「strict workflow を常にオンにしておく」という項目がありますので、おそらく2016年中に始めたのだと思いますが、最近ちょっとこのインターフェイスに違和感を感じるようになってきました。

「Forest: stay focused, be present」
そこで、「Forest: stay focused, be present」という名前の Chrome 拡張機能を入れてみました。これも仕事に集中するためのツールで、 Facebook や Twitter などを登録しておくと、25分間、これらのサイトにアクセスできなくなるというものです。要するに strict workflowと結局同じなんですが、改善されているところがいくつかあります。

一つはその25分の間で一本の木が育つというインターフェースです。 strict workflowの方は、トマトのイラストが表示されるだけですし、5分間の休憩時間が終わった後の非常ベルのようなアラームなど、いかにも「我慢をしている」というか名前の通り strict(厳格)な印象があったのですが、こちらは25分の間にだんだん芽が生えてそれが大きくなって木になるというインターフェースなので、何か生産的なことをしているような錯覚に陥ることができるのです。 Facebook や Twitter や YouTube などのサイトにアクセスできないことは、それがすなわち生産的なわけではなく、その間に何か生産的なことをしなければ意味がないのですが、少なくともイラストの中では木が育つので、なんとなく生産的な感じがするのは事実です。また、25分間を無事に集中して過ごすことができたら、「おめでとうございます! あなたは健康な木を一本育てあげました。」というメッセージが表示されます。ちょっとした達成感ですよね(^^)

もう一つの改善点は、 Facebook や Twitter に限らず何か気が散ってしまう原因になりそうなウェブサイトに行ってそこでこの拡張機能のアイコンを右クリックすると、そのウェブサイトをブラックリストに追加することができるのです。 Strict workflow にももちろん自分でブラックリストを増やす操作はできるのですが、設定画面を開かなければいけなかったので、こちらの方がずっと簡単にできます。

ブラックリストにアクセスできない時間も10分から120分までの幅で選択することができますし、モバイルのアプリを使えば、木の種類も色々選べるそうです。 このアプリは iPhone 用のものは有料ですが、カナダドルで2.79なので、日本円でも300円程度でしょうし、本当にネット中毒になりかけている人にとってはそれほど高い投資ではないのではないでしょうか。

また、時間が経つと何の操作もしないで、ブラックリストのウェブサイトにアクセスできるようになることも違いの一つです。 strict workflow の場合はアイコンをクリックしてブロックを解除するという手続きが必要でした。これって必要ありませんよね。

これはいいことなのか悪いことなのかよくわからないのですが、「ギブアップ」というボタンがあります。このボタンを押すと、25分経つ前にブラックリストのウェブサイトにアクセスできるようになります。ただしその時に「諦めるとこの子が死んでしまいますよ。それでも本当にいいんですか?」と聞かれて、それでも先に進むと枯れた木のイラストが表示されます。これがなかなか悲しいので、そこから先に進みたくないという人もいるでしょう。ただ僕は仕事でソーシャルメディアなども使うので、急いでいるときにはこの機能があるのはありがたいです。 strict workflow の方はこうした方法がないので、 25分が過ぎるまではブラックリストに登録された Web サイトにアクセスするのは難しいです。(と言っても incognito MODE などを使えばアクセスできるのですが)

strict workflow に比べて一つデメリットのように思えることは、休憩時間のはずの5分が終わった時に何のメッセージも表示されないことです。もちろん自分で Google アシスタントや iPhone の Siri に「5分計って」と音声で指示をすれば5分後にアラームを鳴らすことはできますので、それほど大きな問題ではありませんが、自動的にやってくれた方がどちらかといえばありがたいですよね。

いずれにせよ、このようなツールはたくさんあるので、僕のように気が散りやすい人間は、雰囲気に合うものを探して頼りにすると良いのではないでしょうか。こういうものを使わないで、「インターネットは気が散ってしまうから使わない」とか言ってしまうのは、学びの貴重な機会を失ってしまっていると思います。

また、皆さんのクラスの学生さんが同じような問題で悩んでいる時は、こうした解決方法を提示できるというのも教師の能力の一つとして大切なのではないかと思います。

そして冒険は続く。

【参考資料】
25分実行+5分休憩で集中力キープ! 「ポモドーロ・テクニック」とは
http://work-switch.persol-pt.co.jp/pomodoro_tecnique/

Forest - Stay focused, be present
https://www.forestapp.cc/en/
(モバイル用のアプリ)

Chrome拡張機能 Forest: stay focused, be present
https://chrome.google.com/webstore/detail/forest-stay-focused-be-pr/kjacjjdnoddnpbbcjilcajfhhbdhkpgk

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posted by 村上吉文 at 23:47 | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加