2018年05月21日

せめて専門書だけは電子書籍で買いませんか?

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


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冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

今日はカルガリーでの仕事が予定通りに終わって空港に行ったらまだ待ち時間に余裕があったので、搭乗口でこの記事を書いています。(と言ってもいつもの通り音声入力で喋っているだけですが)

さて、今日はせめて専門書だけは電子書籍で買いませんか?ということを提案したいのですが、これは日本語教育ウェビナーと結局は同じ話で、僕のように海外にばかりいる人間にとって、勉強会や本屋さんに気軽に行けないというのはとても大きな問題なのです。

勉強会については、「日本語教育ウェビナーを共有しましょう」と言う提案をすでにしました。できれば皆さんの所でも研究会やセミナーなどをどんどんライブ中継してくれると僕にとっても大変ありがたいです。それは僕だけではなく日本語教育の業界全体のレベルを底上げするのにも間違いなく役に立つと思います。なぜなら、お金や時間の問題で研究会や勉強会に参加できない人がとても大勢いるからです。それがライブ中継という無料でできる技術を使うことによって、皆さんがそうした知識にアクセスできるようになります。つまりこれはアクセサビリティの話でもあるわけですね。「やさしい日本語」の運動も基本的にはこれと同じだと思います。

それと同じことが、電子書籍にも言えるんですよね。すごく貴重な本が出版されても、海外では本屋さんで日本語の本は売ってませんし、取り寄せることになると莫大な時間とお金がかかってしまいます。また、僕のように引っ越しの多い人生を歩んでいると、数年ごとにかかる転居時の運送料が無視できないため、どうしても重い紙の本は気軽に購入することができません。買ったとしても、引っ越しの時に手放すことを前提に買うことになってしまいます。

この点を解決してくれるのが電子書籍です。電子書籍なら、例えばアマゾンでその本の商品紹介ページを見ていれば、たった1クリックで購入することができます。また、値段も紙の本より1割から2割ぐらい安いので、お財布にも優しいです。重さがない電子書籍なので引っ越し代の心配もありませんし、旅行中にどの本を持っていこうかと悩む必要もありません。もちろん、「旅行中に手持ちの本を読み終わってしまったらどうしよう」などと心配してしまう必要もありません。

時々、電子書籍を読むためには専用端末が必要だと誤解している人がいらっしゃいますが、実はスマートフォンやタブレットやパソコンでもアプリを入れさえすれば読むことができます。(古いタイプのパソコンでは読めない場合もあります)

このように電子書籍の出版をもっと増やしてほしいと僕は思っているのですが、ただ、「ライブ中継を増やしてほしい」と皆さんにお願いするのとは必要なアプローチがちょっと違うような気がします。

日本語教育関係の勉強会や研究会なら、その主催者に「ライブ中継してください」とお願いすれば、最近は無料でできることもありますし、特に問題なく了承してくれるでしょう。

しかし、電子書籍の場合は学会等ではなく企業にお願いすることになりますので、もし利益にならないことだったらお願いするには限度があります。既に原稿があったとしても、それを電子書籍版に移植するには、外注すれば十万円ぐらいかかってしまうこともあります。そのコストに見合うだけの売り上げがなければ、企業であればなかなか電子書籍化するのは難しいことでしょう。

つまり、この状況を変えるには電子書籍も売れるという実績を作らなければいけないわけです。そして、そのためには僕のブログの読者である皆さんに対して、「電子書籍を買ってください」とお願いするしかないのです。

とは言っても、一般書は別に電子書籍で買って欲しいとお願いするつもりはありません。なぜなら、一般書はもうすでにほとんどの本が電子書籍化されていますし、現時点でも電子化されていないとしたら、それは作者の意図など、マーケットの規模以外の原因であるからではないかと思います。

また、専門書といっても日本語教育と関係なさそうな出版社の本でしたら別に僕の方からお願いするつもりはありません。

しかし日本語教育の関係の本を出している出版社の本で、紙の本と電子書籍の両方があったら、そこのところは何とか電子書籍の方を選んでいただきたいのです。

このブログで僕は電子書籍のメリットを何度も書いてきましたが、それらのメリットに加えて、そこには「社会的な意義もある」ということも考えて欲しいのです。つまり、これは皆さんの個人的な損得の問題だけではなく、社会的な問題を解決するための1つの手段でもあるのです。

そんなバカなと思う方も日本には大勢いらっしゃると思いますが、実は海外では電子書籍がずっと普及しています。

例えば、アマゾンにおける紙の本と電子書籍の市場占有率は、もう7年も前の2011年に逆転してしまっています。(あくまでもアマゾン内での比較で、出版市場全体の話ではありませんが)

電子書籍の各国の動向(2011)
https://www.insatsu-plaza.net/pdf_files/201202_01.pdf

実際にハンガリーやカナダでは、電車やバスの中で紙の本を読んでいる人より、電子書籍の専用端末で読書している人のほうが多いように思います。今度、通勤のときに数えてみますね。少なくとも、日本に一時帰国しているときには、公共交通機関の中でKindleなどの専用端末を見かけることはほとんどないことに驚いた記憶があります。

もちろん、日本には人口あたりの書店の数がアメリカなどに比べてずっと多いなどの理由がありますから、電子書籍で読まない人のことを特に「遅れている」などと批判するつもりはありません。僕が言いたいのは、日本で想像するよりも、電子書籍を購入することは社会貢献になるということです。その理由は電子書籍での出版が増えると、海外でそれを読める人が増えるからで、その人数は日本で想像するよりもずっと多いということを皆さんに知ってほしいのです。

と書いているうちにそろそろ搭乗時間になりました。実は今日のカルガリーでのイベントも非常に面白かったのでまた日を改めてご報告したいのですが、今日はここまでで失礼します。

そして冒険は続く。

【参考資料】
電子書籍の各国の動向(2011)
https://www.insatsu-plaza.net/pdf_files/201202_01.pdf

むらログ: ハッシュタグ #日本語教育ウェビナー のご提案
http://mongolia.seesaa.net/article/459343721.html


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posted by 村上吉文 at 14:14 | 電子書籍 | このエントリーをはてなブックマークに追加