2018年05月13日

ハッシュタグ #日本語教育ウェビナー のご提案

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


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冒険家の皆さん、今日も魔導書をGoogle翻訳で読んでいますか?

さて、数日前にこんな投稿を見かけました。


プロフィールを見ると、この方は高知県にお住まいのようです。 確かに東京まで出かけて行って勉強会などに参加するのは費用も時間も体力も必要ですよね。それで思い出したのがもう随分前ですが、日本語教師の方による以下の投稿です。



実は僕が初めて日本語を教えた学校は、国際交流基金の日本語国際センターから歩いて行けるところにある与野学院日本語学校というところでした。当時は日本語国際センターの中に凡人社(日本語教育専門の書店)の支店があって、 色々な教科書を見ることができました。ですので、その後モンゴルに協力隊員として派遣された時は、あまりの情報の少なさに愕然としたものです。モンゴルの初等中等教育機関で日本語を教える協力隊員は僕一人しかいませんでしたし、コンピューターというものを見たこともなかった時代(正確にはモンゴルにいる時に初めてコンピューターというものを見ました)だったので、当然インターネットというものが存在していることも知りませんでした。

モンゴルに行く前、日本の国内で教えていたのは「就学生」と呼ばれていて、いわゆる出稼ぎ目的の福建省出身の方たちでした。しかし、それと年少者教育はもう全く違う世界なので、知りたいことは山ほどありました。 一方で、マレーシアなど日本語隊員が多く派遣されている国では、頻繁に勉強会などが行われていることが漏れ聞こえてきて、とても羨ましく思ったものです。ですので、前述した勉強する機会のない人たちの嘆きとか、憤りというものは僕にはよく分かります。

最近は多くの場所で wi-fi にアクセスできるようになっていますから、研修会などの会場からYouTube ライブなどで配信することには全くコストがかかりません。無料でできるのに、こうした勉強会でライブ中継をしないというのは、 そこに行けない人達にとっては、わざわざドアを閉めて鍵をかけたり、ガラスの窓にカーテンをかけて中を覗けないようにするのと同じようなイメージで見られてしまうのです。主催者にとってそういう意図はなくても、締め出されている人たちにとっては先ほどの投稿のように「田舎者は引っ込んでろ」という強烈なメッセージになってしまうのも無理はありません。実際に僕自身もまさにそのように感じていました。

しかしその一方で、そういった勉強会を主催する人が特にそのような地方在住者を排除する意図を持っているわけではないことも、今の僕には分かります。そうした勉強会の主催者は基本的に人が集まれるところにしかいないので、 地方在住者の痛みを自分の痛みとして体験した経験がないのです。ここに深い断絶があります。そこに悪意が存在しないだけ、むしろ問題の根は深い。

ただ、もし価値のある勉強会を主催するのなら、もちろんライブで中継するべきですよね。 例えば僕が主催者として一週間ほど前に関わったオンラインの勉強会では30名ほどの方が申し込んでくださいましたし、その後にアップロードした録画の再生回数は現時点で184回になっています。

「日本語教育と演劇」JFT日本語教師オンラインセミナー - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=2xB-MtsguWQ

また、海外日本語教育学会の過去1年間に行った研究例会の録画の平均再生回数は、 229.5回です。 (2018年5月9日現在)

海外日本語教育学会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCakeZZGhvUkfcd8goiaugvA

普通の学会や研究会などでこれだけ多くの人が集まれる大講堂で開かれることは稀ですし、その場合は会場費などで莫大なコストがかかってしまうことでしょう。主催者側だけではなく参加する人にとってももちろん交通費などのコストはかかります。繰り返しになりますが地方在住者にとってはそれは何万円もの出費になってしまいます。

ただ、前にも書いたように、 東京に住んでいる人にはこうしたニーズは実感しにくいでしょうし、すぐには大きな変化が期待できるとは僕も思っていません。(「変化しなくてもいい」という意味ではありません)

「イノベーションのジレンマ」などでも指摘されていたように、本当に革新的なイノベーションというのは、マジョリティーの側からでは起こりにくいのです。 しかし、ウクライナ人の同僚から聞いた話では、もうすでに海外のウクライナ語教育の最も大きな学会などは完全にオンライン化しているそうです。その理由は、世界的な大会に参加するための旅費の工面などが参加者にとって負担であるからだとか。

おそらく日本語教育の世界でも、こうした研修や勉強会の中継はなかなか同じ場所に集まれない辺境の人たちから動き始めるでしょう。なぜなら、そこにこそ、切実なニーズがあるからです。

その場合、一つ問題なのは辺境同士でこうした勉強会のライブ中継などの情報がうまく共有できるかどうかです。 例えば毎月こうした勉強会などをライブで発信していても、 それを必要としている人にその情報が届かなければ、あまり意味はありません。辺境の組織はそれぞれ独立して運営されているし、中央の組織のようにお互いに緊密な連絡があるわけでもありません。

そこで提案なのですが、何かハッシュタグを決めて皆さんの近くで発信している日本語教育の勉強会や研究会などをネットで共有してみませんか。

「#日本語教育オンラインセミナー」などでもいいのですが、僕からは「#日本語教育ウェビナー」を提案したいと思います。なぜなら Twitter などの文字制限のあるメディアでは、一文字でも短い方がいいからです。「ウェビナー」というのはまだあまり耳に馴染んでいない言葉かもしれませんが、 Web 上のセミナーという意味の合成語です。 基本的にオンラインセミナーと同じ意味だと思っています。もちろん特定の会場で開かれるセミナーをライブで中継する時にもこのタグを使っていいこととしましょう。

僕の方でももうすでにいくつかこのハッシュタグ付きで Twitter に投稿しています。他の地域でも色々な日本語教育ウェビナーが共有されているので、皆さんも気がついたら是非このハッシュタグを付けて投稿してみてくれませんか。公開されているものなら、もちろん主催者以外の方が投稿してくださっても結構です。こうしたハッシュタグをつければ、皆さんの情報発信はそれを必要としている人に必ず届きます。そして、そうした情報の積み重ねは日本語教育の世界を確実に良い方に進めてくれるでしょう。

そして冒険は続く。

【参考資料】
「都会の人らは電車賃数百円で住むところを地方にいると数万円かかるのは当然ながら1番のハンディである。私はある時期から断腸の思いで「都会の研究会に出る費用と時間と体力より地元で本を読むのを優先する」のにシフトした。」
https://twitter.com/desean97/status/993600534656434177

むらログ: 無料で簡単にオンラインコースが開ける時代が来た!
http://mongolia.seesaa.net/article/454266753.html

むらログ: 教師研修はもう「オンラインでの学び方」だけにしません?
http://mongolia.seesaa.net/article/458229209.html

むらログ: 崎谷実穂『ネットの高校、はじめました。 新設校「N高」の教育革命』
http://mongolia.seesaa.net/article/455004651.html

Twitter「#日本語教育ウェビナー」
https://twitter.com/search?f=tweets&q=%23%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E6%95%99%E8%82%B2%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%93%E3%83%8A%E3%83%BC&src=typd

Googleハングアウトでウェビナーを行う方法 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=tY-KNZswNpc

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posted by 村上吉文 at 04:15 | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加