2007年06月24日

日本語教師から国会議員への転身

選挙が近づいてきましたので、選挙ネタです。

私の知っているところ日本語教育に関して一番熱心に活動している国会議員は丸谷佳織さんで、wikipediaの経歴を見てみるとポーランドで日本語教師をなさっていたんですね。だんなさんは「ペガサスの朝」で有名なシンガーソングライターの五十嵐浩晃だということです。

まあ、誰と結婚しようと構わないのですが、日本語教育に関しては、先週も衆議院の沖縄及び北方問題に関する特別委員会で質問に立っています。予算が減っているようだが、大丈夫なのか、ということのようですね。
次世代を担っていく、次の世代の日ロ関係を築いていく青年の交流を図っていくという重要性は言うまでもございませんけれども、今まで招聘・派遣事業ですとか、日本語教師派遣支援事業、若手研究者フェローシップ事業等が行われて、それぞれ実績が出ておりますけれども、最近、予算も含めてこれが先細りしているような見方もできます。
これに対して、外務省側が先日のサミットでも安倍さんとプーチンさんが盛り上げようと合意したとか答弁しています。

それからこちらは衆議院の外務委員会(平成18年11月01日)。介護士をフィリピンから迎える場合の日本語教育に関してです。日本に来てから日本語学習を始めて間に合うのか、来る前にある程度は身につけておいた方がいいのではないかという、しごく当然の指摘ですね。これはちょっと長いのですが、関連するところを引用しておきます。
○中村政府参考人 
先ほど先生からお話がございましたように、日本語を勉強していただかなければならないという、いわば一つの越えなければならない課題があるという一方、フィリピンから来られる方につきましては、一定の質の方が来られるということで、正直申し上げまして、私ども、合格率について見通しすることはなかなか困難でございますが、我が国の平均の合格率は先ほど申し上げたとおりでございます。
 私どもとしては、とにかく初めて実施することでございますから、日本語研修とか、その後の実務研修、そういったところにおける日本語教育、そういったことについてしっかり見守っていく必要があると考えております。

○丸谷委員 
初めて行うことなのでやってみなければわからないということだと、これは本当に、物ではないので、人が日本に来て、そして働いて、またいずれ帰っていただくということになるのかもしれないんですけれども、それこそ先週質問させていただいた、知日派イコール親日派ではないという話もあったんですが、働きに来ていただいた看護師の方、介護福祉士の方に親日派になって帰っていただかないと困るというのがあるんですよね。
(中略)
日本の場合は、やはり日本語を話してもらわないと看護、介護はなかなか実現できないという状況ですので、まず、現在では、希望する方、ある程度送り出しのところから選考するんでしょうけれども、日本に来ていただいて六カ月間研修を受けていただくという形になっております。ここの受けた時点で、既に語学のセンスがないというと大変失礼になるのかもしれないんですけれども、日本に来て初めて、六カ月、日本語研修を受けて、さあ就労、研修をしてもらいましょうという一つもっと前の段階があっていいのではないかと思います。
 というのは、フィリピンにいて日本語研修という形で、どうしても日本語というものが読めない、書けない、どうも好きになれないという人もいるかもしれません。その時点で、じゃ、日本に来ることをやめようという決断をすることもできると思いますので、EPAを結んで人の移動を可能にした以上、もっとフィリピンにおける日本語教育というものに関心を高めていくべきではないか、充実をさせていくべきではないかというふうに考えますが、この点についてはいかがでしょうか。

○岩屋副大臣 
 先ほど先生、ポーランドで日本語を教えておられたというお話がございましたが、やはり語学というのは、その国に行って初めてその国の言葉の感性というものがしっかり把握、理解できるのではないかなと思っております。
 初めてのことでございますので、しっかり日本語能力を獲得していただかないと、まず試験に通らない。その後、国民の皆さんの生命、健康にかかわる大事な仕事をしていただくわけですから、今回は、その能力をしっかり担保しなければいけないという観点から、財団法人海外技術者研修協会、AOTSというところで研修をするように、それがいいということを判断したわけでございます。
 このAOTSというのは、東京、神奈川、大阪、愛知に研修センターを持っておりまして、平成十六年度の研修実績は六千六百二十一人、平成十七年度は七千五十六人、そういう実績を持ったところでございますので、ここでしっかり研修していただくのが適当ではないかというふうに考えているわけでございます。
このあたりは、「六ヶ月」ではなくて「学習時間は○○○時間で、これは日本語能力試験の○級に相当するから、○○ぐらいはできる」ぐらいのことは言ってほしい感じはしますが、まあ、専門家ではないので仕方ありませんね。
○丸谷委員
 いや、幾ら充実した施設とはいえ、六カ月の日本語研修の中で、日本の国家試験、漢字を読んで、片仮名も入って、平仮名も入って、これはなかなか簡単な話ではないだろうというふうに私は思いますので、国家試験を通って働いていただくのであれば、この日本語研修というもの自体はもっと深く考えていただかなければいけないというふうに、あえて再度御要望を申し上げたいと思います。


国際交流基金の事業量を縮小していることと業界の縦割り行政にも、川口外務大臣(当時)に意義をとなえています。これもちょっと長いですが、重要な部分だと思いますので引用しておきますね。
○丸谷委員
 続きまして、それでは国際交流基金について質問をさせていただきます。
 国際交流基金の目的は、国際文化交流事業を総合的かつ効率的に実施し、我が国への理解を深めるという大変大きな目標でございますけれども、効率化を図るために、外交政策上必要性の高いものに事業を限定して事業量を縮小するというふうになっています。
 私は、この点、非常に疑問を感じております。というのは、国際文化交流の非常に大きな目的を、外交政策上必要なものに限定をして予算を縮減することで達成できるのかどうかという点について、考え直さなければいけないのではないかと思います。
 今までも続けてこられたように、例えば外交戦略上必ずしも主戦場ではない地域であるものの、日本の多額ではない予算の中で国際交流をしていくことでの外交上に与える副産物というか、よい結果というのはあったというふうに私は認識をしておりまして、それを、ただ外交政策上必要性の高いもの、低いものと限定をしてしまって予算を圧縮するというのは目的にかなうのかどうか、この点について疑問なものですから、今後、文化交流をどのように進めていかれるのか伺うとともに、国際文化交流という、数字での評価がなかなか難しい分野についてどのような評価の基軸をお持ちになっていられるのか、この二点についてお伺いをします。

○川口国務大臣 文化交流は、私は、経済協力と並んで、日本が外交政策を実施していく上で非常に重要なツールだと考えております。
 世界にいろいろな問題がある中で、やはり、より長いスパンで物事を考えるときに、文化交流が大変に重要であるという認識を各国とも持ってきているわけでございます。人間と人間の間の相互理解が深まるということが、特に若い人たちがそういう理解を持つことは、国と国の関係を長期的によくしていくということに非常に効果があると思います。
 それで、文化交流の効果というのは、直ちに短い期間で効果が目に見えるかというと、そこはなかなか難しい問題だと思います。それから、政府、国際交流基金以外のさまざまな組織がまた文化交流をやっているわけでございまして、そういったところにも伸び伸びと活動をしてもらわなければいけないということだと思います。
 そういう意味で、外交政策上必要性の高いものに限定しということでございますけれども、それの内容は、委員もおっしゃるように、より長い将来を見たときに外交政策上非常に重要になってくるような、先ほど委員がおっしゃったような、今直ちに非常に重要な地域でないとしても、それが重要になっていくというような部分も、外交政策上は必要であるということに含まれるというふうに思っていまして、例えば文明間の対話、これはイスラム圏と一緒にやっていますけれども、こういったことも、直ちに効果が出るということではないけれども、非常に重要な問題だと思います。
 こういったことも含めまして、特に、外交政策上の広い意味でのニーズということを反映することが必要でして、この観点で、国際交流基金も引き続き、効率的に資金を使って文化交流をやっていくということが大事だと考えております。

○丸谷委員
 もう一つ、先ほど副大臣からもお話がございましたけれども、日本語の普及について。
 私も以前、日本語教師をポーランドでしていたことがあるわけなんですけれども、今、JICAの青年海外協力隊員にしても、あるいは国際交流基金から派遣される方にしても、日本語を海外で教えたいという若い方あるいはシニアの方、非常に多くなってきております。
 日本の戦略としまして、英語を使えるようになろうということも必要ですけれども、初等教育から日本語を教えることによって、より海外の方に日本語を話してもらうという戦略も、一つ非常に有効な手段として持っていなければいけないと私は思いますので、この日本語の普及ということに関しては、非常にニーズも多いですし、力を入れていくべきだというふうに思いますが、やはりどうもここに縦割りの障害を感じてしまうことがあります。
 というのは、海外で日本語を教える場合には外務省の所管なんですけれども、その先生が日本に帰ってきて、では、外国語として日本語を外国人の方に教えようとすると、いきなり文科省の所管になられて、海外の青年協力隊でやってきた方が帰ってきて仕事を探すときに、どうしても、外務省の所管ではないものですから、うまく人材の活用が回っていかないという現状があります。
 この日本語の普及について、JICAもそうですが、国際交流基金も同様の事業を行っているわけです。エージェンシー化になった目的の一つに、より省庁の壁を超えるという利点もあると思うので、より弾力的な事業内容にしていただきたいというふうに思いますけれども、この日本語の普及についての事業のあり方をどのように考えていらっしゃるのか、お伺いします。

○茂木副大臣
 丸谷議員が御指摘のとおり、日本語を話せる人、そして、それを通じて日本の文化であったりとかいろいろなことを世界の国々の皆さんに御理解いただく、それは、これから我が国の外交にとっても、国益にとっても大変重要だと思っております。
 そういった意味で、さまざまな機関が海外等におきます日本語の普及のための事業等々を行っておりますが、御指摘のように、例えばこの国際交流基金が行う事業と、そしてまた文化庁であったりとか文部科学省の事業、錯綜している部分はあるのではないかな、そういうこともこの際きちっと見直して考えていきたい、こんなふうに思っておりますし、私個人的にも、この問題には大変問題認識というのは持っておりまして、また委員の方からも御指導いただいて、必要な見直しというのは進めていきたいと思っております。

○丸谷委員
 どうもありがとうございます。
 エージェンシー化したことによって弾力的な運営をとることができるというか、省庁の縦割りを超えることができるというのは、本当に、文化面あるいは人材を活用していくことにおいては非常に有効に働いてくると思いますので、どうか、今御答弁いただいたような形で常に見直しを加えながら、よりよい独立法人にしていただくようにお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。


その他、こちらでは、日本の漁船を取り締まる第三国の監視船の乗組員に日本語を教えるべきではないかという指摘もあります。これは一年ほど前の衆議院外務委員会(平成18年05月26日)ですね。
○丸谷委員 石川部長に今お答えいただきました。
 そうしますと、こういった言語ですとか文化の違いによる不必要なコミュニケーション不足、摩擦を防ぐためには検査官の側に努力義務が課せられるというふうな御答弁だったと思います。ということは、例えば、細かいことを詰めて大変恐縮でございますけれども、我が国の漁船に対する検査官の側からすれば、当然日本語の習得というものも視野に入っているという状況なんでしょうか、それとも、そういったことに関してはこれから詰めていっていただけるんでしょうか。


日記のページではこんな風にかなり率直な書き方もしていますね。
 まったく、わけがわかりません。年金記録統合漏れの5千万件について、早い対策をとるほうが国民にとっては大事なはずで、議員立法として急いで提出しただけなのに、一部野党の方はなぜあんな風に鬼の首をとったように叫んでいるのかしら?
 菅さんが大臣の時に対策を取れなかったことを棚に上げて、あの態度って言うのもいかがなものかと思いますわ。

公明党でしかも比例区なのがちょっと個人的には困るのですが、日本語教育を重視する政治家はわれわれ有権者も注目していきたいですね。北海道ブロックの方はご参考までに。
あと、公明党の谷合正明さんも参議院「政府開発援助等に関する特別委員会」(平成18年11月27日)ブルガリアの日本語教育について質問しています。同じく公民党は高野博師さんが参議院「政府開発援助等に関する特別委員会」で平成19年05月16日ってことはこれも先週ですが、ベトナムの日本語教育について質しています。

他に、野党では社民党の日森文尋さんが衆議院「厚生労働委員会」(平成19年04月20日)で日系ブラジル人などに対して「職業訓練プログラムとか教育訓練給付金とか、そういう中に日本語学習を組み込んでいくとかいうことを検討すべきではないのか」という提案を行っています。似たような提案は同じ社民党の福島みずほ党首も参議院「厚生労働委員会」(平成19年05月31日)で行っていました。これもちょっと面白いのでついでに引用しておきます。
○政府参考人(岡崎淳一君) これは日本人の場合も同様でございますが、最近は、社会保険と労働保険の適用につきまして、ハローワークと社会保険事務所は連携しながら仕事をしております。したがいまして、外国人の方につきましても日本人の場合と同様に、ハローワークでの把握した情報の中で未加入等の疑いがあるという場合には、社会保険事務所と協力しながら企業等に加入、適用を指導すると、こういう形でやっていきたいと、こういうふうに考えております。

○福島みずほ君 外国人の人は、日本語はしゃべれても書くことが苦手とか、様々なハンディがあります。どうやって雇用の応援をしていくのか、ハローワークや職業訓練において、例えば言語の指導をする、日本語の教育指導をする、多言語で対応するという理解でよろしいのでしょうか。職業訓練に日本語教育も入るという理解でよろしいでしょうか。

○政府参考人(岡崎淳一君) ハローワークにおきましても、外国人専門に支援する外国人雇用センターも二つばかり置いておりますし、それ以外に外国人の方を支援するためのコーナー、そこには、その地域のそれぞれの状況に応じまして必要な言語の通訳等も置いているというようなことでありまして、私どもとしましては、それぞれのハローワークにおきまして必要な語学等の問題も含めましてきめ細かに対応していきたいと、こういうふうに考えております。
 それから、職業訓練等につきましても、必要な範囲で日本語の点を含めまして対応していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。


しかし、こうしてみると、自民党も民主党も、日本語教育にはあんまり熱心ではないのかもしれませんね。与党も野党も第一党がこれでは、ちょっと心配です。今度はマニフェストでも見てみたいと思います。

なお、ここで引用した内容は国立国会図書館のサイトで全部検索できます。スゴイ時代になったもんですね。

国立国会図書館の検索エンジン。
http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_logout.cgi?SESSION=144
posted by 村上吉文 at 12:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
こんにちはー。興味深く拝見しました。
なかなか自分のことで手一杯で,こういった情報に触れる機会を得ないできたものですから,大変参考になりました。ポップカルチャー普及っておもしろいですね。私がマレーシアにいたときも,学生の日本語学習への入り口はまさにそこだったように思います。それから,静岡で教員養成講座を持たせてもらった際,まさにフィリピンからの看護・介護師受け入れのためにと,現場の看護師さんが講座にいらしていたのを思い出しました。そのときに,前向きな姿勢に感心するとともに,これは個人が対応すべきことなんだろうかと少し疑問に感じたのを覚えています。また寄らせてください。
Posted by かおりん at 2007年06月24日 13:06
かおりんさん、いらっしゃい。

こういう政治的な情報って、前は霞ヶ関まで行かないと分からなかったりしましたが、今では家にいながら分かるんですよねー。

「事件は会議室で起こってるんじゃない!」っていういう台詞がありましたけど、今では会議室の会話が現場から見えるのが、本当にスゴイと思ってしまうわけです。

ぜひ、また来てください。
Posted by 管理人 at 2007年06月25日 07:48
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック