2007年06月20日

趣味のアニメ、趣味の日本語

私は教室で映画を使って日本語を教えることがあるんですが、これに関して国際基督教大学の山口先生が「「ご趣味は?」「アニメを少々」っていうのはアリだろうか」というエントリーでこんな提言をなさっています。

日本のアニメファンの間では、声優の人気がかなり高い。声優の養成学校みたいなものもたくさんあるようだし、その種の訓練を受けた人はかなりいるはずだ。学校にまでは行かなくても、アニメの絵に声をあてるという行為に楽しみなりあこがれなりを感じる人はけっこういるのではないかと思う。ならば、それを娯楽にできないものか。要するに、カラオケのアニメ版だ。音声マイナスワンでセリフがスーパーインポーズされたアニメ映像を見ながら声をあてる。カラオケが趣味になるなら、アテレコも趣味になっていいのではないか。
http://www.h-yamaguchi.net/2007/06/post_baa8.html
要するに声優のまねをカラオケのように楽しむわけですが、これが市場に出たらスゴイですよね。何がスゴイって、もちろん日本語教材としてですよ。

実は、辺境の日本語教育の現場では、就職や進学などの直接的なメリットのないところで日本語が学ばれています。以前のモンゴルもそうでしたし、サウジアラビアでもそうでした。このブログで以前にご紹介した福島青史さんの「孤立環境における日本語教育の社会文脈化の試み」にも以下のような一節があります。
海外の日本語教育現場では「趣味の日本語学習」こそが日本語学習の大きな原動力であり、この分野のより積極的な評価と開発は、海外の他の地域を含め、より多くの裨益者がいると考える。特にコミュニケーションを保障しない「孤立環境」において、本やビデオがあれば成り立つこの分野での学習活動の開発は必要性が高い。

ここでも「本」の他に「ビデオ」が挙げられていて、映画やアニメから日本語学習に入る状況が想像できます。「本」の方は読解中心の、まあ、どちらかというと受け身な授業になってしまいがちですが、山口先生がお書きになっている「カラオケのアニメ版」ができれば、それこそカラオケのように能動的な教室活動が、ほとんど準備もなしにできるようになりますね。

というより、私自身も自分の授業の中で、まさにそういう活動を入れています。「映画を使った日本語教育」というエントリーで簡単に触れた「シナリオプレイ」というのがそれです。これは実際に、娯楽としても需要はあると思いますよ。もちろん学生の性格にもよりますが、大喜びで思い入れたっぷりにやる学生も少なくありません。

ということで、どなたか製品化してください。

そういえば「狗神 特別版」という渡部篤郎と天海祐希の映画のDVD版には、そういうオマケがついていましたが、あれって他の映画にもあるんでしょうか。

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posted by 村上吉文 at 05:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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