2017年06月28日

キーボード敵視をやめさせるための一提案

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス




冒険家の皆さん、今日も魔女に教えてもらった呪文を忘れないように羊皮紙の手帳にメモしてますか?

さて、「ネガティブイケメン」として数年前にブレイクした栗原類さんの著書『発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由』を読んでみました。何だか僕と重なるところがすごく多くて、「俺ってもしかして発達障害?」とか思って試験を受けてしまいましたがそれはさておき、この本に、以下のような一節が出てきます。
授業中やテストで手書きにこだわる文化が、発達障害児には大きな壁になっています。手書きが下手なら、キーボードのタイピングが速くなればいい。「字は下手だけどタイピングはすごく速いね」と褒められればいいのです。だけど日本の学校では手書きじゃないと許されない。そこが改善されると僕と同じような障害のある子どもにはよいのにと思います。

発達障害の中に入るのかどうか分かりませんが、ディスレクシアといって読み書きだけに困難を感じる日本語学習者も多く存在しますし、実際に僕も担当したことがあります。それがちょうど3年前の今日で、今朝ほど、Facebookが3年前の投稿を見せてくれました。

また、僕は日本語教師になりたての頃、板書しようとすると手に無駄に力が入ってしまう書痙に近い(もしくはそのもの)状況だったこともあります。

文部科学省の調査では、発達障害と断定はできないものの、特別支援学級などに行っていないない児童の中の6.5%が「学習面又は行動面で著しい困難を示す」と判断されています。日本語学校の定員は20名であるところが多いようですが、統計上、20名の中に1人以上は発達障害の学習者が含まれている可能性があるのです。つまり、僕たちにとって縁のないことではまったくないのです。

すでに生産性の面では手書きのほうが優れていると思う人は皆無だと思いますが、そうした視点ではなくて、一般的な考え方や感じ方とは少し違う感覚を持つ栗原類さんのような人たちを社会が包容するためにも、学校や会社なども「メモをとるときは手書きで心を込める」とかいうような旧石器時代のような考え方は改めるべきではないでしょうか。

それでは、実際に僕たちの社会は授業や会議中にキーボードやタブレットやスマホなどでメモを取ることをどのぐらい受容しているのでしょうか。先日ツイッターでアンケートをとてみたところ、残念ながら「授業中も会議中もキーボード可」は半分に達せず、授業中か会議中、もしくはその両方でキーボードは不可になっているようです。



https://twitter.com/Midogonpapa/status/878735347990921216

(アンケートにご回答くださった皆さま、ありがとうございました!)

そういう「キーボードでメモするなんてけしからん」とかいうような認識は、発達障害とかディスレクシアのことを考えれば今すぐ改めてもらいたいところですが、まだそういうことを知らないボスがいるところもあるでしょうから、妥協策を考えてみました。それは「スクリーンを立てない」ということと、「スマホやタブレットの場合は外付けキーボードを使う」ということです。

というのも、そういう保守的な人と話しているうちに、もしかしたらデジタルだから問題なのではなく、「相手が何をしているか分からない」という不安が背景にあるのではないかと思ったからです。そして実際に、気合の入っていない人が画面を立てていると「こいつ、遊び相手とチャットでもしてんじゃないの?」とか思ってしまうことが僕にもあるからです。

一方で、画面が隠されていなければ、たとえ遠くで内容が確認できなくても、「見られて困ることはやっていない」ということは自然に表現されています。

例えば、以下の2枚の写真を見てください。どちらがあやしいでしょうか。やっぱりデジタルでも画面が見えていればそれほど怪しくないですよね。紙でもあからさまに隠しているようなポーズだと、かなり怪しくなります(^^)

comparison.png

さて、上の写真のように、画面を隠さないためには、パソコンの画面をフラットに寝かせることで解決できます。パソコンだったらマイクロソフトが強力に推しているSurfaceもフラットにできます。うちの職場にもあるので、僕もこれをフラットに倒して使う時もあります。もちろんChromebookにもそういう機種はあります。ただ、パソコンだと僕の英語力を知らない人から「さっきの記録をシェアしてくれる?」とか気楽に無茶ぶりされかねないので(自分に関係のないところまで行政機関の英語の会議を包括的にメモする余裕はまだないです)、タブレットにブルートゥースの外付けキーボードで控えめにメモを取っています。キーボードを使うことで文字入力っぽさを醸し出すこともできますよね。タブレットに外付けキーボードの時も、基本的にスタンドとかは使わないで、机にフラットに寝かせたままタイプします。こうするとときどき画面に天井の証明などが写り込んで使いにくいこともあるのですが、今のところそれほど使いにくいという感触はありません。

言われてみれば大したことじゃないですよね? でも、こうして違和感なくキーボードを授業や職場に持ち込む人が増えていくことによって、アナログなボスの視界にもIT機器が浸透していき、僕たちの社会は、いつの間にか発達障害や書痙などの、少しだけ一般的ではない人たちにとっても暮らしやすくなっていくんじゃないかと思います。

もちろん、手書きのほうが好きな人にまで無理にキーボードにしてくれと頼むつもりはありません。でも、本当はキーボードのほうが楽なのに、ボスの目が気になるから非効率な手書きで我慢している人がいたら、一緒に少しだけ世界をよくすることに協力してくれませんか?

そして冒険は続く。

【参考資料】
Murakami,Yoshifumiさんのツイート: "授業中や会議中にスマホやタブレットやパソコンでメモをとることについて、みなさんの職場ではどうですか? 雰囲気としてやりにくいのも「だめ」としてご回答をお願い致します。"
https://twitter.com/Midogonpapa/status/878735347990921216

栗原類『発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由』
http://amzn.to/2sgFPQt

文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」 調査結果 (PDF:391KB)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/__icsFiles/afieldfile/2012/12/10/1328729_01.pdf

JFBPオンライン日本語教師研修2015A『ディスレクシア(読み書き障害)と日本語教育』 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Q6VVXtyTh0o

2017年10月16日追記
同じことを書いている人がいたのでご共有します。



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https://www.facebook.com/MurakamiTheAdventurer/posts/1911899469097862
https://twitter.com/Midogonpapa/status/879897779211878400
https://plus.google.com/+YoshifumiMURAKAMI/posts/4pLcDiQt3di
posted by 村上吉文 at 11:44 | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

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