2017年01月25日

外国にルーツを持つ子どもたちを支援します。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


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冒険家の皆さん、今日も賞金稼ぎの目を逃れて異民族同士で賑わうオアシスの酒場の片隅で飲んでいますか?

さて、先日いわゆる「高度人材」が最短一年の日本滞在で永住権が取れるようになるというニュースが法務省から発表されました。この件はまったくフォローしていなかったので驚きましたが、日本もようやく移民国家になりつつあるということで、歓迎しています。見事に「移民」というキーワードだけ避けているところがちょっと笑えますが、外国人恐怖症の人が多い国ですから、まあ法務省の人も考えたのでしょう(^^)

さて、こうして永住権を得た人を「移民」と呼ぶか「高度人材」と呼ぶかどうかはともかく、最短一年の日本滞在で永住権が取れるようになると、当然、その人たちが母国から連れてきた子どもとか、あるいはその人たちが日本で結婚して生まれた子どもとか、そういう外国にルーツを持つ子どもたち(CLD児)に日本語を学ぶチャンスを提供する必要が出てきます。母国で日本語以外の言語を身につけてきた子どもたちはもちろん、片親が日本人でも家庭内言語が日本語でなかったりした場合は日本にいても日本語がなかなか伸びなかったりするのです。

なお、今回は高度人材のニュースを取り上げていますが、こうした日本語教育の支援が必要な子どもたちは外国籍の子どもだけではありません。かなり古い調査ですが、文科省の資料では平成22年の時点で、日本語教育の支援が必要な「日本国籍」の子どもたちは5,500人にものぼるとされています。

国籍や永住権のあるなしにかかわらず、日本に住んでいる全ての子どもには、当然、無償で日本語を学ぶ権利があります。そしてそのチャンスを提供することは、単なる慈善事業ではなく、社会の安定のためにも必要です。きちんとした教育機会の与えられない人たちが就職できなければ、生活保護などで政府の財政も圧迫します。単純に考えて、20人のクラスを1人の日本語教師が終日担当するとすれば、政府はたった1人の日本語教師の給料をケチる代わりに、20人の不適応者を生み出し、それだけの生活保護を支払わなければならなくなるかもしれないのです。生活保護費の平均は月額12万円ぐらいと言われていますから、20人で一ヶ月240万円。一ヶ月の給料が240万もある日本語教師なんてまずいませんから(いたらすみません)、どちらがお得なのかは一目瞭然ですよね。

しかし、残念ながらこうした外国にルーツのある子どもたちに政府からきちんとした日本語教育の機会が提供されているかというと、まったく不十分です。本来は制度としてきちんとケアしなければならないのですが、今、すでに学齢期の子どもたちに日本語学習の機会を提供するには、政府の姿勢を待つことはできません。僕は民間でがんばっている人たちを応援したいと思っています。

中でも、僕がいま注目しているのは「青少年自立支援センター」というNPOです。ここは引きこもり支援なども含めた幅広い活動を行っているNPO法人ですが、活動の中に「外国にルーツを持つ子ども・若者のための専門的日本語・教育支援事業」というのがあり、政府の補助金支給が終わってしまったあとも積極的にこうした子どもたちの支援を行っています。この団体のことは、この事業の統括コーディネーターの田中宝紀さん(@iki_tanaka)が昨年、テレビ会議システムを使ってセンター外の日本語教師にも子どもたちの日本語支援に関わってもらおうとしていたクラウドファンディングで知りました。スカイプやハングアウトは無料で使えますので、こうしたデジタルなツールを利用して、あまりデジタルとは縁がないイメージのあった子どもたちの支援をしようというアイデアに非常に関心を惹かれました。(現在はこうした遠隔コミュニケーションが利用されているのかちょっと分かりません)

それで、このブログの内容を年ごとにまとめている「むらログ2014」「むらログ2015」「むらログ2016」のKindle本の収益を、全額この事業に寄付しようと思います。もともと安いので大した金額にはならないとは思いますが、ここで呼びかけることにはそれなりの意味もあるでしょう。

なお、現在99円で販売していますが、これだとAmazonの取り分が多く、皆さんの善意の多くが青少年自立支援センターに流れないことになってしまいます。近いうちに300円に値上げするかもしれませんが、どうぞご理解くださいませ。

ハンガリー時間 2017/01/25 午後8時34分追記:KDPセレクトに登録されたので、価格が250円になりました。そのうち30%がAmazonの取り分で、残り70%から通信コストが1円引かれるので、1冊当たり174円が収益になり、全額が自立支援センターに寄付されることになります。3冊とも購入されると750円のうち522円が寄付に回ります。月額980円の読み放題サービスに参加されている人はまったくの負担なしで寄付できますが、配当は読まれたページ数に比例するのでいくらが収益になるかは現時点では不明です。)

そして冒険は続く。




【参考資料】
「高度人材」最短1年で永住権、3月実施へ省令改正  :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS17H22_X10C17A1PP8000/

文科省「日本語指導が必要な児童生徒に対する指導の在り方について」(審議のまとめ)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/05/__icsFiles/afieldfile/2013/07/02/1335783_1_1.pdf

児童の権利条約(児童の権利に関する条約) | 外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/

経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2b_004.html

外国にルーツを持つ子ども・若者のための専門的日本語教育機関
https://www.kodomo-nihongo.com/

外国にルーツを持つ子どもたちに、日本語を学ぶチャンスを。 | ファンドレイジングサイト JapanGiving(ジャパンギビング)
http://japangiving.jp/p/1912

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posted by 村上吉文 at 16:56 | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

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