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2016年02月29日

カタロニアの冒険家インタビュー!

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


冒険家の皆さん、今日も砂漠の奥のオアシスで他の冒険家と密造酒を飲みながら語り合っていますか?

さて、2月19日にマドリッドで開かれた第27回日本語弁論大会で、どこの機関にも属していない謎の学習者が2位に入賞していたというので、さっそくインタビューしてきました!

今回の冒険家はガウディの建築などで有名なスペインのバルセロナ県に在住の27歳の男性、チャビさんです。カメラシャイな人だったので、今回はインタビュー動画はありませんが、インタビューはすべて日本語で行われました。

多くの冒険家の場合、アニメや武道やアイドルなどのコンテンツが先にあって、その関心が動機となって学習のエンジンとなるケースが多いですが、彼の場合は「退屈だった」「中国語より簡単だった」という消極的な状況から出発し、その後、その学習の過程で出会った友人たちが強い動機となったという点が、まさにソーシャル・メディア時代の学習者らしいですよね。

また、Lang-8から派生した「HiNative」というサービスを中心に学習したというのも冒険家インタビューのシリーズでは初めての事例です。今後に要注目ですね。

では、以下がインタビューの概要です。

【チャビさんってどんな人?】
「今は学生でもあり、社会人でもある。実は日系企業に勤めている。とはいっても、仕事のために日本語を勉強しているのではない。会社に入ったのは1年前で、日本語は3年前から勉強している。日本語を勉強したおかげで、今の仕事が見つかった。」
「弁論大会では「砂の粒」というタイトルで、社会の発展や幸せについて話した。2位だったが、訪日するための航空券をもらうことができた」
「自分はスペイン人というよりカタロニア人だと思っている」
「去年の12月のJLPTでN2に合格した」

【日本語を学ぼうと思ったきっかけは?】
「3年前の夏、退屈だったので新しい言語を学ぼうと思い立った。最初は中国語をやったが発音が難しくてあきらめてしまった。次にゲームや漫画やアニメに興味があったので日本語の勉強を始めてみた。勉強してみると、日本語は中国語に比べたらすごく簡単だった。特に発音は母音が5つしかなくてスペイン語によく似ている。また、ひらがなやカタカナがあるから、中国語に比べて最初に書くのは簡単。中国語は最初から漢字だから難しい。」

【日本語の勉強を始めて最初にしたことは?】
「まずは友だちの女の子と一緒にウィキペディアのひらがなのところを見て練習した。すぐに何かを書くことができるからうれしかった。でも、友だちの女の子はあきらめてしまった。忙しくて勉強の時間がないと言っていた。自分は仕事はしていたが、まだ大学に通っていなかったから午後はいっぱい時間があった。」

【冒険の仲間は?】
「身近にはあまり一緒に学ぶ人はいなかったが、インターネットでいろいろな人が助けてくれた。そういう人を見つけるのはHiNativeが中心だが、Lang-8も使っている。そこで作った友達に相談して手伝ってもらっている。HiNativeは日本発のサービスなので日本人が多いから、日本語に関する質問ならすぐに返事が来る。」
(村上註:hinative.com 語学や文化について気軽にネイティブ・スピーカーに質問ができる語学学習プラットフォーム)
「Facebookは吉開さんのグループに積極的に参加している。質問に投稿したりクイズや作文に参加。ほかの生徒の質問に答える。答えるのも自分が考えるので勉強になる。」
「YouTubeの「にほんごのもり」チャンネルを見ていて、よくコメントもしている。その文法で例文を作って投稿したりとか。たまに先生が返事もしてくれる。」
「ツイッターはあまり使ってない。」
「6か月ぐらい前から日本人の女の子に教わっている。彼女はプロの教師ではないがすごくいい。簡単に理解できるから。簡単な言葉を使って教える。スペイン語はちょっとだけ使うが、ほとんど簡単な日本語で話してくれる。彼女はスペイン語を勉強していて、バルセロナに住んでいる。いつもマクドナルドで会っている。彼女は日本人の友達に紹介してもらった。」

【冒険の地図は?】
「教科書は「みんなの日本語」を使った。特に「みんなの日本語」を使ってYouTubeで教えてくれるチャンネルは役に立った。日本に住んでいるスペイン語の先生がこのチャンネルを作っている。https://www.youtube.com/playlist?list=PLTGkvBEtlNP3Sclv3MMi8wc7tGr9Wat3f 」
「次に「みんなの日本語」のあとはJLPTのN3の教科書もやったが名前は忘れてしまった。N3の後は「完全マスターN2」シリーズの文法、読解、語彙をやった。N2に合格した後は新聞とかを使って勉強している」

【冒険の道具は?】
「スマホもパソコンも使っている。パソコンはwindowsでブラウザはChrome。」
「漢字は手で書いていない。手で書くと忘れてしまう。いつもパソコンで打っているから。紙に手で書くのには興味がない」

【日本語の勉強で困っていることは?】
「大学でも日本語を勉強しているが基本的すぎてあまり勉強にならない。学校に比べたら一人の方が効率的でいいと思う。一番困るのは話すことだ。それで、N3に合格してから日本人の先生を探した。やっぱり書くのよりも話す方が困る。書くのは自分で勉強しやすいけど、話すのはリアルタイムで会う相手が必要だから。聞くのはYouTubeがあるから早く慣れた。」

【日本語学習を維持できたいちばんの動機は?】
もともと友だちが少なかったが、日本語のおかげで日本人や日本語学習者の友だちができて、就職までできた。だから日本語の勉強を続けることができたんだと思う。

【この時代、日本語教師の役割って何だと思う?】
「生徒の皆さんにもっと話させることだと思う。文法ばっかり教える先生はいや。文法は自分で勉強できる。語彙も漢字も同じ。教えるよりも、学生にアウトプットさせて、その表現が自然かどうかをチェックしてほしい。」
「それから、僕は日本の文化に興味があるけど、別に日本人になりたいわけじゃない。「日本人ならこう答えます」とよく言いわれるが、僕は日本人じゃないから違っていてもいいのでは?」

【他の冒険家にメッセージは?】
「漫画では勉強しない方がいい。漫画にはおかしい表現が多い。実際に使わない失礼な表現もある。最初から「お前」とか覚えるけど、いつ使うか知らないと困る。アニメも同じ。モティベーションにはいいが勉強には使わない方がいい」

チャビさん、インタビューにご協力くださり、ありがとうございました!

実はスロバキアでも3ヶ月ほど前の日本語弁論大会で教育機関に属していないナゾの学習者が優勝したという話を聞いております。少し古い話ですが、カザフでも同じような事例を聞いておりますので、ぜひとりあげてみたいと思っております。皆さん、お楽しみに!

そして冒険家を探す度は続く。

【参考資料】
「外国語として学ぶ日本語。マドリードにて第27回日本語弁論大会開催」
http://www.esjapon.com/ja/27o-concurso-de-oratoria-en-japones-13585

HiNative | 全ての外国語学習者のためのQ&Aサービス。
https://hinative.com/

日本語
https://www.facebook.com/groups/The.Nihongo.Learning.Community/
インタビュー中、「吉開さんのグループ」として出てきます。

チャビさんおすすめのスペイン語による日本語学習チャンネル
https://www.youtube.com/playlist?list=PLTGkvBEtlNP3Sclv3MMi8wc7tGr9Wat3f

【これまでの冒険家インタビュー】
JFBP公式YouTubeチャンネル「ポーランドの冒険家インタビュー!」
https://www.youtube.com/watch?v=eTSGBQRiGHI

むらログ: アメリカの冒険家、ケンさんインタビュー!
http://mongolia.seesaa.net/article/431589604.html

むらログ: オランダの冒険家インタビュー!
http://mongolia.seesaa.net/article/421077871.html

第2回オンライン日本語教師研修 :「豊かな時代における教師の役割 〜日本語教師不要説」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=tCoYU2x3Gjo

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posted by 村上吉文 at 00:24 | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加

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