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2016年01月15日

歩きスマホしてますか?

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス




冒険家の皆さん、今日も歩きスマホしていますか?
いやもちろん、歩きスマホをおすすめしているわけではありません。
歩きスマホは危険です。
ダメ、ゼッタイ。

ただ最近僕が思っているのは、歩きスマホをしてしまうぐらい何かにハマっているのは、すごいなあってことなんです。

例えば僕も英語に関しては帰国子女でもないし常に勉強中の身ですが、たとえ自分の関心に近い内容でも、読みかけの本が専門書とかだと疲れた時にはわざわざ読もうという気にはならないんですよね。まして歩きスマホまでして読もうとは絶対に思いません。

ところが、これがストーリー性のある小説とかだったりすると、ぐいぐい引きつけられてしまって、むしろバスやトラムから降りるときに画面をオフにするのが困難になってしまいます。最近では映画化もされた「The Martian: A Novel」とかもそうでしたし、「The Hunger games」のシリーズも2作目まではハマりました。仕事中も続きが気になって「早く昼休みならないかなー」なんて思ってしまったりして。3作めはイマイチでしたけどね。でも、逆にそれで、「ハマれないと学べない」というのはよく分かりました。

なぜかというと、こうしてハマってしまうと学習言語に触れている時間が激増するからです。

例えば僕の場合、通勤時間中に本が読めるんですが、最大でどのぐらいの時間読めるのかを計測してみたら、片道で21分24秒だったんです。この日は計測のためにスマホのKindleアプリで読むことにして(普段は「Kindle paperwhite」ですが)、自宅からバス停まで歩いて、同じスマホのストップウォッチのアプリで計測を始めてから読み始め、バスが来た時にストップウォッチを一時停止してからバスに乗り込み、席に座ったらまたストップウォッチを動かして・・・という感じで、要するにハマっている時に読むぐらいの時間の量を測ってみたのです。

ハマってない時は「早くバス来ないかなあ」とか思って道路の先を見たりしますよね。でも、ハマっているときはそんなことはしないで、目の前にバスが来るまで気が付きません。バスを降りるときも早めにバスのドアまで移動して待ったりしないで、ぎりぎりまで読んでいて、ドアが開いてからダッシュで降りたり。

そうすると片道で21分、往復でその倍ぐらいは勉強時間が稼げるわけです。まあ、厳密には帰りは違う道なので正確に2倍とはかぎりませんが。

特に帰りのバスは、仕事で疲れていると結局ずっとキンドルをonにしないで、ぼーっとしてしまう時もあります。ブダペストの夜景は美しので、窓の外も魅力的ではあるのですが、学習の機会としてはみずみす20分以上も無駄にしてしまっているわけです。つまり、僕の20億秒しかない人生の1200秒が失われてしまうわけです。もったいない・・・

同じようなことは、先日、ジムで走っている時にも感じました。トレッドミル(いわゆるルームランナー)の操作盤のところにスマホを置いて、スターウォーズを見ながら走ったのです。そうすると映画の後半はアクションシーンが続くので2時間以上走っていてもあまり疲れを感じません。しかし、エンドロールが始まると、急に疲労感がどっと出てきて、「もう限界・・・」ということになってしまうのです。ランニングの場合は、こうしてコンテンツを楽しむことと走ることは全く別のことですから、こうしたことが起きます。しかし、語学の学習の場合は、目標言語で書かれたコンテンツを楽しむことは、それがすなわち語学学習なのです。

もちろん、火星についてのSF小説を読んでいても、コンテンツとしては楽しいものの、日本語教師としての成長にはあまり寄与しません。ですから、確かに専門書や論文などを読む方が英語の勉強もできるし、専門の勉強もできるので、「時間単位」で考えればずっと得なはずです。しかし、それは「その時間が存在すれば」という条件付きなのです。いくら時間単位で効率が良くても、本を開いていない間の学習効果はゼロです。そして、ゼロは何倍にしてもゼロのままです。

そして、考慮しなくてはならないことは、ハマれるコンテンツというのは学習者によって違うということです。僕がハマっていた火星のSFだって、誰にでも楽しめるものではないでしょう。僕が映画を見て興奮している隣で、一緒に見ていた妻が熟睡していることもよくあります。

そう考えると、やはり語学の学習者には自分の好きなものを読むように勧めるのがいちばんなのではないかと思います。もちろん、くだらないSFなんかよりは論文を読むのが好きという人もいるでしょうから、論文にハマれるなら論文を読めばいいでしょう。

そういう意味で、結果として歩きスマホしたくなるぐらいハマれるコンテンツを探すというのは、語学学習上、必要なことなのではないでしょうか。すみません、朝ごはんの時間なので、今日はここまで。

そして冒険は続く。

【参考資料】
歩きスマホ防止アプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.taka84104a.dontlookphone.free

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posted by 村上吉文 at 14:24 | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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