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2015年12月13日

「ソーシャル・メディアで4技能を伸ばす」@ポーランド

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス




冒険家の皆さん、今日も竜の背に乗って氷河を飛び越えていますか。

さて、先週末にポーランドのワルシャワに呼んでいただいて「ソーシャル・メディアで4技能を伸ばす」という研修を行いましたので、その準備の際に気づいたことを幾つかシェアしておきたいと思います。

【無料で外国語を学習できる可能性】
まず、こうしたタイトルになったのは事前アンケートで技能別のソーシャルメディアを使った日本語の伸ばし方に参加者のご関心が高かったからなのですが、事前アンケートではいろいろなことを教えていただくことができました。中でも面白いなと思ったのは、「スマホの学習アプリを使ったり、ソーシャル・メディアでネイティブスピーカーと友だちになることによって、まったくお金をかけずに外国語を学ぶことは可能だと思いますか? 」という質問をしたところ、「不可能」と回答した人が1人もいなかったことです。「可能」と答えた人が65%、「分からない」と答えた人が35%でした。

達成レベルも何も定義していない質問なのであまり厳密に考えることはできないかとは思いますが、特にICTに関心のある人だけの集まりでない一般的な日本語教師の会でもこのような回答になっているというのは一つの時代をよく示しているのではないかと思います。

【ソーシャル・メディアを利用する教員に見えている風景】
こうしたアンケートに「可能」と答える人と「不可能」と答える人(ポーランドにはいませんでしたが)の間では、おそらく目の前の教室が違って見えるのではないかと思います。

「不可能」と思っている人の目の前の教室には、その学習者と教師しかいません。その学習者は教室の中の同級生と教員しかつながりがないのです。

しかし、実際には学習者はそれぞれの世界があり、この時代ですからそこには当然日本語話者の1人か2人はいることでしょう。いなかったとしても、教師の働きかけがあればすぐに日本人の友達ぐらい作ることができます。

つまり、「可能」と答える僕たちの目には、教室の中にポーランド人(それ以外でもいいですが)と日本人がお互いに隣り合って座っている教室が見えるのです。話しかければ返事をしてくれるし、話しかけなくても向こうからどんどん日本語で話しかけてくるのです。

そういう世界に彼らは生きています。

僕たちは、それでも教室には教師と日本語学習者しかいないというモデルを前提にした授業を続けていくべきなのでしょうか。

【ポーランド人の日本語学習者の例】
そう言ってもなかなか信じられない先生のために、ポーランド人の日本語学習者の例を探してみました。ちょっと検索するだけで本当に驚くぐらいたくさん出てくるのですが、中でも有名なのは以下の2人です。

1人はYouTubeで有名なジュリア・ベルナルドさん。彼女の最初のYouTubeの動画は以下にあります。
https://www.youtube.com/watch?v=qwofoD2dJ3I
たしか、この時点で3年の学習歴があったはずですから、11歳の時に勉強をしはじめて、時には週1回のプライベートレッスンなどを受けていた時代もあるようですが、基本的には独学で日本語をマスターしました。彼女は歌の才能もあり、「のどじまん・ザ・ワールド」という日本のテレビ番組に出演するために2011年に初の訪日を果たしました。詳しくは以下の自分のサイトの自己紹介をご覧ください。
http://www.juliabernard.com/JP/me.html

それからもう一人はTwitterで有名な「おぺちゃん」(https://twitter.com/OPERATORCHAN)です。
まあ、彼はちょっとアレなツイートをすることがあるのでスライドにはリンクのとなりに「閲覧注意」という断り書きも入れておいたのですが、なぜかアニメの黒タイツが大好きで、そのために独習で日本語をマスターしたというポーランド人です。

彼の最新ツイート
「全裸待機って日本語が役に立つ日が来た」https://twitter.com/OPERATORCHAN/status/675616567879712768
(そんな日本語、48年も生きてきた僕には役に立ったことはありませんが・・・)

【Twitter検索】
Twitterのいいところは、日本やポーランドなどではアカウントを作らなくても中身が見えて、検索などができることです。(ロシアでは残念ながらアカウントを作らないと利用できません) そして、僕自身も驚いたのですが、毎日、何人もの人が日本語で「ポーランド行きたい」とつぶやいていることです。奥手な人にとってはTwitterで知らない人に話しかけるのには勇気が要るでしょうが、こういう人たちなら歓迎してくれそうですよね。

ポーランド 行きたい - Twitter検索
https://twitter.com/search?q=%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%20%E8%A1%8C%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%84&src=typd

ポーランド大好き - Twitter検索
https://twitter.com/search?q=%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%A4%A7%E5%A5%BD%E3%81%8D&src=typd

ポーランド語 分からない - Twitter検索
https://twitter.com/search?f=tweets&vertical=default&q=%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%AA%9E%E3%80%80%E5%88%86%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84&src=typd

それから、これは前回のロシア出張の準備の時に気がついたことですが、Twitterの中には特定のテーマ以外は何もつぶやかない「ボット」というのがあるので、そのフォロワーを見れば特定のテーマに関心のある人を大量に見つけることができるということです。たとえば以下のアカウントは「ポーランド語ボット」と言い、ポーランド学習者向けのことしかツイートしていません。
https://twitter.com/Polish_BOT
そして、その2000人近いフォロワーはこちらでリストになっています。
https://twitter.com/Polish_BOT/followers
まあ、同じ「ボット」同士の相互フォローもあるようですが、基本的にはこのボットをフォローしている人たちはポーランドを学んでいる人たちのはずです。それで、たとえば以下のように話しかけてみてはどうでしょうか。
「@◯×△■(相手のID) ポーランド語BOTのフォロワーのリストでお名前を拝見しました。私は日本語を勉強しているポーランド人です。ポーランド語の学習で何かお困りのことはありませんか。自然なポーランドかどうかぐらいは分かりますよ。」
相手の役に立つことができるということも、歓迎してもらえるための条件の一つですよね。

その他、僕のブログを読んでいる人にはそれほど新しい情報でもありませんが、冒頭のスライドにはソーシャル・メディアを使って日本語を伸ばすコツなどについていくつか書いていますので、ご関心のある方はご覧くださいませ。

そして冒険は続く。

【コメントはソーシャル・メディア上の記事別ページヘどうぞ!】
https://plus.google.com/+YoshifumiMURAKAMI/posts/Rp5zijMp645
https://twitter.com/Midogonpapa/status/675975281098825728
https://www.facebook.com/murakami.yoshifumi/posts/10207712856881438
posted by 村上吉文 at 18:44 | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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