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2015年10月31日

シナリオが手に入らなかったら、DVDの字幕を撮影しよう!

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


Tripod

冒険家の皆さん、今日も砂嵐にテントが飛ばされないようにポールを必死におさえていますか?

さて、一度気がついてみると、どうして今まで気がつかなかったんだろうと不思議になることがありますが、今回もそうです。

僕はハンガリー語の勉強に映画をよく使うし、そういう外国語の勉強の仕方をする人は多いと思うんですが、それでよく困ることは、何と言っているか分からないということです。当然ですよね。母語じゃないんですから。

初級の頃は、別の本で文法などを勉強すればするほど、一日ごとに映画の中の聞こえる部分が増えていって、とても嬉しいものです。でも、とりあえず基本的な単語と文法を押さえてしまうと、あとは何回聞いても分からないところばかりになってしまいます。そうすると、どうしても文字で書かれたシナリオが欲しくなります。文字で書いてあれば、辞書を引くのも簡単ですから。僕自身も『君の涙ドナウに流れ』という映画でハンガリー語を勉強していた時は、シナリオを入手した時から、飛躍的に学習が進みました。ところが、ハンガリー語のようなマイナー言語の場合は、なかなかシナリオのデータを見つけることができません。

『君の涙ドナウに流れ』はいろいろな意味で名作だし、まだ完全に理解できていないところもあるのですが、今はまだ他の映画でもう少し基礎的な表現にたくさん触れたいな、と思っていました。それで、いくつか日本でも販売されているハンガリーの映画を聴きこんだりしていたのですが、やっぱり、初級文型以上のところは、何度聞いても分かりません。それで、少なくともCBIとしては、僕のハンガリー語の勉強は行き詰まっていました。

でも、ふと考えたんですよ。日本映画のDVDにも日本語の字幕がついているじゃないかって。それで、すぐにハンガリーの映画のDVDを売っている店に行って、見てみたら、意外とあるんですよね。僕が教材にしたかった映画にはハンガリー語字幕はなかったんですが、それ以外の話題作でハンガリー語字幕付きのDVDを見つけることができました。これは、ちょうど僕がハンガリーに来た2年前に、いろいろなところで宣伝されていた映画です。以下が予告編。



「ComingOut」というタイトルが示す通り同性愛がテーマなんですが、ハンガリーはもう日本より一周先を行っているなあと思ってしまうのは、カミングアウトが「実は異性が好きになってしまった」という内容であるという点です。日本だと、たとえば僕が先日見た「プリンセス・トヨトミ」でもトランスジェンダーらしい息子を受け入れることができない父親の葛藤などが描かれていますが、ハンガリーでははるか昔に市民権を得ているようで、この映画でも主人公は自分が同性愛であることに悩んでいるような描写はないし、母親も映画の最初から息子の同性愛を受け入れています。しかし、主人公は同性愛者の社会のリーダー的な存在であるにもかかわらず、交通事故で頭を強打したことをきっかけになぜか異性のヌードなどに目が行くようになってしまい、異性愛になってしまったことに悩むというストーリーです。主人公は『君の涙ドナウに流れ』で主人公の親友を演じていたチャイニー・シャンドール。

さて、話がそれてしまいましたが、この映画にはハンガリー語の字幕があるので、ハンガリー語学習のために再生画面を撮影したわけです。撮影の時に気をつけることは以下の4つ。

1.部屋を暗くする。
2.三脚を使う。
3.できればAFは切っておく。
4.カメラの電池を充電しておく。

なぜ部屋を暗くするかというと、明るい部屋でDVDプレーヤーなりテレビなりパソコンなりの画面を撮影すると、自分の部屋が画面に写り込んでしまうからです。写り込んでいても映画を楽しむ分にはあまり邪魔にはなりませんが(もしかしたら人間の目には焦点距離によってフィルターをかける機能とかもあるのかも)、写り込んでしまった画像を見ると、意外と邪魔に感じます。

そして、三脚を使うのは、映画の再生中、ずっと同じ姿勢でカメラを構えているのが大変だからです。

三脚でカメラを固定しておけば、再生画面からレンズまでの距離は同じなので、オートフォーカスを切っておくことができます。まあ、最近のカメラならAFがあっても大丈夫かもしれませんが、僕のカメラはときどきフォーカスを探すのに時間がかかることがあり、それで字幕を撮りそこねて再生しなおしとかするのが嫌だったので、AFは切っておきました。

それから、これは失敗談なのですが、僕の場合はフル充電しておかなかったので、途中で電池が切れてしまいました。今回の『ComingOut』の場合は全部で1057枚も撮影しましたので、対象の映画によってはフル充電しておいても撮りきれないこともあるでしょう。

これから後は、この画像を元にキーボードで入力して翻訳しながら勉強する予定です。というか、すでにそうやって勉強を始めています。

今回一つ工夫している点は、ワープロでなくGoogle表計算を使っていることです。Googleの表計算にはGoogle translateという非常に便利な関数があって、特定のセルを特定の言語に翻訳することができます。そして、キーボードで入力しながら一行ずつ翻訳させていくのです。以前はGoogle翻訳のサイトに入力していたのですが、こうすると入力するテキストが長くなってくるとリアルタイムに翻訳結果が反応しなくなるんですよね。しかし、表計算で1行ずつ翻訳させれば、そのような問題を回避することができます。前にも書きましたが、こうして翻訳させるのは、それによって入力ミスを発見することができるからです。

なお、こうして撮影した画像は人に配ったりしないかぎり、著作権法30条の「私的利用」にあたるので著作権の侵害には当たりません。ただし、授業で扱う場合は、著作権法32条の「引用」か、35条の「教育機関における複製」の要件を満たしておく必要があります。

そして冒険は続く。

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posted by 村上吉文 at 23:04 | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加

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