2015年06月14日

【ネットワーク化の7つのステップ】(3) 参加者に関する情報を一方的に提供する

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス




冒険家の皆さん、今日も砂丘を超えてオアシスを目指していますか?

さて、もう2年前に海外日本語教育学会で発表した「ネットワーク化の7つのステップ」について、ここのところ問い合わせをいただくことが何度かあったので、続きをご紹介したいと思います。

これまで「むらログ: ネットワーク化の7つのステップ」で全体像をご紹介し、
http://mongolia.seesaa.net/article/378622763.html

その後、「むらログ: コミュニティを育てる「7つのステップ」の前にしておくこと」で、人を呼ぶ前に「場」を用意しておきましょう、ということをお話しし、
http://mongolia.seesaa.net/article/388872714.html

そして、「むらログ: コミュニティーへの参加者の見つけ方」でその場に呼ぶべき人、つまりコミュニティのメンバーをどうやって探すか、ということをお話しました。
http://mongolia.seesaa.net/article/390217165.html

とりあえずこれで「場」と「人」が揃ったので、いよいよここからが本当の意味でのコミュニティ構築になります。「7つのステップ」で言うと、2つめの「役に立つ情報を一方的に提供する」の部分です。

【役に立つ情報を一方的に提供する】
情報提供で一番有効なのは、自分の持っている知識や経験を自分自身の言葉で語り、それを提供することです。できれば無機的な文字だけではなく、肉声でプレゼンをしたりするといいかもしれません。Youtubeなどで共有すれば、特に地域を限定せずにどこの人にでも見てもらえますね。

ただ、こうしたことは非常に手間がかかるので、定期的に情報を共有し続けるのはあまり現実的ではありません。そこで、自分で情報収集して、他の人が作成したコンテンツを共有していくということも必要になってきます。どうやって効率的に情報収集し、共有するかということには、以下の4つの記事でまとめて書いてあります。

むらログ: 僕の情報発信術01 情報収集は「待ちの姿勢」で。
http://mongolia.seesaa.net/article/280534828.html

むらログ: 僕の情報発信術02 整理のための一次アウトプット
http://mongolia.seesaa.net/article/281152468.html

むらログ: 僕の情報発信術03 前回の補足 ナレーションが中心の場合
http://mongolia.seesaa.net/article/281302964.html

むらログ: 僕の情報発信術04 整理して二次アウトプット
http://mongolia.seesaa.net/article/281505135.html

また、一部内容が重複しますが、国際交流基金の「授業のヒント」にも似た内容で寄稿しています。

国際交流基金 - 日本語教育通信 授業のヒント “待ちの姿勢”の情報収集〜ネットの力であなたも今日からスペシャリスト!《新刊情報・論文編》
https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/teach/tsushin/hint/201504.html

国際交流基金 - 日本語教育通信 授業のヒント “待ちの姿勢”の情報収集〜ネットの力であなたも今日からスペシャリスト!《動画情報収集・情報発信編》
https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/teach/tsushin/hint/201505.html

以上で「7つのステップ」の2番目の「役に立つ情報を一方的に提供する」についてはご理解いただけるかと思いますので、今日は、3番目の「参加者に関する情報を一方的に提供する」について書いてみたいと思います。

【参加者に関する情報を一方的に提供する】
もし「7つのステップ」の2番目までがきちんとできていれば、「場」と「メンバー」はそろっていて、そこにそのコミュニティの主催者であるあなたが自分で発信した情報がシェアされているはずです。この時、このコミュニティーのメンバーはそこで共有されている情報に価値を感じているので定期的に見に来てはいますが、他のメンバーのことを知らないので、自分で積極的に書き込みを行おうとはしません。

そこで必要になってくるのが、そのコミュニティのメンバーに関する情報を主催者であるあなたが発信していくということです。

とは言っても、個人情報の扱いには敏感な人の多い時代ですから、Facebookのプロフィールに書いてある情報を勝手にコミュニティに書いたりすることはできません。というのも、みなさんはすでに友達になっているからそれが表示されている場合があり、友達ではない人も必ず含まれているであろうコミュニティでそれをシェアすると、本人が望んでいない範囲にまで個人情報が拡散してしまう可能性があるからです。

ではどうすればいいかというと、各メンバーのタイムラインを見ていればいいのです。それぞれのメンバーはあなたの作ったコミュニティに書き込みはしなくても、自分のページでは積極的に情報を共有している場合があります。いま僕が取り組んでいる中東欧地域の日本語教育関係者のネットワーク化でも、たとえばポーランドやルーマニアなどでの日本語教育に関わる大会や学生の発表会などの情報は、主催者や発表者としてそれに関わった人たちが自分のページで共有したりしていることがよくあるのです。

そういう情報は、どこか他に公式ページなどがあり、そこへのリンクが張られていることが少なくありません。その場合は、すでに公開されている情報なので、そのリンクを皆さんがご自分のコミュニティにコピーして、「このコミュニティのメンバーであるAさんからシェアさせていただきました」などと書いておくのです。そうすることで、そのAさんの存在は他のメンバーに認知されますし、Aさんからのコメントがもらえることも少なくありません。

そして、そのコメントは、あなたのコミュニティにとって、あなた以外の人が初めて発した情報になるのです。その瞬間、形だけだったコミュニティが本当の意味で情報が行き交う生きたコミュニティへと生まれ変わります。本当にゼロからコミュニティを作る場合には、主催者にとっては忘れられない瞬間になるでしょう。

さて、少し上に「各メンバーのタイムラインを見ていればいい」と簡単に書きましたが、これにはある作業が必要です。Facebookの「リスト」というものを作るのですが、これをしないと親戚や小学校の同級生などもいるSNSの世界では非常にカオスなことになってしまいます。

【Facebookのリスト】
Facebookのリストの作り方については過去に何度も書いていますが、大切なことなので、ここでも改めて書いておきます。

まず最初に、「新しいリスト」を作って、それに名前をつけます。僕の場合は「*JT中東欧」というのが中東欧の日本語教育関係者のリストです。最初に「*」がついているのは、リスト名がアルファベット順に並ぶときに、「*」が一番最初に表示されるからです。

「新しいリスト」を作るには、まず以下のページ行きます。
https://www.facebook.com/bookmarks/lists
これまでもリストを使ったことがある人なら、ここにこれまで作ったリストの一覧が表示されているはずです。ここで「+リストを作成」をクリックすると、「新しいリストを作成」という窓が表示され、そこでリストの名前と、最低1人の友達の名前を入れて、「作成」のボタンをクリックします。リストに入れた相手には何も通知されませんし、あとから削除したり別の人を追加したりすることもできます。(新しいリストの作り方は他にもいくつかあります)

あとはこのリストに登録されている人の書き込みだけを毎日読めばいいのです。読み方も簡単で、上記のリスト一覧のページに新しく作ったリストが表示されていますから、それを開いて、ブラウザ(Chromeなど)のブックマークやお気に入りに入れておき、仕事中に気分転換したい時などにおもむろにそれを開くのです。

こうして僕も中東欧の日本語の先生がたの近況は仕事中にちょくちょく見ていますが、こうしたリストを作らずに、仕事とは関係のない友達の書き込みなどまで目に入ってしまうと、仕事が進みませんよね。

【文字よりも動画で】
さて、こうして、コミュニティメンバーが自分のページで共有している情報を、あなたの主催するコミュニティでもシェアできるようになりました。これだけでも、メンバーはお互いのことをある程度は知ることができるようになります。しかし、そうした情報は基本的に文字ベースなので、心理的にはまだ相当な距離があります。これを、もっと血の通ったコミュニティーにしていくには、文字で書いてある名前だけでなく、顔や声で相手がイメージできるようになる必要があります。

そのためにとても効果的なのが、インタビュー動画です。動画は文字に比べて、その人の顔や声、大体の年齢や雰囲気など、ずっと多くの情報を伝えることができます。たとえば以下はトルコのアンカラ大学の先生のインタビューですが、こうした動画を見ると、この先生の発信する情報に対して、もう少し気軽にコメントなどもできるようになるのではないでしょうか。

アイシェヌール先生からのメッセージ
https://www.youtube.com/watch?v=tHD_JWVmgPo

こうしたインタビュー動画を撮るには、これまでは相手のいる現場まで行って、そこでビデオカメラを回す必要がありました。しかし、今はGoogle+のHangoutを使ってオンラインでインタビューして、それをそのまま残しておけば自動的にYouTubeに保存される時代です。わざわざ相手のいる場所まで出かける必要もありません。前任地の中東では、僕は毎月一回ずつ、アクティブなメンバーに近況を報告してもらうためのインタビューをオンラインで行っていました。ご関心のある方は、以下をご覧くださいませ。

ヨルダン近況レポート - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=KxUf9yXOaPA
(今回の記事の冒頭に埋め込んだ動画です)

以上で、「7つのステップ」の3つめ「参加者に関する情報を一方的に提供する」の紹介は終わりです。この後、4つめの段階からは、いよいよ時間を共有したライブイベントでコミュニティを作っていく段階に入っていきます。お楽しみに!

そして冒険は続く。

【コメントなどはこちらへ】
https://plus.google.com/+YoshifumiMURAKAMI/posts/iPunvSo6Fj8
https://twitter.com/Midogonpapa/status/609799850729832448
https://www.facebook.com/murakami.yoshifumi/posts/10206537738584215
posted by 村上吉文 at 04:06 | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加

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