2015年01月31日

冒険家たちの語彙増強法 Anki

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


冒険家の皆さん、今日もラスボス出現の前に「I have a bad feeling about this.」と相棒にささやいていますか?

さて、僕が担当している自律学習のコースでも語彙学習アプリのAnkiが非常に人気で、はじめは一人しか使っていなかったのに、その一人の紹介で今ではクラスの8割が使うようになっています。Anki本体だけでなく、入力用のツールなども活用すると本当に簡単に語彙が増やせるようになりますので、冒険家たちによるAnkiの使い方をご紹介したいと思います。

【Ankiとは】
まず、最初にこのAnkiについて簡単に説明します。
Ankiというのはその名前から想像できるように日本語学習者(イギリス人のDamien Elmes氏)が開発した暗記用のソフトウェアです。AndroidやiPad用のアプリもありますが、ウェブサービスもありますので、何もインストールしなくてもブラウザ(ウェブページ閲覧ソフトウェア)だけで使うこともできます。

基本的にはフラッシュカードなのですが、特徴的なのはこのブログでも何度もご紹介しているエビングハウスの忘却曲線の理論を応用し、間隔伸長法(間隔反復)などと言われている学習方法を採用している点です。順調に進めば、最初は頻繁に復習するのですが、定着していくに連れて復習の間隔がだんだん伸びていき、ユーザーから見れば「ちょうど忘れかけていた時に復習できる」「復習しなくてもいい時には出題されない」という効率的な時間の使い方ができるようになります。もちろん、順調でない場合、つまり、うまく思い出せない時などは次に出題される間隔が短くなります。

また、他の人が作った語彙リストなどを自分のデータとして取り込み、勉強することができます。この場合は新しく一日に覚える語彙の数を調整することができ、たとえば一日に20語ずつ増やしていくように設定すると、「自動的に」一ヶ月後には600語の語彙が身についていることになります。

このように他者が利用できる語彙リストは「Deck」と呼ばれていて、日本語のDeckは文末のの参考リンクで見ることができます。これらのDeckは星をつけることにより相互評価がされ、中でも人気があるのは「Japanese Core 2000 Step 01 Listening Sentence Vocab + Images」というもので、音声や画像も含まれています。

ただ、僕はCBI(コンテンツ重視の語学学習−ニュースなどを読みながら語彙を増やしていくような学習方法)派の人間なので、他の人が作った語彙リストなどはあまり利用していません。脈絡なく語彙を覚えるのが苦痛なんですよね。ですから、ソーシャル・メディアを利用している時に出会った新しい語彙をどんどんAnkiに取り込むようにしています。

しかし、そういう立場の人間にとって、たとえばFacebookの友人の投稿などを読みながら、それをAnkiに登録するのに十秒でも時間がかかるのは致命的でした。手間自体は大したことがないのですが、コンテンツに集中したいときに語学の方に脳のリソースを振り向けることができないのです。

しかし最近は、すでにそんな問題は解決されています。それがChrome用の拡張機能の「Anki Cards Maker」です。

【Anki Cards Makerとは】
この拡張機能を入れると、コンテンツへの集中を途切らせることなく、簡単にAnkiに登録することができます。使い方も簡単です。

まず、目標言語(たとえば僕にとってのハンガリー語)で書かれたウェブサイトを見ている時に、知らない単語に出会ったら、その単語(フレーズでもいいです)をマウスで選択します。そして、その部分を右クリックします。すでに拡張機能が入れてあれば右クリックのメニューの中に「Add to Anki」という項目がありますから、それをクリックします。そうすると、Google翻訳を裏で利用しているらしいのですが、そのハンガリー語の意味が日本語で表示されます。複数の意味が表示されるときは、適切なものだけをチェックマークで指定することもできます。そして「Add」というボタンをクリックします。そうすると別画面でAnkiのウェブサイトが開いて、「save」ボタンを押せばその語彙が登録されます。

ここをどう操作するかは人によると思うのですが、僕のようにコンテンツを読んでいる状態を邪魔されたくない人は、「Add」のボタンを押した後、Ankiのページが開きかけたらキーボードのctrl+Tabのショートカットですぐに元のコンテンツに戻るといいでしょう。そうすると「save」のボタンが押されずに、幾つものタブが開かれたまま放置されますので、コンテンツを読むのに区切りがついた段階で、1つずつ「save」のボタンを押していきます。そうすると、結果的にコンテンツを読んだ後のまとめとしての復習を行うことができます。また、長めのまとまったコンテンツを読むときは、そのページのURLを「タグ」という欄に入れておきます。そうすると、そのページで学んだ語彙だけを後で取り出すことが簡単にできます。URLが長すぎるときは、もちろん「goo.gl」などのURL短縮ツールを使います。

こうして登録した単語はAndroid用のアプリなどと同期されますから、通勤時間中にゆっくり復習することができます。

一つ注意することは、目標言語と母語(もしくは媒介語)を設定する必要があることです。拡張機能をChromeに入れた後に、Anki Cards Makerのアイコンを右クリックして、「option」から設定画面を開くことができます。ここで設定項目のうち、「Language 1」を目標言語、「Language 2」を自分の母語か媒介語に設定します。そうしないと最初は「Language 2」がロシア語になっているので、ロシア語に馴染みがない人はかなりびっくりします。

まあ、こういうものは使ってみないと、文字を読むだけでは全然わかりませんから、使ってみたことがない方がいらしたら、ぜひ、ご自分で使ってみてください。

そして冒険は続く。

【参考】
Anki - powerful, intelligent flashcards
http://ankisrs.net/

AnkiDroid Flashcards - Android Apps on Google Play
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ichi2.anki&hl=en

AnkiMobile Flashcards on the App Store on iTunes
https://itunes.apple.com/en/app/ankimobile-flashcards/id373493387?mt=8

忘却曲線 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%98%E5%8D%B4%E6%9B%B2%E7%B7%9A

間隔反復 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%93%E9%9A%94%E5%8F%8D%E5%BE%A9

Anki の日本語学習用Deckのリスト
https://ankiweb.net/shared/decks/japanese

Anki Cards Maker
https://chrome.google.com/webstore/detail/anki-cards-maker/ndimepifahlacmclinikbgjndgfelipb

goo.gl URL Shortener
https://chrome.google.com/webstore/detail/googl-url-shortener/iblijlcdoidgdpfknkckljiocdbnlagk

おまけ
Every ''I have a bad feeling'' in Star Wars - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=tsXEToflqGs



posted by 村上吉文 at 21:02 | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加

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