2007年05月03日

「の」一字だけでもいいからつけてくれ。

憲法記念日なので、日本語を専門とする人間として一言だけ。
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

「第2章 戦争の放棄」の部分ですが、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」というのを「自衛権はあるから自衛の戦力は保持してもいい」と解釈することはできません。「前項の目的を達成するための」と「の」が入ってさえいれば、これは「制限的用法」と呼ばれるのですが、「前項の目的を達成するための戦力に限って言えば、これを保持しない。」と解釈できるので、「自衛のための戦力は保持してもいい」という解釈も可能です。しかし、現在の条文では「日本は戦力を保持しない。その理由は前項の目的を達成するためだ」という解釈しか成立しません。「憲法が曖昧だから」とか言っている人がいますが、憲法は曖昧ではありません。明確に「いかなる戦力であれ、日本は保持しない」と書いてあります。

つまり、自衛隊は憲法に反しています。改憲しないのなら自衛隊を撤廃すべきだし、国際情勢からそれができないのなら、改憲すべきです。どっちもしないのは明らかに政治家の怠慢だし、最終的には主権者である私たち市民の責任でもあります。

posted by 村上吉文 at 08:18 | Comment(1) | TrackBack(0) | ことば | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
「の」が一つあるかないか・・・たったこれだけのことなのに。言葉って難しいですね。
Posted by みっちー at 2007年05月03日 10:02
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