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2014年05月31日

トップを解放せよ!

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス



自己管理能力の高い犬 All right reserved by 名無しさん

冒険家の皆さん、今日もイルカに助けられて無人島に漂着していますか?

さて、前にもスピーチコンテスト関係で書きましたが、それ以外にもここのところ、各種の試験などで、自律的な学習者がトップを取る例をたくさん見ています。

一斉授業にも自律学習にも、それぞれ長所と短所がありますが、少なくともトップを育てるには一斉授業は向いていないというのは、ほぼ間違いないと言っていいのではないかと最近では認識しています。
 
考えてみれば当然です。自分のことをよく分かっているのは教師よりも学習者自身のはずです。もし、自分にピッタリのコースをデザインすることができるのなら、それは当然、必ずしも自分のためだけにデザインされたわけではないコースで勉強するよりも、役に立つはずですから。また一斉授業では、他の学生が指名されて答えられずに困っている時間など、無駄が多すぎます。自分が答えられないならまだ無駄とはいえませんが。

それで、ある一定の基準以上の学生には、「教室には来い。でも、授業には参加しないで別のことをしていてもいいし、今までどおり参加してもいい。自分で決めろ」とするのはどうでしょうか。

教室に来るのは、教室にはコミュニティ機能という非常に重要な役割があるし、学習時間を確保するためにも必要だからです。また、教師というリソースに対面でアクセスすることもできます。ただし、学習内容は日本語に関するものなら何でもよく、たとえば自分の好きなアニメのスクリプトを自分の母語に翻訳するとか、あるいはそのスクリプトから知らなかった語彙のリストをつくるとか、やり方は学習者に任せるのです。(CBIに限定した自律的な語学の練習方法については前回の記事で書きましたのでご参照ください)

任せる期間は一日だけでもいいでしょうし、小テストの結果が良かったら次の小テストまでは任せるというような形でもいいでしょう。期末試験などの結果から、次の学期はすべて自律的な学習に使っていいとしてもいいでしょう。もちろん、最初は「一日だけ」からスタートするのが無難かとは思いますが。

一日だけの場合は、授業の最初に「今日はこれをやります」と教師に知らせておき、授業の最後には実際にやったことを伝え、そして、実際に作った語彙リストなどの成果物も教師にコピーを提出します。紙で書いた場合は携帯のデジカメで撮影して、教師に送信するだけでもいいでしょう。それも難しかったら、教師が自分の携帯で撮影すればいいはずです。

もっと長い期間の場合は、その期間の最初に学習計画書や評価計画書なども書かせ、毎時間ごとに上記のような成果物を共有し、期間の最後に計画書通りに自分自身で評価を行い、振り返らせます。

各種のスピコンとか公的試験の結果から想像するに、トップの人材は、こうした方がはるかに早く伸びる事になるのではないかと思います。一斉授業に参加している学習者の中には、平均よりもずっと能力の高い人もいるのですから。

こうすることによって、トップの人材はより高い可能性に挑戦することができるようになりますし、そうでない人材はよりレベルの合った授業を受けられるようになります。特に、今までは落ちこぼれるしかなかったレベルの学習者は、クラスの進度から落伍してしまう可能性はずっと減るはずです。トップが抜ける分だけ一斉授業のクラスのレベルが自分のレベルに近くなり、人数も減るのですから。

言い換えると、クラス内に進度の差が大きくて悩んでいる教員の方にも、こうした方法は役に立つのではないかと思います。

そして冒険は続く。
posted by 村上吉文 at 23:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
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