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2014年02月17日

コミュニティを育てる「7つのステップ」の前にしておくこと

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス




冒険家の皆さん、今日も吸血コウモリの洞窟でろうそく一本を頼りに匍匐前進していますか?

さて、昨年秋に日本語教育学会の研修で話した「ネットワーク化の7つのステップ」について時ときどき照会があるので、もう少し詳しく書いておきたいと思います。ネットワークというより、もっと自然なコミュニティをオンラインで作りたいという人からのコメントなどをいただいております。

以前、このブログでも概要をご紹介しましたが(http://mongolia.seesaa.net/article/378622763.html)、7つのステップの最初は「参加者を見つける」です。

でも、実はその前にやっておかなければならないことがいくつかあります。それは「場」を作っておく、ということです。というのも、FACEBOOKなどでも知らない人にいきなり友だち申請しても相手は驚いてしまいますし、受け入れてくれないことがほとんどでしょう。でも、「こういうコミュニティを作りました。もしかしたら、ご関心があるのではありませんか」というアプローチなら、その敷居がだいぶ低くなります。何人に声をかけたかとかは記録していないので大雑把な印象になりますが、地域限定の日本語教育関係のコミュニティーの場合は、アクティブなSNSユーザーの半分以上の人が参加してくれているように感じています。

では、「場」とは何でしょうか。

Google+の場合は「コミュニティ」があり、FACEBOOKの場合は「グループ」と「ページ」という2種類があり、ツイッターの場合はハッシュタグになります。実を言うとGoogle+とFACEBOOKにもハッシュタグはあるのですが、今のところネットワークやコミュニティを育成するにはハッシュタグよりもコミュニティなどの方が有効なようです。

しかし、こういう場を設定しただけでは、まだ参加者を呼んでくる用意ができたとはいえません。というのも、場があるだけでは参加者は何も投稿してくれないからです。空っぽのコミュニティを一度覗いただけで、もう二度とやって来ません。

そうした事態を防ぐために、まだ会員がゼロの状態でも、どんどんその「場」にコンテンツを投げ込んでいきましょう。

そのときに気をつけなくてはならないことがいくつかありますが、ひとつはコンテンツがそのコミュニティの方向性にあっていることです。たとえば特定の地域の日本語教育関係者のコミュニティを育てたいなら、少なくとも日本語教育に関するもの、できれば、その地域の日本語教育に関する内容が望ましいでしょう。日本で出版される日本語の教科書の新刊情報、日本語教育関係の最新の学術論文、ネット上に次から次へと共有されていく日本語教材動画など。こうした情報の集め方、発信の仕方は、以前このブログに「僕の情報発信術」というタイトルで4回に分けて書いたことがありますので、ご関心のある方は文末の参考URLをご覧ください。

会員を呼んでくる前に投稿しておく量としては、少なくともそのページをパソコンのブラウザで開いたときに、画面が全部埋まっているぐらいは必要でしょう。コンテンツが1つか2つしかないと、空白が表示されてしまって閑古鳥が鳴いているような侘びしさを醸しだしてしまい、初めて訪れたお客さんはドン引きしてしまいます。パソコンの解像度によってどのぐらいの広さが表示されるかは違いますので、解像度の低いパソコンで作業している場合は、その2倍ぐらいのコンテンツを準備しているぐらいでいいと思います。

しかし、画面がコンテンツで埋まったらそれで充分というわけでもありません。というのも、そのコミュニティがどのぐらい活発かは投稿日時ですぐに分かってしまうからです。たとえ画面が埋まっていても、最新の投稿が何ヶ月も前のものだったら、訪問した人はケンシロウのように「お前はもう死んでいる」と言って二度と帰ってきません。そう、SNSには何ヶ月も更新されない、死んでしまっているコミュニティがいくつもあるのです。

こうして逃げられてしまうのを避けるためには、できれば毎日2つか3つ、最低でも一週間にひとつ以上は投稿をしておかなければなりません。つまり更新頻度を一定の高さに保っておく必要があるのです。

そこまでしておけば、来訪者にとっては再訪することに何らかのメリットを感じるはずですから、チラ見だけではなく、「コミュニティに参加する」「コミュニティの参加をリクエスト」などのボタンを押してくれる可能性が高くなります。

ただ、こういう状態はまだ一方的に情報が提供されているだけなのでコミュニティとはいえず、できれば提供されたコンテンツに対して質問やコメントなどがされていたり、あるいはコンテンツ自体が複数の人から提供されていることが望ましいでしょう。というのも、情報提供者が一方的に発信しているだけの場に最初にコメントをするのはとても勇気がいるからです。そういう意味では、知らない人に声をかける前に、まずは知り合いに声をかけてコミュニティの核を作っておいて、ある程度会員同士のコミュニケーションに血が通い始めたあとで、知らない人にも声をかけるという順番がいいかもしれませんね。

とは言っても、そこでも気をつけなければならないことがあります。というのは、あまり親しい人同士でコミュニティの核を作ってしまうと、逆にそれ以外の人がその場に入りにくくなってしまうのです。特に内輪受けのネタで盛り上がってしまったりすると、そのネタが分からない人は疎外感を感じてしまいますから、充分に気をつけましょう。日本語教育関係で慎むべき内輪受けというのは、たとえば特定の学校の中でしか分からないようなことですが、逆に日本語教育の中の人なら分かるが、それ以外の業界の人は分からない、というような内輪受けは、日本語教育関係者のコミュニティを作るには非常に効果的です。ツイッターなどで「#(業界名)あるある」というハッシュタグを見かけることがよくありますが、あれなどはその典型ですね。
(たとえばこちらは #日本語教師あるある の一覧。 http://goo.gl/cs8uon

【今日のまとめ】
ネットワークやコミュニティには「場」が必要。
会員が一人もいなくてもコミュニティにはコンテンツを入れておこう。
その時大事なのは
・コミュニティの方向性にあったコンテンツを用意すること
・更新頻度を一定の高さに保つこと
・できれば簡単なコメントや質問などのコミュニケーションがあること
・ただし内輪受けっぽいと逆効果
の4つ。

【参考】

むらログ: 僕の情報発信術01 情報収集は「待ちの姿勢」で。
http://mongolia.seesaa.net/article/280534828.html

むらログ: 僕の情報発信術02 整理のための一次アウトプット
http://mongolia.seesaa.net/article/281152468.html

むらログ: 僕の情報発信術03 前回の補足 ナレーションが中心の場合
http://mongolia.seesaa.net/article/281302964.html

むらログ: 僕の情報発信術04 整理して二次アウトプット
http://mongolia.seesaa.net/article/281505135.html

むらログ: ネットワーク化の7つのステップ
http://mongolia.seesaa.net/article/378622763.html

そして冒険は続く。
posted by 村上吉文 at 03:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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