2007年04月10日

web2.0が開く新しい「日本事情」

web2.0の本質の一つに「ユーザー参加」がありますが、ここから「日本事情」の授業にもいろいろな新しい手がかりが出てきそうです。
というのも、今までは日本事情で使うナマ教材は、基本的に新聞やテレビなどマスメディアが出しているものや、あるいはスーパーのチラシなどの商用のものしかなかったのが現実だと思うのです。

ところが、web2.0の時代になって状況は劇的に変わりつつあります。たとえば沖縄の小学校で作った新聞ブログがあります。
http://mtdemo.sixapart.jp/oozatokita/blog01/
トップには動画もあって、普通の小学生が(まあ、ホンネかどうかはともかく)普通にしゃべっています。こういうのは、辺境で長く働いていた私としては、感動ものです。こんなものがネットさえつながっていれば、世界中どこでも見られるんですから。

上記のブログは学校で使ったものですから、ある意味で大人の手が入っています。それも含めて日本事情ということもできますが、もっとスゴイのは、やっぱりナマの声がそれぞれの現場で聞けることですよね。たとえば私にとって高校時代ははるか遠くなってしまいましたが、高校生ブログランキング(http://www.student-blog.com/high/rank/)なんかを見れば、イマドキの高校生の生の声がすぐに見られますし(それも、上位のものはかなりエンターテイメントとしてもすぐれています)、mixiで年齢を限定して検索しても、すぐにその年代の人たちの日記が読めます。

今までは「ナマ教材」と言えば「外国人学習用に編集されていないもの」という意味でしかなく、たとえば日本の高校のことを紹介するにしても、マスコミや広告会社などの編集を経たものしか提供できなかったわけです。しかし、今では本当の意味での「ナマ教材」、つまり、日本の高校生が自分の言葉で情報発信しているものが、誰にも編集されない状態で、そのまま海外の日本語学習者まで届く時代になったわけです。

(このあたり、日本しか知らない若い人には当たり前すぎることなんでしょうけど、家に電話もなく、日本に電話するには中央郵便局まで行って二時間半も待たされてようやく三分話せるかどうかという状況を体験している人間としては、非常に感動的なわけです。)

このブログでは、今まで学習者が情報を発信するという視点で何度かweb2.0に触れてきましたが、そちらの面でも、上記の新聞ブログは興味深いです。というのも、今回のプロジェクトでは以下のような調査結果も出ているからです。
「記事執筆の効力感」についても、実習前後で大きく上昇しました。今回の実習が、文章を書くことや作文に対する抵抗感を減少させ、材料を集めれば長い記事も書けるんだという効力感が増すことがわかりました
http://www.matsuno-lab.com/newspaper/
このあたりは日本語教育に大いに関係してきそうですね。この他にも「新聞への好意度」「新聞購読意欲」「新聞の必要性の認識」「地域再発見への意欲」などでポジティブな変化が起きている調査結果が出ていますので、ご興味のある方はリンク先をご覧ください。
posted by 村上吉文 at 06:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
先生、お久しぶりですね。お元気でいらっしゃいますか。私が帰国してから、毎日忙しくて、先生に連絡しなくて申し訳ございません。><!
昨日、私がツキコとチャットしていたとき、面白いブログを教えてくれました。ツキコのブログを見てすごいなと思って、自分もブログを作って見ました。ご都合がよければ、是非、お訪ねになってください。先生の役に立つコメントを楽しみにしております。
先生のブログも授業に対してとても役に立って、大変参考になります。このような素敵で役に立つブログを公開されて、ありがとうございました。:)では、また。:D
こちらは私のブログです。
http://usagipower.seesaa.net
Posted by ウサギ at 2007年04月12日 03:17
うさぎさん、こんにちは。お久しぶりですねー。
ウサギさんのブログ、見てみました。これからが楽しみですね! 
Posted by 管理人 at 2007年04月12日 05:22
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック