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2013年10月15日

映像配信できる「技術の素人」とは

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


Ensimmäinen HangoutOnAir

冒険家の皆さん、こんにちは。

前の記事にも書いたとおり、先日の日本語教育学会は最先端の試みに触れることができて、非常に刺激的でした。しかし、最先端な試みというのは、当たり前ですが、誰でもできるわけではありません。誰でもできないからこそ、価値があるのでしょう。そういう意味では、ああいうところで発表する人は、皆さん冒険家の要件の一つはクリアしていますよね。

ただ、ある分野の専門家であっても自分の専門外の分野については世界の最先端を極めているわけではありませんし、日本語教育という分野も極めて細分化されているので、学会で紹介されているものがいかに素晴らしくても、「自分では真似できない」ということが少なくありません。

一方で、27日に僕が講師として協力する日本語教育学会のイベント「インターネット映像配信サービスを利用した教師研修と遠隔授業の実際」は、学術発表ではなくて研修なので、むしろ「誰にでも真似できる」ことを扱います。

もう少し具体的に言うと、日本語教育関係の学会発表でICTに関するものというと、ほぼすべて、以下の3条件のうちの一つは必要になっています。

・高度であれ初歩的であれ、プログラミング言語の習得が必要なもの
・MoodleなどのLMSをインストールするためのサーバー管理が必要なもの
・ハードウェアの購入などの予算的な措置が必要なもの

しかし、プログラミング言語の習得はスクラッチなどでかなり簡単になったとはいえ、ある程度の時間を投資しないと身につきませんし、中には投資しても身につかない人もいるでしょう。

また、サーバーを管理できるのは組織に属している人か、あるいは自分でサーバーを立てる事ができる人です。組織に属していても、サーバー管理者が保守的な場合や、能力が低かったりすると、実用的なレベルでMoodleなどのLMSを運用することはできません。また、世界で最初に日本語弁論大会をネットでライブ中継したのはカナダの大会だったと言われていますが、その時は自社サーバーにストリーミング用のソフトをインストールして、中継したそうです。これも普通の日本語教師だけでは、立場上できなかったことでしょう。

3つ目の、特殊なハードウェアを購入できるのも、組織に属していて、予算を要求できる立場の人に限られます。非常勤の人たちには、ハードルが高すぎます。たとえば、2009年に低価格であることを「売り」にして発売されたポリコム社のテレビ会議システムは税別で83万円でした。「すげー!たったの83万円でテレビ会議ができるなんて!」と驚いている人たちがいましたが、83万円も出せるのは儲かっている業種の人たちだけのことで、日本語教育の関係者にはまったく別世界の出来事でしかありませんでした。

しかし、この数年の技術的な進歩で、状況は劇的に変わりました。

USTREAMやGoogle+ハングアウトオンエアーなどで動画配信はサーバーを持っていない人でもできるようになりました。実を言うと、こった演出などをしなければUSTREAMでもサーバー管理どころかパソコンに専用のソフトをインストールする必要もありませんし、ハングアウトオンエアーの方はもともとインストールすべき専用ソフトすらありません。(スマホ用のアプリはありますが)

また、ハードウェアについては、僕がメインマシンとして今も使っている定価199ドルのパソコンですらカメラとマイクが付属していて、それさえあれば他に何も必要ありません。古いパソコンでも2000円程度のウェブカメラを購入するだけでいいのです。

言うまでもなく、これらを使うのにプログラミング言語の習得なんていうことも必要ありません。

つまり、たった数年前までは非常勤の日本語教師には全く手の届かない別天地の夢の様なお話だったことが、たった199ドルのパソコンとインターネットさえあれば、文字通り「誰でも」できるようになっているのです。

今では、「パソコンもスマホも持ってない」「家でも職場でもネットにアクセスできない」という人は、もうほとんどいないのではないかと思います。もし、そういう方がいらっしゃったら、27日の研修にはちょっとお誘いできませんが、パソコンかスマホを持っていて(あるいは職場で使えて)、家か職場からネットにアクセスできる人は、誰でもご参加になれます(有料なんですけどね)。

まだ、席に若干の余裕があるようですので、ご関心のある方は是非いらしてください。心よりお待ちしております。前半は僕が中心に情報提供しますが、後半は質問と解説,ディスカッションだけなので、みなさんのお話をたっぷりお伺いすることもできるかと思います。

お申込み・詳細はこちら(研修会場への参加申込は10/21まで)
http://www.nkg.or.jp/kenshu/kensyu-2013/NKG1309092013internet.pdf

配信はこちら(配信での視聴のみの方は無料・申込不要です)
https://sites.google.com/site/eizohaishin/

そして冒険は続く。
posted by 村上吉文 at 12:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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