月刊日本語からいらした方はこちらへ!

2013年08月17日

語学学習ツールとしてのGoogle翻訳


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


#Google #translate truth ;)

さて、以前、「GTE学習法」というのをご紹介しました(http://goo.gl/wtYwa8)。Googleを使って試行錯誤(Try & Error)で勉強するので、僕が勝手にそう呼んでいるのですが。このとき、「Google翻訳とフレーズ検索を使う」と書いたものの、前回はフレーズ検索の話が中心で、Google翻訳の使い方があまりできなかったので、今回そちらもご紹介しておきます。

「Google翻訳」というのは、元は名前の通りの単なる翻訳ツールに過ぎなかったのですが、今ではいろいろな機能を備えた、総合的な語学学習ツールと化しています。楽器として使う人もいますが、これはちょっとやり過ぎですね。(http://goo.gl/XtwdAx

■ もうIMEなんかインストールする必要なし!
Google翻訳で何ができるかですが、まずは外国語入力ツールとしての機能をご紹介します。以前、アラビア語入力ソフトを入れたら世界が変わったという経験をご紹介しましたが(http://goo.gl/vVqlXg)、パソコンに外国語の入力ソフトを入れるのって、面倒くさいですよね。しかも、初級のころはそんなに大量に入力できるわけでもないので、母国語や英語の入力量に比べて使用頻度の低い言語のために言語切替の選択肢をひとつ増やすのは面倒だったりします。今はChromeOSのパソコンで仕事をしているので大丈夫ですけど、ウィンドウズの頃は、ショートカットなんて押してもいないのに勝手に入力言語がアラビア語になってしまって、何度日本語に戻してもまた自動的にアラビア語になってしまい、結局、日本語を使えるようにするにはOS自体をを再起動しなくてはいけなかったとか、そういうこともありました。

しかし、Google翻訳を使えば、そこで扱われている多くの言語で(もしかしたら全部の言語かも)、入力できるようになります。入力結果はコピペなどもできますから、こういう長いブログ記事を書くこともできるのです。まあ、そういう量を書ける人だったらちゃんと入力設定をしておいたほうがいいかもしれませんが。

たとえばハンガリー語では、母音の上に点が1つあったり2つあったり、その点がときどき点じゃなくて線になっていたりして、日本語や英語のキーボードでは入力できないのです。しかし、Google翻訳のページで、たとえば翻訳する元の言語をハンガリー語にして、それを英語なり日本語なりに翻訳する設定にすると、画面の左側の、翻訳前の言語を入力する欄の下の部分にキーボードのアイコンが出てきます。で、そのアイコンをクリックすると、ハンガリー語を入力するためのキーボードが画面上に表示されます。ご想像の通り、そこで表示されたキーボードをマウスでクリックしていくと文字が入力できるのですが、実はそれだけではないのです。

このソフトキーボードが表示されている間は、ハードウェアのキーボードもハンガリー語になっていて、いちいち画面上のキーボードをクリックなどしなくても、画面外のキーボードから直接ハンガリー語を入力できるのですよ! たとえば、キーボードの左上の方にある数字の「1」の部分は、画面上のソフトキーボードでは「i」の上に斜めの線があるハンガリー語の文字なのですが、キーボードで「1」とタイプしようとすると、その斜め線付きの「i」が入力されます。

これってすごいですよね。入力ソフトをインストールしなくてもいいんですから。

実はこういうツールは各言語にあるらしく、僕もアラビア語の入力ソフトをインストールしてしまったあとで、入力ソフトと同じ会社のマイクロソフトが、同じようにウェブ上でアラビア語を入力できるウェブサービスを公開しているのに気づいて後悔したことがあります。(なんか面白いですね、「公開」に気づいて「後悔」って。あははは。・・・・すみません)

ただ、Google翻訳のすごいところは、それが外国語入力サイトなのではなく、実は翻訳サイトだということです。つまり、外国語を入力しながら母語に訳していけば、それが正しいかどうか、ある程度チェックできるのです。実際にやってみると面白いですよ。左側の入力欄に打ち込んでいくと、どんどん右側の翻訳欄に出てきますから。

実際にそれをやっている動画を以下にご紹介します。
http://goo.gl/LGd8zn

単純な入力ミス、たとえば「Budapest」を「Budepest」と入力してしまったときは、入力欄の下に「もしかして」と、訂正する候補が表示されます。また、もっと変則的なことを入力してしまうと、右側の翻訳欄が意味不明なことになってしまうので、すぐに分かります。

僕はまだあまり使っていないのですが、Google翻訳の入力ツールには音声入力もあり、マイクのアイコンを押すと使うことができます。これも、自分の発音のチェックなどに利用できるかもしれませんね。

■ もっと初心者の場合は
さて、中には「まだ何も分からないから、入力なんてできないよ!」というレベルの人もいるでしょう。何語であれ、最初はみんなそこからスタートするのですから当たり前です。その場合は、日本語や英語などの、現在の目標言語よりも使える言語を入力して、それを目標言語に翻訳するという学習方法があります。

ただし、翻訳結果を見てそれで安心していては一向に語学は伸びませんから、その翻訳結果を見ながら、今度はそれを入力欄に打ち込むという練習などは必要です。つまり、Google翻訳を2つの窓で開くわけです。こういう方法も動画でご紹介していますので、ぜひこちらをご覧ください。
http://goo.gl/WbRD8n

なお、こうした翻訳結果は「自分の言いたいことを言うために使う」という教科書にはないメリットがありますが、今のところ完全に信頼できるほどの精度では翻訳されません。そのため、昨日ご紹介したLang-8などに投稿することをおすすめします。それがソーシャル・メディアの時代のメリットですから。上記の動画で書いた文を僕がLang-8に投稿したのは以下でご覧になれます。
http://goo.gl/L7QcjN
ここで本文の右上にある「show」か「show all」をクリックすると、実際にどのように添削されたのかが分かります。

■ 注意点もあります。
さて、Google翻訳はすごいスピードで進化しているのですが、実はそれでも気をつけた方がいいことがいくつかあります。

一つは、どうやら現状では英語を介して翻訳しているらしいということです。ですから、たとえばベトナム語の「広場」にあたる言葉を日本語に翻訳すると、なぜか「四角」になったりしたことがありました。多分、英語のSquareからこのようになってしまったのでしょう。(今もこのように翻訳されるかは試していません) ですので、特に抵抗のない人はハンガリー語などを入力するときは、日本語に翻訳するのではなく、英語に翻訳する設定にしておいたほうがいいのではないかと思います。もともと、日本人であれば英語よりもハンガリー語のほうが上手い人とかあまりいませんから、日本語ほど英語が使えない僕のような人間でも、そのほうがGoogle翻訳を上手に使うことができます。

また、もう一つは、語彙には強いが文法には弱いというGoogle翻訳の特徴を押さえておいたほうがいいということです。たとえば「攻殻機動隊」と入力すると「Ghost in the Shell」と英語タイトルが出てくるほど語彙レベルでは大量のデータを持っているのですが、重文や複文を翻訳させようとすると、主語と述語の関係などがずれてしまうことがよくあります。ですので、「妻に作ってもらった弁当を家に忘れたので、取りに戻ったとき、妻はいなかった」というような主語が明確でなく長い文は「私は弁当を妻に作ってもらいました。私はそれを家に忘れました。だから家に取りに戻りました。そのとき妻は家にいませんでした」という程度に噛み砕いてやる必要があります(2つの翻訳結果はこちらで比較できます。http://goo.gl/qI2vfg )。読点で文が分かれていれば、Google翻訳はそれほど問題のある訳を返して来ませんから、まず別々に訳して、そのあとで自分で一文に組み立てるという方法がいいでしょう。

また、それでも間違いが残ってしまうこともないわけではありません。そのために、時間があれば以前ご紹介したフレーズ検索で検証するのもいいと思いますし、あるいは前述のようにLang-8に投稿してネイティブに添削してもらうのもいいと思います。そして更に余裕があれば、Lang-8などで添削してもらった文章を人間の語学の先生に見てもらうのもいいと思います。Lang-8は母語話者が添削してくれるとは言っても、相手の生活などを知らない人が添削すると、ときどき、「いや、そういう意味で書いたんじゃないんだけどなー」という方向に添削されてしまうこともありますので、やっぱり最後は人間の先生がたよりになります。

■ お気に入りに入れて、しゃべらせて、おぼえよう!
さて、こうして翻訳した結果は、AnkiなりQuizletなりに登録して、あとから復習できるようにしておくといいのですが、実はGoogle翻訳でもそれらをリストにしておくことができます。やり方はとても簡単で、翻訳された言語の出力結果の窓にある星印をクリックすると、それが保存されるのです。クラウドですから、保存したリストはパソコンからでもモバイルからでも呼び出すことができます。

呼び出すのは、現在は画面の右側の方にある、リボン(しおり?)のマークのアイコンです。これをクリックすると今までに登録した翻訳のリストが表示されます。

スピーカーのアイコンをクリックすると、翻訳結果はいつでも音声化できるので、僕はある程度の数の翻訳結果がまとまったら、それをオーディオケーブルでICレコーダーに入れ、スマホに入れて毎日聞いています。もちろん、人工音声なのでなめらかでないところもあるのですが、何回も聞いて覚えるためには役に立ちます。

さて、このような学習を提案すると、よく「Google翻訳の間違いはLang-8などで完全にゼロにすることができるのか」と聞かれることがあります。答えは簡単で、もちろんできません(^^)。 だからこそ、トライアル&エラー、つまり試行錯誤なのです。教科書に出てくる、清く正しく美しい日本語を暗記するだけでは、言葉は身につきません。しかも、リソースがとても少ない上に、コストが非常に高い。

GTE学習法では、ネットさえアクセスできれば、24時間、いつでもどこでも、試行錯誤を通して学び続けることができるのです。あなたの先生は、24時間、いつでもどこでも教えてくれますか? あるいは、あなたはあなたの学生の一人ひとりに24時間教え続けることができますか?


posted by 村上吉文 at 18:05 | Comment(3) | TrackBack(0) | 便利ツール | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
村上さん、いつもブログで勉強させてもらっています。
ここで質問していいものか、分からないのですが、
このページで、Google翻訳を使う方法が動画で紹介されていますね。
このビデオはどうやって録画しているのですか?
外部のカメラからなのでしょうか?
それとも、プリントスクリーンのような機能で内部から録画できるのでしょうか??

またお時間あったら、教えてくださいませ。
ほかに説明されているページがあるのでしたら、
すみません。教えてくださいますか。
Posted by さかうえあやこ at 2013年10月09日 10:49
質問大歓迎ですよ!
この動画はGoogle+のハングアウトという、動画を配信しながら録画するサービスを使って、画面をキャプチャーしています。
よろしかったらこちらをどうぞ!
http://mongolia.seesaa.net/article/369679391.html
一番最後の「オンラインでプレゼン!」というところに書いてあります。分かりにくかったら、ご遠慮なくまた聞いてください。
Posted by 村上吉文 at 2013年10月09日 13:42
ありがとうございます!!
検索できなくて…お恥ずかしいです。
早速見てみます。
お礼が遅くなってすみませんでした。
Posted by さかうえあやこ at 2013年10月13日 08:19
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック