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2013年07月03日

『引きだす力―奉仕型リーダーが才能を伸ばす』

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス


宮本亜門の『引きだす力―奉仕型リーダーが才能を伸ばす (NHK出版新書 389)』を読みました。主な想定読者としては、企業や公的機関などで課長職についたばかりの人などかも知れませんが、教育関係者にとっても非常に参考になる本です。

もともと宮本亜門さんのファンだったわけではなく、『踊る大捜査線』の第3作で「サーヴァント・リーダー」という言葉が出てきていて、検索してみたところ、非常に面白そうだったので購入しました。実は、著者が演出家の宮本亜門さんだということは表紙を開くまで気づいていませんでした。

内容は、カリスマ的な指揮官タイプのマネジメントではなく、奉仕型のリーダーによるマネジメントについてです。

あまり細かく内容を紹介する余裕がないので、僕がハイライトしていた部分を中心にご紹介します。(電子書籍リーダーで読むと、こういったことが簡単にできます)

「僕は役者にもスタッフに対しても強制することはありません。しかしある意味、これはある人たちにとってはとても辛いことでもあるのです。そのある人たちとは、演出家は絶対権威だと思っている人たちです」
「今までにない『在り方』に拒否反応を示すのは、どの業界にもあることです」

これは学習者にも言えますよね。
自律学習などの時には顕著ですが、学生の自主性を重んじる教員のクラスにこういうタイプの学習者が入ってしまうと、お互いに不幸です。そういう意味では、今後も従来の一斉授業型のクラスは必要だと思います。(もちろん、それ以外の多様な学習スタイルに合わせるために自律学習のクラスこそ大切だとは思いますが)

「パラダイムシフトの時期には、人々は我が身を守ろうと強く保守的になるか、新たな発想に興味をもつかどちらかにはっきりしてくるでしょう。したがって周りが萎縮すればするほど、反対に自分が何か始めたら、そこで差がぐんと生まれるということです」

ここも本当に同感です。僕がやっていることなんて他の人が開発した無料ツールを授業に応用しているだけなのに、周りにそういう人が少ないために、何だか「村上ってすごい」とか美しい誤解をしてくれている人がいます。

まあ、他にも書きたいことは色いろあるのですが、風雲急を告げるこの地ではなかなか余裕もなく、今日はここまでにしておきます。

『福沢諭吉』という映画のラストシーンで、上野戦争で彰義隊と明治政府軍が激突する中、柴田恭兵演じる諭吉が朗々と講義を続けていくシーンを思い出しながら。


posted by 村上吉文 at 14:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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