2007年03月19日

ネット上の素材をオンラインに使った授業

 モンゴルにいた一年前には考えられないようなことなのですが、学習者全員がパソコンの前に座ってネットにアクセスできる環境で三日間の授業をする機会を得ました。まあ、これからはこういう授業も珍しくもなくなるのでしょう。しかし私にとってはとても刺激的でしたので、ここでご報告しておきます。こういうエントリーを書いておくと、一年後には「うわっ、こんな恥ずかしいこと書いてる!」と振り返ることになると思うのですが、とりあえず現時点での試みを紹介しておきます。

 対象は全員が海外から来た十人弱の日本語教師で、レベルは能力試験でいうと2級程度の人が中心です。

 教案を書く前に考えていたことは、だいたい以下の四点です。

1.ただの読解にしない(インタラクティブな素材を選ぶ)
2.発信する
3.学習者に選択権を与える
4.どんな日本語を身につけたのかもリストアップする

まず、「1」ですが、一番簡単な方法は既に開設してあるブログにコメントすることです。よほど有名なブログでなければ、ブログの書き手から返事が返ってくることが多いですから。しかし、それには数時間から数日かかることもありますので、今回はそれだけでなく、診断型のサイトにも挑戦してみました。この授業で取り上げたのは「あなたはあと〜年生きられます」という、ちょっと刺激的なもの。
http://www.karadakara.com/sindan/check/ch030_1.html
診断結果もオンラインで見られるのですが、私の場合、授業前には「あと30年」だったのに、今同じURLを見てみると「後3年」になってます。をいをい。
http://www.karadakara.com/sindan/result/look_ch030_115658-e74923.html
インタラクティブという意味では、前にも書きましたがwikipediaに書き込んでみるのも面白いと思います。不自然な日本語は誰かが添削してくれますから。

「2」の「発信する」に関しましては、各国の健康法についてのwikiを作り、こちらが添削した後で、wikipediaに書き込むという作業をしました。実はこれで面白かったのが、後日談です。wikipediaに書き込んだ一つの例が「国際女性デー」の中の「ロシアにおける国際女性デー」の部分なのですが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%83%87%E3%83%BC
これがわずか一週間ほど後に、mixiの私の知人の日記で好意的に紹介されていたのです。こういうフィードバックがあるから、情報発信型の授業は面白いんですよね。

3.については、色々なところで書かれていますが、ネット上にはほぼ無限と言っていい素材があり、自由に選択していいということになると、選択するだけで一日かかったりしてしまいます。それで、レベルによっては範囲を限定したり、それが難しい場合は「おすすめリスト」を作って、そこから選んでもらうという配慮が必要になるのではないかと思います。
前述のhttp://www.karadakara.comの場合は、「メンタル」「ダイエット」「ビューティ
などの分野があり、その分野の中にさらに細かい診断項目を選ぶことになっています。たとえばダイエットの分野では「太りやすい度」とか「腸年齢」などが診断できるわけです。今回の授業では、まず「http://www.karadakara.comから選んでください」と選択範囲を制限した上で、それぞれの分野で「おすすめリスト」を二つずつあげておきました。
ダイエット(おすすめは「太りやすい度」「腸年齢」)
メンタル(おすすめは「ストレス度」「ストレス溜めやすい度」)
ビューティー(うーむ、私には分かりません)
メディカル(おすすめは「寿命診断」「応急処置知識」)
ボディ(おすすめは「運動不足度」「環境ホルモン危険度」)


留意点の「4.どんな日本語を身につけたのかもリストアップする」ですが、これは活動を通じていろいろな語彙を辞書で引いたりするときにメモをとっておいて、それを最後にリストにしておくのです。この作業によって、学習者は振り返りをする機会になりますし、教員にとっては授業が有効だったかどうかのフィードバックを得ることができます。

やってみた感想は、「とにかく楽しい」ということです。
2級ぐらいになると、学習が目的になってしまう活動はすでに飽きが来ていますから、「自分の余命を知る」などの「それ自体」が目的になる活動をして、その過程で日本語を身につける方が、動機ははるかに高いと思います。

失敗談は、クラスで「何を調べて、どんな結果が出たか」を発表してもらったこと。これは完全にまずかった。というのも、ちょっとコンプレックスを持っているようなことを調べた人が多かったからです。ですので、「あとで発表してもらいますよ」と事前に断っておくか、「4」のリストから教師だけが推測できる程度にしておくのが無難だと言えそうです。


posted by 村上吉文 at 07:49 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
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