2007年03月16日

遊びの四要素

日本語教師が授業を面白くしたいと思うとき、授業に何らかの遊びの要素を入れることを考えると思います。では、遊びの要素とは何でしょうか。よく引用されるロジェ・カイヨワの定義によると、遊びというのは以下の四つの要素のどれかが入っているのだそうです。

競争
偶然
模倣
眩暈
(ロジェ・カイヨワの)著書としてはヨハン・ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』に影響されて執筆した『遊びと人間』が有名で、カイヨワはその中で「遊び」を〈アゴーン(競争:文字通り徒競走など)〉、〈アレア(偶然:ルーレットなど)〉、〈ミミクリー(模倣:演劇やRPGなど)〉、〈イリンクス(眩暈:絶叫マシーンなど)〉の4種類に分類して考察している。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%83%AF


このうち、「競争」や「模倣」に関しては、いろいろな日本語教育の現場で日常的に取り入れられていると思います。「偶然」に関しては、実は私はまだ実践してみたことがなかったのですが、先日見学した授業で取り入れていたのを見て、確かにこれは使えそうだと思いました。

やり方は簡単です。まず双六を作ります。といっても、1から20ぐらいまでの数字を線でつなげただけの紙を用意するだけでいいでしょう。双六ですからもちろんサイコロとコマも必要です。あとは「あなたはどんな人と結婚したいですか」というような質問を双六でコマが止まるマスの数だけ用意し、それに「ふりだし」から「あがり」まで1から順に番号を振るだけです。

想像はつくと思いますが、学生がサイコロをふり、出た数だけマスを進み、そのマスに書いてある数字の質問に答えるのです。

たとえば双六の8のところにコマがあったとして、次の学生がサイコロを振って3の目が出たとすると、11までコマを進めて、質問の11番に答えるわけです。

やっている日本語の練習は「紙に書いてある質問に答える」という、どちらかといえばかなり簡単で、こういった小技を取り入れなければ単調になりかねないタイプのものです。しかし、そこに双六を持ち込むだけで、「次は何が出るだろう」というワクワク感が醸し出されるんですね。

遊びの四要素のうちの「偶然」を応用した見事な例だと思いました。

私も早速使ってみたいと思います。質問の中に「あなたの体重は?」なども入れておくと、ワクワク感がドキドキ感に変わるかも知れませんが、そういう質問が可能な雰囲気かどうかはクラスによって違うと思いますので、自己責任でどうぞ。

ところで、カイヨワの遊びの四要素のうち、最後の「イリンクス(眩暈)」を日本語教育に応用すると、どんな授業になるのでしょうか。今のところ私自身は思いつかないのですが、もし応用できたら、何かとんでもなくスゴイ授業ができそうで、ちょっとわくわくしています。

それと、私は今は日本語学習者よりも教師研修の仕事がメインなのですが、やっぱり日本語学習の現場っていいですねー。教師研修の、どちらかというとプロ同士の緊張感も悪くはないのですが、今回見学した現場は大学生だったので、若さから来る熱気に久しぶりに触れたように思います。

・・・なんてことを書く私も、もうオジサンかな。

カイヨワの著作はこちらから。
posted by 村上吉文 at 00:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック