2013年03月29日

島国根性とかムラ社会とか

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エジプトに限らず、中東の国々を見ていて日本より優れていると思うことの一つは、「敵とも交渉する」ということです。日本は「絶交!」とか言って、仲の悪い人とは没交渉になってしまいますよね。そして、交渉可能な相手はみんな味方ですから、別け隔てなく平等に接することが尊ばれるわけです。

逆にエジプトやサウジアラビアでは、八百屋さんなんかも親しい人には安くして、新参者には高くふっかけるなんてことがよくあります。そしてそれは、彼らの価値観の中では別に悪いことじゃない。だって味方を大切にするのは当然だし、敵と交渉しちゃいけないわけでもないし。だから、まず物の値段も決まっていない。

当然、日本人にとってはそれがフラストレーションになることもあります。日本のように物の値段は誰にとっても同じで、平等に接してくれる方が居心地がいいに決まっています。でも、日本は一生同じムラで過ごす農業文化で、かつ島国だからそれができたという面もあるのではないでしょうか。

それに、これってこのグローバル時代の文明としては弱いと思う。

たとえばA,B,Cの3つの国がお互いに敵同士で三つ巴の戦いを繰り広げているとしましょう。AとBはお互いに交渉するが、Cはどことも交渉しない。そして、たとえば毎年100人ずつお互いの国から捕虜を取るとしてみましょう。AとBはお互いに交渉可能なので捕虜を交換することができますが、Cは交換しません。

そうするとAとBは一年に100人ずつ兵を失う(Cの捕虜になった兵)わけですが、Cだけは200人ずつ失うことになります。この3つの国の中で一番早く滅ぶのはどこの国か、自明ですよね。

もちろん、敵と交渉しない文化にもメリットはたくさんあります。上にも書いたように交渉にかかるコストが低く抑えられる点なんかもその一つでしょう。でも、そういう文明の方が有利なのは、ムラ社会のように構成員の価値観がほぼ同一であるような社会だけですよね。これだけ多様化が進んでしまうと、交渉可能な相手が非常に狭い範囲に限定されてしまって、時には可能な選択肢がなくなってしまうこともあるでしょう。

こういう文化の違いがある以上、中東に来たばかりの日本人にとって、市場の老婆から路上で遊んでいる子どもまで、みんながみんな詐欺師のように見えてしまうのは仕方のない面もあるかとは思いますが、それは決して「悪い文化」などではないのです。むしろ、この変化の激しい多様な時代には、我々の方が学ぶべき文化なのではないかと思います。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
posted by 村上吉文 at 21:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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