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2007年02月02日

外国人技術研修制度と日本語教育

明日、北浦和でお話しする内容を詰めるための覚え書きです。
いろいろネットで調べたら面白いものが出てきました。
 JITCOでは、外国人研修生の受入れ機関が、集合研修を行う際にJITCOに登録されている日本語教育機関に委託して実施する日本語教育に対して、助成金を支給しています。本事業に伴うJITCO登録日本語教育機関は、2007年1月現在で78校です。

http://www.jitco.or.jp/whatsnew/070117koryushukai/070117koryushukai.html


モンゴルのオドンチメド労働大臣にたいするJITCO側発言
 研修・技能実習制度については、研修生・実習生が失踪したり、また、低賃金労働者として使用されるなど悪用されることがあるので、こうした不正が生じないよう送出し機関・受入れ機関との協議の際に指導するよう留意して頂きたい。
http://www.jitco.or.jp/whatsnew/20061225Mongol/061225Mongol.html
モンゴルでも、日本側がこういう発言をした場所に居合わせてしまったことがありますが、当然モンゴル側は怒っていました。低賃金労働者として悪用しているのは日本だもんなあ。モンゴルに注意しろっていうのは、やっぱスジが違うような気がする。


日本の受入れ団体・企業の代表者や指導員等、多くの人々の世話になっていることを理解させる必要があります。研修生として来日し、無事研修・技能実習を修了した後に帰国し、修得した技術・技能をもって母国の産業界で活躍することが、この制度の最終目的です。研修・技能実習期間を通じて、多くの人々から有形無形の世話を受けながら、研修生・技能実習生は日本に滞在することになります。
ところが、当の研修生・技能実習生は、多くの人々の世話になって日々生活しているという事実をともすると忘れがちです。
http://www.jitco.or.jp/j_info/sissoukaitei.pdf
「ともすると忘れがち」なのは、この制度の最終目的が労働力の輸入であることを当の研修生がよく知っているからでしょう。


外国人研修生受入れ 管理システム 「研修生チャイナくん」は外国人研修生の受入れ事業を行っている組合・商工会さま向けに作成された、各種申請書類を作成管理するシステムです。
(5年リース月額 24,000円より)

http://www.sys-i.co.jp/web/china/main.html
「所在不明報告書」を簡単に作る機能もあるそうです。そんなソフトが必要なほど失踪するんですか?


「有限会社ジェイエス企画」
将来の日本を考え今提案します。
わが国では、デフレ経済のなか企業のリストラや倒産などによる、失業率も過去最高と言われていますが、中小零細企業における雇用は難行しており、職業の需要と配給のミスマッチが問題となっています。また、小子化高齢化や農村部の過疎化、産業の空洞化が進み、中でも少子化による若年労働力は今後、急激に減少してまいります。若年労働者の不足、産業の国際化などにより、外国人研修生制度をを活用して日本の産業・経済を活発化させていく必要があり、避けて通ることができなくなってきます。外国人研修生の本格的な導入を検討する時期に来ていると思います。
(中略)
従業員の高齢化や人材不足に悩む生産現場において、働き盛りの優秀な人材(実習)による中長期的な生産・人員配置計画が実行できます。
従来外国人研修生の受入れは企業規模による枠がありましたが、事業協同組合による団体管理型の受入が可能となり、中小企業にも受入の道が開けました。:
(中略)
◇なぜ外国人研修生なのか
現在、中小製造業の現場で抱えている悩みは?
◆生産現場では若い人材が長続きしない。
◆高齢化が進んでいる為、生産性が低下し、短サイクルに対応できない。
◆外国との競争
メリットは?
◆人材不足の解消
◆生産効率の向上
◆会社の若年化
◆仕事に対する不平を言わない
◆職場の活性化
http://www.jsplan.co.jp/kenshu/
ときどき「空気読めない奴」っていますよね。この外国人技術研修制度については「国益のためじゃなくて国際貢献」というのがタテマエで、他のところはそういう空気をよく読んで本音は語っていないんですが、このジェイエス企画さんはホンネ丸出しです。まあ、ときどきこういう「空気読めない奴」がいるおかげで、真実が見えてくるんですけどね。


「銚子事件」1998年
 全国生鮮食品ロジスティクス協同組合という千葉の銚子に本拠地がある団体がありまして、蒲鉾などを造っている会員事業所に、技能実習生を受け入れておりました。技能実習生の賃金の一部を搾取していた疑い、すなわち、労働基準法で中間搾取が禁止されていまして、それの違反の疑いがあるということで、昨年の6月に千葉地方検察庁と千葉労働基準局が合同で捜査を行いました。そして11月にその団体の理事2名が技能実習生の賃金約1億6,000万円のうち6,000万円ぐらいを技能実習生に支払い、残り1億円を理事が搾取していた容疑で逮捕されました。
http://www2.mhlw.go.jp/info/shingi/antei/antei/sbg990805.htm
この一億円というのは、理事が懐に入れたのではなくて、「受け入れ管理費」として中国に渡ったのではないかという噂もありました。だとしたら、まさに「人買い」ですよね。

「日中ファッション研究協同組合」
日中ファッション研究協同組合は、JITCO(国際研修協力機構) 「日本語教育支援」の日本語教育専門機関として認定されています。 「中小企業日本語教育支援助成金」支給の対象となる学園です。
http://www.chuokai-gifu.or.jp/nicchu-f/tr_naiyo.html
↑組合の名前が、どう見ても「専門」機関に見えないんですけどねえ。しかも、JITCOのリストに載ってないし。「うすずみ研修グループ」というのがリストにあるけど、これのことかな。


決定者には培訓中心での日本語教育のほか軍隊での道徳・情操・安全教育を含み3ヶ月間の研修を実施しています。
http://www.chuokai-gifu.or.jp/nicchu-f/tr_naiyo.html
モンゴルでも技術研修生になる勉強をしている人たちは、大きな声で挨拶はできるし、お辞儀も必ずできるんだけど、肝心の語学はイマイチという人が多かったです。中国では軍隊で訓練ですか。それにしても日本語教育も多様なものです。

「企業組合リエゾン協会日本語教育センター」
労働安全に関連する資格等にしても、社会保険労務士・労働安全コンサルタント・衛生管理者・職業訓練指導員・危険物取扱者・中小企業安全衛生推進員・労災防止指導員・心理相談員の他、広島市生活衛生推進員、KYT講習・救命講習の修了者、安全管理者・防火管理者・車両管理者等の職務経験者等が、その知識や経験を日本語教育にも応用して助言できる体制があり、他の日本語指導者だけの教育機関には、まねのできない指導ができるものと自負しています。
http://www.npo-ark.or.jp/kensyu.htm
まあ、確かにこういうのを教えられる日本語教育の専門家は少ないだろうな、と思います。ここが、こういった現場の専門家と日本語教育の専門家のチームワークの上に成り立っているといいですね。

JITCOの「中小企業日本語教育支援助成金の支給額」
外国人研修生の人数 支給の限度額
1名〜 9名 5,000円に人数を乗じた金額
10名〜30名 一律50,000円
http://www.jitco.or.jp/contents/enjo_nihonngo.htm
これ、JITCOに電話で確認してみたら、入国直後の一ヶ月間にのみ行われる集合研修に支出されるのだそうです。

「特集:外国人労働者」
1990年の法務省告示により,今日でいう「団体管理型」の外国人研修制度が認可され、(中略)団体管理型に注目すると,研修生に占める割合は,1994年時点では1割強であったものが,2002年には約5割に達している。
http://db.jil.go.jp/cgi-bin/jsk012?smode=dtldsp&detail=F2005010101&displayflg=1
この「団体管理型」っていうタイプの技術研修制度の導入が、明示されてはいないものの、国際貢献から、救済企業救済のための労働力輸入に舵を切った瞬間だと、私は思っております。
posted by 村上吉文 at 16:57 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
「空気を読めない」のくだりはヒットしました(笑)
確かに、正直な会社ですね。逆に好感持てます・・・。
JITCOってのに、そんな詳しくないんですが、別にこのJITCOを通さなくても研修制度は利用できるんですよね?
このJITCO、財団法人ってことは、(当たり前ですが)この人たちも金儲けが目的なんですよね?


特に関係ない話ですが、フィリピンのときいた学校では、JITCOを通してなかったので、フィリピンの間の日本語教育費は、日本の受け入れ企業が持つとのことでした。
Posted by みっちー at 2007年02月02日 22:26
どうもどうも。コメントありがとうございます。
2005年の8300人のうち、JITCO分は確か5700人ぐらいだったと思います。
JITCOの金儲けに関しては
「JITCOは個人や企業・団体が会員として支えており、総収入における会費収入は40%近くにのぼるなど、JITCOに対する企業・団体の立場の大きさがうかがえる」(http://phrik.misc.hit-u.ac.jp/Asami/Zemi/Sron/shiino/ch2.html)なんていう記事もありました。
Posted by 管理人 at 2007年02月03日 04:17
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