2007年01月28日

漢字王国

楽しさと成績は別物という記事がありました。
「楽しさ」と成績は別物!? http://www.chunavi.net/2006/10/post_37.html
確かにそうかもな、とも思います。
しかし、ここからすぐに「楽しい授業よりも詰め込みの方が効率が上がる」なんて結論は導き出せません。なぜなら「成績が悪いから手間がかかっても楽しい授業をするしかない」「成績がいいから手間のかかる楽しい授業をしなくてもいい」ということも現実にはよくあることだからです。

基本的に、自分の知っていることを延々としゃべり続けるだけの授業が、いちばん手間がかかりません。楽しくするためにはゲームや視聴覚教材などを用意しなくてはなりませんが、そういう準備はとても大変です。

さて、記事では「楽しくて身近な数学を、生徒が自信を持って学べるように――。全米の数学教師たちが心を砕いてきた授業方針」と書いてありますが、私も含め、教育とかトレーニングに関わる人間は、もちろんみんなが楽しく授業をしたいとは思っていても、それは充分に満足できるレベルに達しているのでしょうか。

たとえばタイピングの世界では「特打」シリーズとか、非常に趣向を凝らしたものが出ていますが、日本語教育の世界ではあのレベルのものは見た記憶がありません。

また逆に、言うまでもなく「楽しく」だけではだめで、それが「学習効果」につながっていなければならないわけです。楽しさを学習効果より優先してしまったら、それは楽しいかもしれないが、授業といっていいのか分かりません。

ということで、前ふりが長くなりましたが、こりゃマジに面白いです。
「漢字王国」http://www.19online.net/kanji/
ポケモン風の(といったら抗議されるかもしれませんが)敵キャラとか、BGMとか、ぜんぶオリジナルで専門家に作ってもらっているらしいし、気合の入り方が違います。もちろん、外国人対象の日本語教育のために作られたものではありませんが、日本語教育の現場でも役に立つことは間違いありません。

このサイトの「教材らしくない」ところを考えてみると、以下の三つが考えられます。

まず、絵や音楽が違います。ここにあるのは、よくある学習ビデオのとってつけたような無難なBGMではありません。戦いの緊迫感とか、闘争心を掻き立てるような音楽です。ゲームの音楽としては普通かもしれませんが。

次に、キャラクターが選べることです。しかも、絵が違うだけではなくて、生息地や性格などが攻撃の効き方などに反映されていて、それぞれのストーリーがあります。

最後に、連続わざの効果です。攻撃が何回か連続して決まると、特にダメージの大きな攻撃が行えるなどの特典がつきます。最初は予想外の驚きがありますし、次回からはその効果を狙うことが小さな実践目標になります。すぐに見返りが得られる実践目標までの距離が短いわけです。

ということで、オススメです。
漢字王国 http://www.19online.net/blog/
posted by 村上吉文 at 08:28 | Comment(3) | TrackBack(0) | 日本語hacks! | このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント

『「楽しさ」と成績は別物!?』
私も本当に思います。

現に私がそうです。
モンゴル語も英語も大好きです!
でも、モンゴル語で読み書きはあまりできないし、英語もずっと習ってた割には下手だし、成績的にも…。

でも、やっぱり好きです。やってると楽しいし、新しい単語や表現を使えたら嬉しいし、モンゴル人や英語話者とコミュニケーション取れるとすぐく楽しいです♪

だから学生たちに時々聞いてしまうんです。
日本語好き?と。
「はい、好きです!」という答えがほとんどです。でもその後に「でも、漢字が…」と続きます。
成績と日本語が好きなことが正比例しない子に対してはやっぱりその子の努力を認めてあげる態度を示すことが本当に大切ですね。落ち込んでしまっている子にはこう言って励ましています。「成績的にはよくないけれど、でも、あなたの前の試験よりは今回の試験のほうがずっといいできですね。私はあなたが頑張ってるってちゃんとわかってるからね。心配しないで、努力を続けてね。みんな日本語好きで勉強しているから、成績評価は客観的に力を測定できるペーパーテストで図るしかないから…。人の能力に優越をつける必要は本当はあまりないのだけれど、でも、学校に入る時、就職する時、絶対試験を受けることになりますからね、そういう社会の基準のようなものですから試験を受けるということから逃れることは現状では無理でしょう。でも、好きこそものの上手なれといいますし、語学は続けて努力をした人がうまくなります。スピードは問題じゃありません。人より時間がかかるだけだから、とにかく続けてください」と。もちろん、怠け者の学生には違う言葉をかけていますけどね。

モンゴル人に日本語を教えてて運がいいなと思うのは、モンゴル人の感受性の豊かさです。こちらの愛情をすぐに察知してくれるというか。励ましたり、慰めたり、愛情のこもった叱り方をすると割とすぐに反応が返ってきます。毎日の10分漢字テストを頑張り始めたり、私とできるだけ話そうとしてくれたり。

楽しさと成績が正比例しない学習者には教師の愛情と情熱と励まし。これが効くようです。
Posted by しばりえ at 2007年02月13日 02:22
ゲーム感覚でリラックスして取り組めるものって、学生も楽しめてしかもプラスαの力がついていいですね。私も何かおもしろいゲームをどこかから見つけて来ようっと。
Posted by しばりえ at 2007年02月13日 02:35
しばりえさん、コメントありがとうございます。
私は実はあんまり語学の勉強って好きじゃないんですよー。だからこそ、何とか楽しくできないかなあと工夫をしているわけです。

できれば、この漢字王国みたいなのを外国人のための日本語教育の分野でも作ってみたいですねー。
Posted by 管理人 at 2007年02月13日 03:15
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