2007年01月18日

ヒューマン2.0―web新時代の働き方

非常に面白い本が出ましたのでお知らせします。
ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない)

まず第三章「インターネットで起こる変化」は梅田さんの「ウェブ進化論」に興奮した人なら面白いはず。私のような文系の人間でもワクワクしますね。
本題は第七章の「シリコンバレーで誕生する四つの働き方」以降になりますが、読んで思ったのは、バブルの頃に学習者が急増して、いまだに巨大資本の成長していない日本語教育界というのは、実はシリコンバレーにかなり近い働き方をしているところなんだな、ということです。

さて、その「四つの働き方」というのは
・フリーランス
・ライフスタイルワーカー
・チャンクワーカー
・ポートフォリオワーカー
の四つですが、日本語教育界に多いのが二番目と三番目。
「フィリピンに住みたいから日本語教師!」という人が結構いますが、こういう「自分の好きなところに住むのを重視する」のがライフスタイルワーカーです。このブログからリンクさせていただいているベトナム在住のKENさんとか、モンゴル在住のshibarieさんもそうですよね。私自身も一年前はまだモンゴルに住んでいましたし、モンゴルは計8年にもなります。
それから、海外中心で少しずつ学歴や職歴を少しずつキャリアアップしていくタイプの日本語教師も多いですが、こういうケースは三番目の「働く期間と休みを取る期間を分割するチャンク・ワーカー」ですね。私自身も学士をとる前に二十歳で海外に出て働き、帰国して大学を卒業、その後海外で三年働き、帰ってきて修士を取り、また海外で働いて帰国したら今度は育児中心という生活です。ときどきこのブログにも出てくる「辺境の会」でも「二児の父で博士課程に在籍中」な人もいます。この人は今年また海外に行くことが内定していて、やっぱり典型的なチャンクワーカーですね。
私も最近は日本語教師だけで食っていけるようになりましたが、昔は工事現場で働いていたことなんかもありまして、そういう複数の職業を掛け持ちするのが、四つ目の「ポートフォリオワーカー」です。日本語教育に近い仕事としては、日本人相手に「日本語教師養成講座で教える」という仕事もあって、掛け持ちしている人はポートフォリオワーカーですよね。私の知人では先日「エクセル講座」でご紹介した福地俊夫さんもその一人です。

なお、日本語教師にとっては、工事現場で働く人を相手に日本語を教えることもあるわけで、自分の見聞を広げるためだけにでも、ポートフォリオワーカーになってみる価値はあると思います。そういえば私もgoogleやamazonから収入を得ていますが、収入よりもそこで得た経験の方がずっと価値があるように思います。

なお、以前「日本語教師は職業ではなく生き方だ!」と言っていた先生がいましたが、この本で言う「ライフスタイルワーカー」は職業をライフスタイルにしているのではなく、ライフスタイルを職業(=収入)より優先させるということです。


この本の作者の渡辺千賀さんはブログもやっていて、ブログのほうもなかなかおすすめです。ブログは昨年の「アルファブロガー」に選出されましたし、今年の中間発表にも入っていたかな?

ブログでは幅広い話題を扱っていますが、日本語教育に関係するエントリーとしては、ご主人(アメリカ人)の日本語について書いた以下のものが面白いです。
「外国語の勉強はターゲットを絞ろう」
http://www.chikawatanabe.com/blog/2007/01/post_1.html

また、ご自分の英語について書いたエントリーも面白いです。
「英語の勘違い-back burner」
http://www.chikawatanabe.com/blog/2007/01/back_burner.html

posted by 村上吉文 at 21:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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