2007年01月07日

企画書の書き方

日本語教師は単に漢字や文法だけを教えていて、教育以外の社会と縁がないような誤解が多いですが(まあ、大学進学のための予備教育ではそういう面が強いのも事実)、社会の現場で働く人に日本語を教える場合はそうも言っていられません。今月は企画書の書き方の資料をいろいろ調べています。
もちろん、私自身もいろいろな企画書を書いてきたわけですが(日本語教師だって企画書を書きます、もちろん)、そういう自分流のやり方がいいのかどうかという点も含めて、今回の勉強は非常に面白かったです。

で、いくつか資料をご紹介しておきます。ただ、あくまでも「企画書の書き方を教える日本語教師のためのレビュー」なので、自分で企画書を書く方はアマゾンなりで書評をご覧ください。

まず、こういった「〜の書き方」を私が教えるときは、資料探しの軸が二つあります。実例と構成です。この二つがあれば、基本的に「〜の書き方」系の授業は何とかなるように思います。また、それ以上のことをする余裕もあまりないのが普通でしょう。今回もその二つの視点で資料を選びました。

企画書の書き方が面白いほどわかる本―知りたいことがすぐわかる お客様や上司を説得できる!気軽に作ってまとめるコツ35
この本は企画書本の定番といえそうです。いろいろなサイトで紹介されているロングセラーですね。実例はありませんが、構成は詳しく解説されています。

鉄則!企画書は「1枚」にまとめよ
これは情報考学で紹介されていました。
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000575.html
実を言うと、私自身も100ページ近い企画書を出して、「これ、一枚に書き直して」と上司に言われたことがあります。長いものは読んでもらえなくなりつつあるのは事実ですね。
さて、この本は構成も実例もあります。中にはクフ王のピラミッド建設の企画書もあります(もちろんこれは実例ではなく架空のものですが)。こういう形式の企画書は役に立つだろうとは思います。特に「要望」という欄で自分の相手に対する要望を明記するのは、非常にいいのではないかと思います。ただ、外国の方の書籍ですし、一般的に企画書と呼ばれているものとはちょっと違っていますので、日本語教師が紹介するにはちょっと難があります。

企画書は1行
企画書の中の決めぜりふというか、いちばん想いのこもっている一行について解説しています。教材としては実例も構成も不十分ですが、情熱的な仕事人たちがたくさん登場してくるので、モチベーションの面では大いに盛り上がります。NHKの「プロジェクトX」が好きだった人、現在の「プロフェッショナル 仕事の流儀」が好きな人(私もですが)には、物語としても楽しめると思います。

あのヒット商品のナマ企画書が見たい!
すごい人のすごい企画書
この二冊は著者が同じですが、アプローチが全く違います。
「ナマ企画書」の方は、タイトル通り実例が豊富で、かなり大きなB5版。企画書の実例だけではなくて企画者の写真とか、開発現場の写真もたくさん収録されています。ただし、ノウハウとしての構成はほとんど紹介されていません。企画書の一部しか記載されていなくて全体構成が分からないものもあります。もちろん、これは社外には出せないナマ企画書だから仕方がありません。
「すごい人」の方は逆に実例はありませんが、構成も含めノウハウが具体的かつ詳細に解説してあります。また、非常に読み進みやすい文体です。この人が書く企画書は確かに通りやすいだろうなあ、と思わせる本ですね。

それにしてもこの戸田氏、「ナマ企画書」の方ではあまりにも人相が悪いので引いていたのですが、「すごい」の方では普通の顔で安心しました。シャレでああいう写真にしてたんでしょうね。「すごい」の方では、繰り返し「ウソ」をいさめているし、「ナマ企画書」の写真での印象より、ずっと誠実な人なのではないかと思います。現在、日経BPネットでも仕事人には非常に役に立つ連載をしています。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/skillup/it_potential/
最新の記事ではこんなことも書いてありました。
蛇足ながら、マイクとスピーカーの位置がやや悪く感じたのは、僕の顔が大きすぎるのかもしれない。

戸田氏のブログはこちら。
http://www.toda-j.com/weblog/
ヘルニアになってギプスをしながら原稿を書いているそうです。首に負担がかからないので同業者に勧めていますが、大丈夫なのか?
あと、こちらのメルマガも面白いですね。私はRSSで読んでいるので登録はしていませんが。
http://merumaga.yahoo.co.jp/Detail/4/p/1/

話がずれてしまいましたが、そういうことで授業では戸田氏の二冊を中心に扱うことにしました。もちろん、「ナマ企画書」の実例と「すごい」の構成を両方利用させていただくわけですね。これから同じような授業をしなければならない日本語教師のみなさんにも、この二冊はオススメです。


posted by 村上吉文 at 05:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このエントリーをはてなブックマークに追加
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